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365歩のマーチ(2023.10.26)

仕事から帰る際、なんだかとても嫌な気持ちになっていた。
でも家に帰ると妻が唐揚げを揚げていたので、気分が明るくなった。

妻の唐揚げはまた一段と美味しくなっていて、私はまだまだどんどん揚げている妻の様子をよく見てみたが、私のと何が違うのかよく分からなかった。

仕込んでから5時間も経過したものを揚げているらしかったが、元々の味付けが薄めだったためか、私のに比べ随分薄味だった。妻はいつものように「薄いか?薄いか?」としつこく訊いてきた。私は「薄いけど美味い」と答えた。

次男(2歳)のイヤイヤ期は昨日くらいから絶頂に差し掛かっており、今日もすごかった。全然言うことを聞いてくれやしない。この世のすべてが気に入らないといった様子だ。妻は休憩と称して席を外し、長いこと風呂から戻ってこなかったが、その間洗い物をしながらあれやこれやと反抗、否定する次男に私や長男は心底うんざりした。

そんな次男だったが、夜10時を過ぎてようやく眠った。テレビで大泉洋がJUJUと一緒に歌っており、JUJUはもちろん、大泉さんが歌がめちゃくちゃ上手いのにびっくりした。張りと伸びのある、そして艶っぽい声だった。大泉さんはなんて多才な人なんだと妻と一緒に感心した。

それから眠っている子供たちの傍らで妻の今日一日の出来事を聞いた。妻は今日、転職のため面接を受けてきた。結果は採用で、その場ですぐに決まったそうだ。妻はその際見たこと聞いたことを眠っている長男の横に腰かけて楽し気に話していた。いつになく穏やかな表情をしている妻に、私はなんとなく色んなことがこれから上手くいくんじゃないかという漠然とした明るい気持ちになった。妻もそれは同じで、予想外に早まった納車や、新しい仕事が決まった事(と言っても最初は週一で働くそうだ)に、これから人生が少しずつ開けていきそうな茫洋とした希望を感じていたみたいだった。

そうして暗い部屋の中二人で珍しく楽しく話していると、次男の呼吸がなんだか怪しい。妻が抱きかかえると、どうやら震えている。額に手を当てると熱があり、「あ、これは痙攣がくるぞ」と思った。

慌てて次男を毛布でくるみ、妻は次男を抱っこしたままソファに腰かけた。私が少し嫌がる次男の脇を開けて体温計を差し込むと、液晶の数字はぐんぐん上がり、38.6℃を差した。なんということだ。また熱だ。

がたがた震えて顔面が蒼白な次男。妻は座薬を入れようと言った。

冷蔵庫にあった座薬を私は4分の3にカットして、ワセリンを塗って次男の肛門に入れて少しの間ぐっと押さえていた。次男は少し痛がったが、座薬はちゃんと入って出てこなかった。

次男は再び眠り、妻は添い寝をした。私は自室に戻って少し横になるつもりががっつり眠ってしまい、気づいたら3時。慌てて今これを書いている。

やっと全員体調が回復して今週末はちょっと遠くまで出かけようと思っていたのに、おそらくもうダメだろう。

なかなかどうしてままならんなぁ。
365歩のマーチの歌詞が染みる夜だった。

「365歩のマーチ」

しあわせは 歩いてこない
だから歩いて ゆくんだね
一日一歩 三日で三歩
三歩進んで 二歩さがる

人生は ワン・ツー・パンチ
汗かき べそかき 歩こうよ

あなたのつけた 足あとにゃ
きれいな花が 咲くでしょう

腕を振って 足をあげて
ワン・ツー・ワン・ツー
休まないで 歩け

ソレ ワン・ツー・ワン・ツー
ワン・ツー・ワン・ツー

しあわせの扉はせまい
だからしゃがんで 通るのね
百日百歩 千日千歩
ままになる日も ならぬ日も

人生は ワン・ツー・パンチ
あしたのあしたは またあした

あなたはいつも 新しい
希望の虹を だいている

腕を振って 足をあげて
ワン・ツー・ワン・ツー
休まないで 歩け



しあわせの 隣りにいても
わからない日も あるんだね

一年三百六十五日
一歩違いで にがしても

人生は ワン・ツー・パンチ
歩みを止めずに 夢みよう

千里の道も 一歩から
はじまることを 信じよう

腕を振って 足をあげて
ワン・ツー・ワン・ツー
休まないで 歩け




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