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犬牽と行く美術館・博物館

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日本伝統のドッグトレーナー/犬牽(イヌヒキ)の技術と文化を継承する筆者が、その目線を持って美術館・博物館を巡るエッセイシリーズ
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#博物館

犬牽と行く美術館・博物館⑨東京国立博物館『ポンペイ展』2022/1/14~4/3

 日本の伝統的なドッグトレーナー〝犬牽〟を継承する筆者が、その目線で美術館や博物館を巡るシリーズ。  今回は東京国立博物館で開催『ポンペイ展』を取り上げる。  さて、二〇二二年一月一四日~四月三日まで東京国立博物館は平成館にて『ポンペイ展』が開催となった。  西暦七九年、現在のイタリアはナポリ付近に存在したローマ帝国の都市ポンペイは突如発生したヴェスヴィオ山の噴火によって人々諸共火山灰の下へと眠る。  一般的な被災地ならば復興の末にその形跡の多くを無くすが、ポンペイは一八

犬牽と行く美術館・博物館⑧江戸東京博物館・後編『縄文2021―東京に生きた縄文人―』2021/10/9〜12/5

※この記事は日本の伝統的なドッグトレーナー〝犬牽〟の目線で美術館・博物館の展示品をピックアップして紹介する連続シリーズですが、初めて読む方にもわかりやすいよう〝鷹犬〟の説明など他記事と重複する箇所が多々ございます。ご了承ください。 〇はじめに 前編に続いて、今回も江戸東京博物館にて開催『縄文2021―東京に生きた縄文人―』の展示品をピックアップして解説していきます!  現地に着いたならば、ちょっと分かりにくいのですが階段を上がっていけば常設展、上がらずそのまま進めば特別展

犬牽と行く美術館・博物館⑧江戸東京博物館・前編『縄文2021―東京に生きた縄文人―』2021/10/9~12/5

※この記事は日本の伝統的なドッグトレーナー〝犬牽〟の目線で美術館・博物館の展示品をピックアップして解説/考察する連続シリーズです。しかし初めて読む方にもわかりやすいよう、説明が他記事と重複する箇所が多々ございます。ご了承ください。 〇はじめに またまた行ってきました、江戸東京博物館。  やはり2022年には大規模改修に伴う長期休館が始まるということで、特別展や企画展は見逃さずに行きたいという気持ちが私の背中を押しました。  それにしても来館したのは平日の午前中、加えて雨に

犬牽と行く美術館・博物館⑥江戸東京博物館『ひきつがれる都市の記憶―江戸東京3万年史』2021/9/18~12/5

※この記事は日本の伝統的なドッグトレーナー〝犬牽〟の目線で美術館・博物館を巡る連続シリーズです。初めて読む方にもわかりやすいように犬牽の説明等、他記事と重複する箇所が多々ございます。ご了承ください。 ○はじめに 前回の『大江戸の華ー武家の儀礼と商家の祭ー』に続いて、今回も墨田区は江戸東京博物館で開催されている展示会についてご紹介。 ○『ひきつがれる都市の記憶―江戸東京3万年史』  本企画展は江戸東京博物館が2022年4月から大規模改修工事に入る節目に、博物館が建つ東京とい

犬牽と行く美術館・博物館⑤江戸東京博物館『大江戸の華ー武家の儀礼と商家の祭ー』2021/7/10~9/20

※この記事は日本の伝統的なドッグトレーナー〝犬牽〟の目線で美術館・博物館を巡る連続シリーズです。初めて読む方にもわかりやすいよう、犬牽の説明など他記事と重複する箇所がございます。ご了承ください。 〇はじめに 前回の記事との間に、随分と時間が開いてしまいましたね。  気を取り直して今回はお馴染み、江戸東京博物館です。  1日で2つの展示会を観に行きましたので、まずは前半『大江戸の華ー武家の儀礼と商家の祭ー』をご紹介。   〇『大江戸の華ー武家の儀礼と商家の祭ー』 江戸東京

犬牽と行く美術館・博物館④『東京国立博物館・常設展』その3【赤穂浪士も大切にした町犬たち】

〇はじめに 日本伝統のドッグトレーナー/犬牽(イヌヒキ)の技術と文化を継承する筆者が、その目線を持って美術館・博物館を巡るエッセイシリーズ。  4回目は、東京国立博物館の常設展を取り上げています。  建物の広さと所蔵品の多さから、1日をフルに使って巡らなければ見きれないほどの内容を誇る同博物館。  そのためこのエッセイでは犬牽の目線の元、厳選した所蔵品を3つに分割してご紹介していきます。  今回はついに最終回/3回目は、東京国立博物館に住む犬たちをご紹介。  その姿を通して、

犬牽と行く美術館・博物館④『東京国立博物館・常設展』その2【不動明王のモデルは犬牽?】

◯はじめに 日本伝統のドッグトレーナー/犬牽(イヌヒキ)の技術と文化を継承する筆者が、その目線を持って美術館・博物館を巡るエッセイシリーズ。  4回目は、東京国立博物館の常設展を取り上げています。  建物の広さと所蔵品の多さから、1日をフルに使って巡らなければ見きれないほどの内容を誇る同博物館。  そのためこのエッセイでは犬牽の目線の元、厳選した所蔵品を3つに分割してご紹介していきます。  今回は第2弾。『不動明王立像』を普段は絶対にしない目線から、見つめていきましょう。  

犬牽と行く美術館・博物館④『東京国立博物館・常設展』その1【鶉と犬牽の切っても切れない縁】

◯はじめに 日本伝統のドッグトレーナー/犬牽(イヌヒキ)の技術と文化を継承する筆者が、その目線を持って美術館・博物館を巡るエッセイシリーズ。  4回目は、東京国立博物館の常設展を取り上げます。  建物の広さと所蔵品の多さから、1日をフルに使って巡らなければ見きれないほどの内容を誇る同博物館。  今回は犬牽の目線の元、厳選した所蔵品を3つに分割してご紹介していきます。  それでは、行ってみましょう! 〇東京国立博物館 東京国立博物館はJR・東京メトロ銀座線日比谷線上野駅または

犬牽と行く美術館・博物館③『江戸東京博物館・常設展』【江戸の犬たち】

〇はじめに 日本伝統のドッグトレーナー/犬牽(イヌヒキ)の技術と文化を継承する筆者が、その目線を持って美術館・博物館を巡るエッセイシリーズ。  第3回目は、江戸東京博物館の常設展を取り上げます。  私にとって江戸東京博物館は、犬牽が活動していた江戸時代を頭で、そして身体で感じられる大切な場所。  皆さんにも江戸時代の犬と日本人の関係性がより強く感じてもらえますように、展示物の数々をご紹介していきましょう。 〇江戸東京博物館 江戸東京博物館は総武線の両国駅から徒歩3分、大江戸

犬牽と行く美術館・博物館➁太田記念美術館『ニッポンの浮世絵-浮世絵に描かれた「日本のイメージ」』2020/11/14~12/13

〇はじめに 日本伝統のドッグトレーナー/犬牽(イヌヒキ)の技術と文化を継承している筆者が、その目線を持って美術館・博物館を巡るエッセイシリーズ。  第2回目は、というより〝も〟太田記念美術館に行ってきました。  やはり江戸時代の浮世絵を中心に展示されている太田記念美術館は、江戸時代に活躍した犬牽と相性が良いんですよね。  次々と目に留まれば、新しい知見を私たちに授けてくれます。  それでは第1回目の姉妹編とも言える本展示、行ってみましょう。 〇太田記念美術館『ニッポンの浮世

犬牽と行く美術館・博物館➀太田記念美術館『江戸の土木-橋・水路・ダム・大建築から再開発エリアまで-』2020/10/10~11/8

この記事は、犬牽の目線で美術館・博物館の展示物を解説していくシリーズです。 〇はじめに まず本題に入る前に、はじめて〝犬牽(イヌヒキ)〟という単語を見た方のために説明をしておきましょう。  そもそも犬牽とは江戸時代に活躍した幕府直属のドッグトレーナー集団、鷹狩専用の猟犬である〝鷹犬(タカイヌ)〟や幕府儀礼に登場する通称〝芸能犬〟の飼育を担当していました。  犬の権利を尊重する先進的な飼育を心掛けていた犬牽でしたが、江戸幕府の終焉と共に継承がストップ。残念ながら、歴史の表舞台