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田舎のコインランドリー、サービス充実度がやばかった。

皆さん、コインランドリーって使いますか?今回は、出張で滞在した福岡県の田川郡という街で出会ったコインランドリーから得たビジネスの教訓について書かせていただきます。

コインランドリーって便利ですよね。雨が降ってる日とか、室内に干したら洗濯物が臭くなるので、家で洗って乾燥機だけコインランドリーってパターンも多いと思います。

僕は出張先で朝ランニングしながら周辺を調査するのが好きです。どんな街なのか、どんなものがあるのか。周辺を10キロ〜20キロ走ったら大抵の街ではいくつかの気づきがあるものです。

汗かいたウエアはその日のうちにコインランドリーで洗濯して、乾かします。そして、翌日のトレーニングに備えるのでコインランドリーはよく使います。

今回は、福岡県赤村といういい感じにのどかな村に滞在したので車で10分ほど移動した田川という街でコインランドリーを探しました。

あるある。たくさんのコインランドリーが密集していてコインランドリー天国なんです。
こんな感じに。

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これだけあったら、コインランドリー困らないですよね。ところが、最初に行ったコインランドリーは、洗い終えた洗濯物を引き取りに来てくれない人がいてなかなか洗えなかったんです。

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一つあいてるんだけど、30キロサイズの大きな洗濯槽のものでウエア洗うだけのために使うのはもったいないくらいのサイズ。

すでに、洗濯終わってから5〜10分経ってる…
「早く洗濯物取りに来て、乾燥機にかけておくれ〜。シワシワになったちゃうよ〜」と呼びかけても仕方がない。

ここで、諦めてよりどりみどりの「コインランドリー銀座」から別の最寄りコインランドリーを選択。わずか5分ほどの距離にあるここにやってきた。

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ここで、運命的な出会い。

僕の固定概念を覆すサービス。昭和レトロなサービスでも使い方ひとつで斬新なものになるという例を紹介します。

ここのコインランドリー、おばちゃんが常駐してるんです。本人に確認したところオーナーではなく、雇われている人だということなので、時給なのか、月給なのか委託費なのか…何らかの形でオーナーが人を置いているんですよね。

前のコインランドリーでなかなか洗濯槽から洗濯物を出してくれない事にイライラを感じここに流れてきた僕としては、「画期的なサービス!」と感心しました。

常駐しているおばちゃんは、洗濯物を洗い終えると乾燥機に移してくれちゃんとスイッチも入れてくれるのです。しかもちゃんと乾き具合をチェックして無駄な回転は一切させない。

乾燥機10分で終わると思ったけど、念のために20分200円を預けておいたら「10分で乾燥終わったけ」と100円返してくれました。

20分やっててもわからないし、「おばちゃん、助かったからこれお駄賃で受け受取って!」と渡そうとしたけど「ちゃんと給料もらっとるで、大丈夫」と固辞するのです。

おばちゃんの仕事ぶりが想像できるでしょうか?

僕が洗濯と乾燥機で1時間みて隣のコンビニでブログ書いたり仕事してる間に40分くらいで乾燥機まで終わらせて、洗濯物も畳んでくれる。

僕は仕事の区切りがいいところまでは洗濯物取りに行かない可能性があるので、その間はお客さんが洗濯槽の前で待ってなきゃいけないですよね。さらに、僕がたまたま忘れてしまっていたらもっと機会損失が起こります。

その間に洗濯槽5槽、乾燥機10槽を無駄なく回し続け、サイズに合わせた槽で効率よく、しかも適正なサイズに洗濯物を入れて運用していくのです。

お客が洗濯物を引き取りに来るのが遅れると当然その分洗濯槽が稼ぐお金が変わります。洗濯槽で10分遅れ、乾燥機で10分遅れると…200円〜300円の損失です。

仮に僕が1店舗目のコインランドリーで少量の洗濯物を回していたら、量の多い洗濯物を回したかったお客は機会損失で他に流れていく上に、小さい洗濯槽は稼働しないことでしょう。

小さいのを600円/40分
大きいのを800円/50分と仮定した時に、

小さいのを前の客と僕が使った場合に大量の洗濯物を抱えたお客さんがやってくると、
600円+600円+800円で2000円が稼げます。

最初の客が洗濯物を取りに来ないで、僕が大きいのを使った場合は、600円+800円で1400円の稼ぎ。

これを2店舗目の規模感で運用した場合、時間当たりにして3倍〜4倍の売上変動がみられるはずです。

さらに厳密に言えば小さい方は1時間あたり10分の効率化による売上が生まれるのです。※1日当たり20分のマージンがあるので、2日ごとにさらに1回転分売上プラスになりますが、計算面倒くさいのでハショります。

つまり、3倍で計算してみても6600円と4200円の差。これが、おばちゃんが勤務してる時間が8時間だと仮定したら8倍になるので、5万2800円と3万3600円の差。1日当たり1万6800円の差が生まれてくるのです。

同じようなおばちゃんが2〜3人いてシフトを組んだら、30日まるまる稼働できるので、おばちゃんの人件費を福岡県の最低賃金841円で計算した場合に6728円がおばちゃんの人件費。

おばちゃんが稼ぎ出すであろう1日当たりの粗利1万6800円から人件費を差し引いて、1万72円がおばちゃんの稼ぎ出す純利。これを30日繰り返したら30万2160円。年間にして362万円以上の粗利がざっくり変わってくるのです。

しかもこれ、おばちゃんが夜勤とかやってなかったり、天気が悪かったり、大きい洗濯槽だけでなく、乾燥機も考慮に入れたらかなりの差額になるはずです。

僕がたまたま行った2店舗目のコインランドリーのオーナーはかなりキレる人ですよね。人を置くと非効率とか思い込んでましたが、コインランドリーを無人化することで起きている非効率を、おばちゃんの処理能力によって効率化し、生まれなかったかも知らないお金を生み出したのです。

さらに、高齢者の雇用とかって助成金とかもあったりくるので、そういうのも活用したらもっとすごいですよね。

こういうのがあるから、ビジネスって面白いですよね。

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