第24段 なぜモノをなくすのか?
本段の要点
モノは確実に元の場所に戻すべし。
すぐに戻せない場合、
せめて目につく所に置くべし。
そして後で必ず元の場所に戻すべし。
さもなくば、モノはなくなると心得よ。
プロローグ 毛針はどこへ行った?
先日、ちょっと渓流に行くということで、
出発前日に自宅で準備作業をしていた時の話。
明日の行程は沢登りがメインだが、
ついでに渓流で毛針を流して
イワナでも釣ってやろうと思い、
毛針を探し始めた。
だいぶ前だが、確かに買った記憶はある。
もっとも、買ってから1回も使っていない。
青っぽいパッケージで、
透明の袋に入っていて、
毛針が何本か入っていて・・・という、
外観的な記憶は朧げながらあるが、
せいぜいその程度の記憶である。
釣具屋で毛針を買って、いつか使おうと
思ってはいたものの、使わぬまま
数年という月日が過ぎ去っていた。
単純な連想で、ハリというくらいだから、
釣り道具箱のハリ入れの中だろう・・・
と思って探してみるが、ない。
その他、入っていそうな可能性のある所を
しらみ潰しに探し回ったが、ない。
とうとう見つからず、結局沢登りには
行ったものの、毛針釣りはあきらめた。
あなたも、このように
モノを探したという経験はないだろうか。
(゚∀゚)/モノを探す?日常茶飯事だぜ!!
そこで今回は、モノをなくす理由と、
対処法について考えてみたい。
第1章 探し物のメリット、デメリット
探し物とか、デメリットしかないでしょ!?
探し物にメリットなんかあるかい!!
と思われる方は、まだまだ修行が足りない。
(°O°;)/何気に失礼な物言い!!
たいがいにしとかんと消されまっせ!!
物事には、良い面も悪い面も
両方見出すことができる。
物事を認識しているのは、あなたの脳なのだ。
良い悪いというのも、脳があらかじめ
セットしたバイアスのかかった
主観的な見方でしかない。
このバイアスをできる限りフラットにして、
あらゆる物事に良い側面と悪い側面の
両方を見出してみようではないか。
そのような見方できるようになると、
自分の認識する世界が広がってゆくのである。
ではまず、一般的に思いつきやすい、
モノ探しのデメリットから。
モノ探しのデメリット
(1)探す時間があまりにもムダ
本来ならササっと準備を終えて、
早く寝た方が翌日の沢登りのためには
良いはずのところ、私は毛針を求めて
深夜に至るまで家中のモノを
引っ掻き回した挙句、
見つからなかったのである。
(2)探しても、見つかる保証はない
モノを探す、つまりモノがどこにあるか
分からないということは、
あるかどうかすら、
捨てたかどうかすら定かではないということ。
はっきりと捨てた記憶があれば、
そもそも探し物をしないだろう。
特にモノが見つからない原因の一つとして、
仕舞う場所を間違えた、ということも
よくある。
忘れた頃に、ひょっこり出てくる
ということがたまにある。
往々にしていつもの収納場所以外の所から
見つかるものだ。
モノ探しのメリット
さて続いて、モノ探しのメリットにも
目を向けてみよう。
災害にさえ、メリットは見出せる。
例えば台風は、時として甚大な風水害を
もたらすが、反面、水不足解消に寄与する
という利点も見出せる。
そんな柔軟な思考で読み進めてみてほしい。
(1)モノ探しがあまりにも不毛なので、
一念発起してプチミニマリストを
目指すきっかけとなる!!
これは、デメリットを受けて自分を変える
強烈なモチベーションが得られたという
発想の転換である。
このような、マイナスに受け止めて
しまいがちなシチュエーションを、
プラスに転じる思考法というのは
大事にしたいものだ。
(2)時間の大切さを身をもって知る
モノ探しで失われた時間、機会損失は、
個々をみると些末なものであっても、
積み重なれば膨大なものとなりかねない。
時間を浪費する、というマイナスの事象を
受けて、それをいかにプラスに転じるか、
考える端緒となる点からすれば、
モノの整理整頓ができない人が、
モノ探しをせざるを得ない状況に
追い込まれるということも、
時として必要なのかも知れない。
(3)意外なモノが見つかる
これはモノ探しの副次的効果とも
言えるだろう。意外と、どこに何を
仕舞っているかをこと細かく覚えている人も
少ないものだ。
そういう人にとって、たまに行う
モノ探しというイベントにおいて、
たまにしか開けないケースを開けてみると、
自分でも存在を忘れ去っていたモノと、
偶然出くわすこともある。
それが何か新たなストーリーの序章になる
可能性もなくはない、という幾分消極的な
理由でこれをメリットに
挙げたのであるが・・・
往々にして、所在も忘れるほど長い間
仕舞い込まれていた(放置されていた)
モノというのは、急に出てきたところで
「今はイラネ」となり、また押し入れの
どこかに仕舞い込まれ、
忘れ去られるのがオチである。
そして、見つかったモノがもしいらない
モノだった場合は・・・次の項目へ移行する。
(4)断捨離のチャンス!
モノ探しでいらないモノが見つかるケースも
往々にしてあるものだ。
そうして偶然にも目に留まった、過去に
手に入れたモノは大抵の場合、すでに
何年も経過していて使う見込みもなく、
モノ入れを占領しているだけで
何も役に立たない無用の長物であることに、
はたと気付く瞬間がある。
そうしたら、ついにそのモノを手放し、
身軽になれる日が来たのだと喜ぼう。
モノ探しを、断捨離のご縁であると捉え直す。
素晴らしい。
そんな発想の転換ができる人は、
いずれ不毛なモノ探しとは無縁の人に
なるに違いない。
第2章 モノをなくす理由
なぜモノをなくすのか分析してみよう。
(1)いつ使うかも決めていないモノを買う
衝動買い、
消耗品の過剰な買い溜め、
貰い物を大事にとっている、
などの場合がこれに該当するだろう。
(2)仕舞っているうちに、
買ったかどうかも忘れる
(3)デタラメにモノを仕舞う
(4)そもそもモノが多過ぎる
(5)何があるか、自分でも把握していない
そもそも、モノがどこにあるか把握せずして、
そのモノを管理していると言えるのだろうか?
いわゆる「もったいない精神」からモノを
溜め込む。日本人にありがちな特徴なのかも
知れない。
もったいないという思い、モノを大事に使う
精神性は美しいが、モノを溜め込みやすい、
モノをなくしやすいことと裏腹なので、
どこかで線引きをしなければならないのだ。
それでは次章でいよいよ、
モノ探しから卒業するための方策について
考えていく。
第3章 モノをなくさないためには
(1)モノの定位置を決める
プロローグの事例で挙げた、私が数年前に
買った毛針が見つからなくなった案件。
まず、私がどのようにモノ探しを進めたかを
みていこう。
まず、そのモノが仕舞ってあると仮定して、
自分ならどこに置くかを考える。
そこになければ、次の可能性を考え、
そこを探す。
基本的には、この繰り返しである。
どうしても見つからなければ、
間違った場所に仕舞い込んだ可能性を考える。
しかしそうすると、薄っぺらいモノなら
どこか家具の隙間にはまり込んだ
可能性すら出てきて、いよいよ家中を
探し回ることになり、費用対効果で考えると
新しく買った方がマシということになる。
思えばあの時の
「これあったらまた使えるかも!」
という自分の考えが、いかに浅はかで
あったかが思い知らされる。
こうなる前に、きちんとそのモノの
「定位置」を決めてやる必要が
あったわけだ!!
モノの最も大きな特徴から分類する
どのように定位置を決めればよいか。
そのモノを探すと仮定しよう。
これはイマジネーションの世界である。
あなたなら、まずどこを探すだろうか?
私の例でいくと、毛針はハリという
くらいだから、ハリに分類すればいいのだ!
ちょうど、私は釣り道具入れを
いくつかのカテゴリに分けており、
オモリ、ウキ、糸、仕掛け、ハリ・・・
などと分類している。
その、ハリの入れ物に入れておくとよい。
つまり、私の場合、毛針の定位置は
ハリ箱だったのだ!そこに入れていれば、
私は冒頭お話ししたような、手痛い失態を
犯さずに済んだのだ。
これをお読みのあなたも、
身の回りの何か定位置を決めたいモノを
思い浮かべながら、考えてみてほしい。
先に、「私の場合、毛針の定位置はハリ箱」
と断りを入れたのは、そのモノをどのように
分類するかは人それぞれだからである。
毛針は、ハリだからハリに分類できるし、
糸もついているから糸に分類してもいいし、
全体をみて仕掛けとも言えるし、
擬似餌だからルアーとも言えるし、
はたまた釣り道具ではなく沢登り用具として
分類するという手もある。
これが、モノの最も大きな特徴から考えた
分類法、定位置の決め方だ。
(2)モノを安易に買わない
私の敗因を考えると、モノを使う予定もない
うちに買って長らく放置してしまったため、
このような事態を招いたのだ。
理想は使う直前に、必要な分だけ
計画的に仕入れる、ということだ。
衝動買いは、できる限りやめておくに
越したことはないが、もしかすると
そこで買っておかないと二度と入手
できなくなるという場合もあるだろう。
その場合は、先回りして、これを
どこに仕舞うか、よくよく考えてみることを
お勧めする。
仕舞い場所さえ確保できれば、
そのモノを買ってもいいだろう。
逆に言えば、仕舞い場所もはっきり
しないまま衝動買いしてしまうと、
後で後悔(出ました二重表現!
馬から落馬!!)することになりかねない。
(゚∀゚)/危険がアブナイ!!
それに、仕舞い場所といつ使うかが
明確にイメージできたとすれば、
もはやそれは衝動買いなどではなく、
計画的な買い物と評価してよいと思う。
(3)いらないモノは潔く捨てる
モノが多過ぎるとそもそも探すのが
物理的に困難になる。
この際、不用品は早めに見切りをつけて、
ゴミ袋に詰めておくか、メルカリで売るか、
粗大ゴミに出すかして、
決別することも必要である。
(4)よく使うモノの一時的な仮置き場を作る
モノには定位置を作れ、と言っても、
四角四面にそれを実行すると
実生活では不便な場合がある。
すぐまた使うモノを、いちいち定位置に
戻すのもやりづらい、そんな時は次の方法が
お勧めだ。
すぐに定位置に戻さないモノの、
一時的な仮置き場を作る!!
この仮置き場は何でも良いが、一つだけ
条件がある。
それは、目立つところにすることだ!
目立ち過ぎてジャマなくらいが丁度いい。
ジャマだと、早く片付けたいという
モチベーションがわくし、何より
目立たない所にあるとそのうち
埋もれてしまい、どこに行ったか
分からなくなるためだ!!
用が済んだら元の位置へ。これは鉄則である。
使いたいモノが、使いたい時に定位置から
サッと取り出せると、時間的にも行動的にも
見た目的にも大変スマートでかっこいい。
しかも、スッキリ爽快な気分が味わえる。
まさにこの感覚は、過去に探し物で苦労して、
無駄な時間を費やした人ほど、
感慨深いものがあるのではなかろうか。
本段の教訓的結論
モノは確実に元の場所に戻すべし。
すぐに戻せない場合、
せめて目につく所に置くべし。
そして後で必ず元の場所に戻すべし。
さもなくば、モノはなくなると心得よ。
210807 着想を得る
210828 書き足し、最終校正
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