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失敗と成功の同時発生で出現するコンセプトを見逃さない


ウォルト・ディズニーとミッキーマウスのシンクロニシティ

ディズニー社を設立したウォルト・ディズニーは、ミッキーマウスの誕生の前に「オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット」という自社キャラクターを主人公にしたアニメをユニバーサル・ピクチャーズの配給で制作しています。しかし、ユニバーサル・ピクチャーズから法外な契約内容やアニメータースタッフの引き抜きで、ディズニー社は配給元と自社キャラクター、そしてスタッフの大半を失い、ウォルトは新しいキャラクターを模索していました。そこで彼は、これまでの作品で敵役として登場していたねずみのキャラクターをベースに、新たなアイコンとなるキャラクターを生み出しました。この新しいキャラクターがミッキーマウスです。ミッキーマウスは非常に愛らしく、親しみやすいキャラクターで、人々の強い共感を呼び起こしました。その結果、ミッキーマウスはディズニーのマスコットとして、さらにはアメリカの豊かさを表すアイコンにもなりました。

※ミッキーマウスの誕生は数々の逸話があるので、興味がある人は書籍やDisney +のドキュメントをご覧ください。

馬を水辺に連れていくことはできても、馬に水を飲ませることはできない

ウォルト・ディズニーのストーリーは、挫折や逆境に直面しながらも、自身の信念と創造力で大きな成功を実現したという魅力的なエピソードで溢れています。もしユニバーサルとの契約が続いていた場合、ディズニーの創造性やビジョンは制約され、彼らが生み出したキャラクターやストーリーは、現在とは全く異なるものになっていたかもしれません。ミッキーマウスのような象徴的で革新的なキャラクターは生まれなかった可能性が高いです。

ウォルト・ディズニーが困難に立ち向かいながらも、自分の夢やビジョンを追い求めた体験が「ディズニーランドは永遠に完成しない。 この世界に想像力が残っている限り、成長し続ける」というコンセプトにつながっていると思います。そしてミッキーの誕生に至るまでのストーリーは、イマジニアが集い新しい創造を生み出す環境や文化は「馬を水辺に連れていくことはできても、馬に水を飲ませることはできない」という比喩に象徴されるのではないでしょうか。この歴史的事象は、昨今のウェル・ビーイングの概念を考えるうえでとても参考になるとも思えます。

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