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初心者が綴る詩①「じいちゃんと夏」

お盆はじいちゃん家に
伯父伯母従姉妹全員集まった

この日はじいちゃん達も農作業はお休み

昼間は従姉妹達とじいちゃんの愛犬とで一緒に川遊び

どじょう、フナ、ザリガニ

「水草の中にいるんだよ」

従姉妹のアドバイスで
一番年少の私もやっと捕まえた

じいちゃーん!
フナ!フナ捕まえたよー!

川縁で見守るじいちゃんにみせると

「よかったなあ」

タバコをふかしながら日焼けして真っ黒の顔をクシャクシャにして喜んでくれる

家に帰って来てから飲むサイダー
おいしいねと言う従姉妹達の顔
みんな鼻の皮がむけている

夕方になると山の方から
とびきり涼しい風が下りてくる

その風を深呼吸して吸い込むのが好きだった
体の中まで綺麗になりそうで

夜は一部屋に布団を敷き詰めた子供たちの寝室でおきまりの怪談話

幼い私は怖くて怖くて外でタバコをふかしてるじいちゃんのところに逃げる

大人たちは宴会
子供達はおやすみなさい

朝、ラジオ体操の時間に起きる

じいちゃんのラジオから聞こえる
あのメロディに合わせて
体を動かす子どもたち

ラジオ体操カードに押された町内会の名前のハンコの中に
じいちゃんちのハンコが誇らしい

遠い夏の日
じいちゃんの笑顔とタバコの匂い
二度と戻らない夏の日
大好きなじいちゃんがくれた
一生無くならないプレゼント

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