山川太史(山分大史)

山川太史(やまかわたいし)という俳号で俳句をやっております。 神戸の「とちの木」「いぶ…

山川太史(山分大史)

山川太史(やまかわたいし)という俳号で俳句をやっております。 神戸の「とちの木」「いぶき」という二つの結社に所属しております。 こちらでは俳句に関することを中心にいろいろと書いてまいりますので、よろしければお付き合いくださいませ。

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自選十句(令和五年まで)

自己紹介になればと、昨年末までに結社誌等で発表した句のなかから十句を選びました。こんな句を詠んでいます。

    • 川崎雅子俳句の鑑賞② 〜波状正しき〜

      「とちの木」句会で、私は主宰・川崎雅子に漢語の使用について注意を何度も受けてきた。 安直に漢語を使ってはならない。よく考えて句に入れるように。 そう伝えられてきている。 この教えは、川崎雅子が「渦」に所属していたときに赤尾兜子から言われてきたことだったそうだ。 たとえば、「場所」という語を入れたのでも釘を刺されたことがあった。多くの人は言われなければあまり意識しないだろうが「場所」は漢語である。対応する和語としては「ところ」がある。 確かに、後者よりも前者のほうがゴテゴテし

      • 川崎雅子俳句の鑑賞① 〜男くれば〜

        私の師である「とちの木」主宰の川崎雅子は、昭和50年に「渦」に入会してその句歴を歩みだした。 「渦」の主宰・赤尾兜子(あかお とうし)の死後は、心機一転「雲母」に移り飯田龍太に学ぶ。そして、平成4年の「雲母」終刊後は、大井雅人(おおい がじん)の「柚」に所属し、その終刊後、同結社の精神を継承するかたちで「とちの木」を創刊する。 なお、「雲母」以降、龍太・雅人から教えを受けたほか、友岡子郷(ともおか しきょう)からも薫陶を受けており、平成18年には彼の句を鑑賞した『友岡子郷俳句

        • 「いぶき」第24号鑑賞 ―雑詠欄―

          先日「いぶき」24号の代表作品を鑑賞したことに次いで、ここでは雑詠欄のなかで目についた句を鑑賞したい。 「いぶき」の雑詠欄について 今井豊・中岡毅雄両代表制である「いぶき」の雑詠欄は、投句者の句が両代表それぞれからの選を受ける。投句者は七句を出し、その中から、最も多くて六句、少なくて三句が選ばれ、誌面に掲載される。また、六句選出されているもののなかで、特に優れている上位八席は、代表による一句鑑賞が添えられる。 今井代表による選の欄は「齋甕集(ゆかしゅう)」、中岡代表による

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        自選十句(令和五年まで)

          「いぶき」第24号鑑賞 —代表作品—

          私の所属している結社「いぶき」の結社誌24号が5月1日に刊行された。 「いぶき」は、中岡毅雄代表と今井豊代表の二人による両代表制を採っている。結社誌は季刊であり、年に4回刊行されるが、毎号巻頭には両代表の作品10句が掲載されている。 中岡代表の作品は「紺碧抄」と名付けられ、今井代表の作品は「臘扇抄」と名付けられている。 ここでは、その両代表による計20句から、とりわけ目を引いた句を鑑賞させていただく。 「実朝忌」はかく詠むべしと、手本を見せてくれるような一句だ。「濡れゐる

          「いぶき」第24号鑑賞 —代表作品—

          『朋哉句抄 2012―2021』

          星野立子新人賞や俳人協会新鋭俳句賞を獲られている俳人の若杉朋哉氏の句集『朋哉句抄 2012―2021』を先日賜った。 実はこの方は生業において私の同業者(国語塾経営者)であり、そちらの方面でも、俳句においても、道の先をゆく憧れの方である。 氏が新しく私家版の句集を出され、配布希望者を募っていることを聞き、勇気を出して連絡を差し上げたのだった。 閑雲野鶴の境地にあるとでも言うべきか、悠々としてさらりとした詠みぶりが魅力的だと思う。 また、上に挙げた句のなかでは特に「明日よ

          『朋哉句抄 2012―2021』

          ワビスキジョージュー

          30歳の頃に俳句を詠み始め、今年で9年目になる。ただ、初めの1~2年はそもそも俳句という文芸がどういうものであるのかを勘違いしていたり、3~5年目は生活の状況からあまり熱心に俳句に打ち込めなかったりして(コロナ禍もあったし)、この句作歴のうちの半分ほどは無為に過ごしてきてしまったように思う。実力と知見が、句歴の数値にとんと見合っていない。 ここ2~3年でようやく俳句の世界というものが見えてきて(それでもまだ「見えてきて」である)、句会でも主宰の面々にそれなりに点をいただける

          ワビスキジョージュー