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村上春樹著「街とその不確かな壁」(2023.04.13)

今日は村上春樹の、実に6年ぶりとなる長編小説の発売日。

私も例に漏れず今日早速購入した。まだ全く読めていないが、とにかく厚い。そして重い。本の撮影のために要りもしないのにつけてもらったブックカバーをわざわざ外していたら床に落としてしまって、皆が寝静まった家に大きな音が響き渡った。まるで何かの警告みたいに。

きっとこの厚さ重さには何か意味があるに違いない。あるいは物語のメタファーとしてこの本の物体としての存在感は機能しているのかもしれない。

三年前に出た短編集「一人称単数」は個人的に村上春樹の著書の中ではかなり好きな方だった。いささか時代錯誤な部分はあるかもしれないが、「そういう時代」を描いているし、その時代の空気感を詳細に描写しようとすると、微妙な言い回しや言葉の選択が現代のそれとかけ離れたものになるのはある程度致し方ないと思う。それを差し引いても物語のひとつひとつは示唆と予感に満ちていて、深い余韻があった。どれも珠玉の短編ばかりだったと思う。

そして新作「街とその不確かな壁」。「一人称単数」の流れを汲んでいるとは到底思えないが、やはり期待してしまう。果たしてこの黒い・厚い・重い本をいつ読み終えることができるだろうか。ためしにこのnote内を検索してみたところ、すでに読了している猛者の方々がちらほらといらっしゃった。すごい。

一日!たった一日でもフリーな日があれば読み終える事ができるのに!まるでうちの冷凍庫みたいに隙間と余裕がない。やれやれ。


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