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リスクを取れる社会にするために、個人保証の上限額を1千万円とすべきではないかと考えます。

こんにちは。公認会計士の山本です。

かなり暴論ですが、

私は、日本は、民法を改正して、個人が差し入れられる保証の上限を、一人1千万円迄に制限した方がよいと考えています。

理由は、そうしないと、個人がリスクを取れる社会にならないからです。

日本の起業率は諸外国に比べて、極めて低い水準にあります。

また、中小企業のオーナーの高齢化が進み、事業承継が急務と言われていますが、円滑に承継が進んでいません。

こういった事象の背景には、個人保証が重過ぎる、ということがありますので、

それであれば、個人保証に法律で上限額を設けてしまえば良い、という発想です。

1千万円というのは、失敗しても、立ち直れる金額というイメージです。

しかし、

それでは、誰もお金を貸さないだろう、という、金融機関からの猛烈な反対が予想されますが、

そもそもの話として、「信用」の創り方は個人保証に限りません。日本社会の「信用」の創り方が、たまたまそうだった、というに過ぎません。(この点については、こちらをご覧ください。)

また、起業したり、事業を承継したりすると、常に自己破産のリスクと隣り合わせになる、とすると、

バブル以降の失われた30年の、日本人の行動や、日本企業の行動が示しているように、

人も、企業も、なるべくお金を借りない方向に動きますので、

金融機関が、慣習に従って、目先のリスクを保全しようと、個人保証を取り続けた結果、

資金需要の滅失という、より巨大なリスクを、金融機関のみならず、社会全体にもたらしてしまった事実は、もっと注目されて然るべきと考えます。

このように、かなりの暴論ではありますが、

個人的には、この点を変えないと、

失われた30年は、失われた40年に続いてくのではないかと思っています。

法律を一つ変えるだけで、世の中の流れは変えられると思います。そこを変えずに、55兆円、財政出動をしても、大きな流れは変わらないのではないかと思います。

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