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Wordからの脱却!Googleドキュメントで学級通信をもっと便利に

先日、学級通信に関するこんなアンケートをとってみました。

結果としては、学級通信を作成するツールとしてはWordが圧倒的多数を占めていますが、Canvaを使っている方も少しずつ増えていることがわかります。

その他には、ProCreate・PagesなどのiPadアプリや手書きという方もいらっしゃいました。

少数派ですが一太郎を使っている方も、いらっしゃるようですね。
※ジャストシステム頑張れ!笑

僕は、就職してから10年ほどWordを使って学級通信を作ってきたのですが、自分なりの理由があって今年からGoogleドキュメントで学級通信を作成しています。

今回は、学級通信の作成をWordからGoogleドキュメントへ移行した理由やGoogleドキュメントのメリット、実際に使って感じるWordとの違いなどを記事にしていきたいと思います。

最後までご覧いただければ幸いです。


(1)学級通信の役割と今後

学級通信作成のツールに関する話題の前に、学級通信の役割と今後の予想をしてみたいと思います。

・学級通信の役割

学級通信には、
・行事や授業予定の連絡
・提出物や配布物の連絡
・時間割や持ち物の連絡
・学校での様子の連絡(写真)
などの役割があります。

学級通信を毎日発行することで、保護者とのコミュニケーションツールとしている先生もいれば、月に1回程度予定連絡のために発行している先生もいます。学年通信のみで、学級通信は出さないという学校もありますね。
※学年通信の月1回発行でも最低限の情報は伝えることが可能

しかし、最近はその役割が少しずつ変化してきていると感じています。

・学級通信の今後

最近の学校は、GIGAスクール構想、一人一台端末、校務DXの進展などにより、これまでアナログな方法で行っていた業務を少しずつデジタル化する流れがあります。

この流れは、保護者と学校との連絡ツールにも変化をもたらしています。

今までは、緊急時にメールマガジンを活用して情報を伝え、欠席連絡は原則電話で受け付けていましたが、現在は保護者との連絡アプリが現場に導入されてきており、業務フローが変化してきています。

保育園でも、同様の機能をもつアプリが導入されてきています。

これらの連絡ツールは、
・保護者からの欠席、遅刻、早退連絡
・学校から連絡(文書配布)
・学校からのアンケート

などを行うことが可能です。

ツールを導入することで朝の忙しい時間に、保護者が電話することも減りますし、朝の職員室で電話が立て続けに鳴り続けるという状況も回避できます。

アプリによっては連絡帳としての機能もあり、学校への連絡を手書きする必要もなく、保護者負担が軽減されるというよさもあります。

さらに、学校が保護者に直接連絡することができるため、手紙の渡し忘れや紛失、回収をチェックして提出を催促するなどの手間を削減することができます。

これらのアプリ導入は、学校だけでなく保護者にとってもメリットがあるため、今後も各自治体で導入が進んでいくと思いますが、"これらのアプリ導入が学級通信の役割にも変化を与える"と考えています。

わざわざ"学級通信"という形にまとめなくても、アプリ内で必要な情報を必要な時に瞬時に配信できるようになると思うからです。

持ち物の連絡や配布物の確認は、必要があるたびにアプリで連絡するようになるでしょうし、写真はクラウドにアップしてURLを共有するようになると思います。

学校の行事予定も、アプリ内のスケジュール機能を使ったり、Googleカレンダーに入力してデータで共有する形に変化していくと思います。

保護者連絡アプリ導入の結果、学級通信が果たしていた役割が徐々にアプリに移行し、今後数年で「学級通信は不要派」「学級通信は必要派」のバトルが激しくなると予測しています。
※学級経営の一環として出したい先生は、継続すると思います

ただ、個人的には、"最終的に学級通信という形式での情報発信はなくなっていく"と予想しています。

現場ではいまだに紙での配布が多いため、一朝一夕で学級通信がなくなり、全てアプリに移行するという決断をすることができるとは思えません。

僕の勤務校は、市内の他の学校と比較するとデジタル化が進んでいると思いますが、それでも学級通信を紙で配り、アプリでもPDFを配信するという形式をとっています。

そうはいっても、徐々にアプリでの連絡に移行していくことは確かだと思っていますし、そのための準備は必要だと思います。

そんな現場で、自分でできることとして考えたのが学級通信をGoogleドキュメントで作成することでした。

(2)Googleドキュメントでの学級通信作成

繰り返しになりますが、今後学級通信の内容は徐々に保護者連絡アプリへ移行していくと考えています。具体的なステップは以下の通りです。

僕の予想する今後のステップ

僕の予想する今後のステップ

最終的には、5.学級通信を廃止して、アプリでの連絡へ移行のところまで行くと予想していますが、4.(PDFの配付からGoogleドキュメントの共有へ)が入る可能性があるとも考えています。

PDFでのデータ配信が増えてくると、"レイアウトが固定されているPDFでは、端末によっては必要な情報を見つけるために複数回のスクロールが必要になる"という保護者の不満がみられるようになると思うからです。

PDFで配信されたデータは、保護者によってPC・タブレット・スマートフォンと様々な端末で閲覧されます。

画面の大きい端末なら問題ないですが、画面が小さかったり、縦横比が特殊だったりすると、文章を読む際に一部を拡大して複数回縦横のスクロールをしながら読むことになり、見にくく感じると思います。

学級通信は、保護者に情報を伝えるためのツールなので、保護者が見づらいと感じたり、見るのがめんどくさいと思うような状態は望ましくありません。

特に、これまで一覧性の高い紙で配られていた学級通信がPDFのみになったことで見にくくなったと感じるとよりストレスが高いのではないでしょうか。
※学校に「紙でも配ってくれ」という要望がくることもありそうです

ここで、
・紙での配付を行うという選択肢
・学級通信を廃止してアプリでの情報発信に完全移行するという選択肢

があります。

紙での配付を継続してもいいですが、印刷・配付・回収の手間は減りません。しかし、完全にアプリへ移行するという決断ができる管理職ばかりではなく、従来の学級通信という形を維持したいという管理職も多いでしょう。

そこで、Googleドキュメントの出番です。Googleドキュメンで学級通信を作成して配付すれば、端末に応じた表示が可能になるため、データの配付だと見にくいという不満を解消することができます。
※学校や地域によっては、学級通信を廃止せず、この形式を続ける可能性もあると思います。

ここまで書いてきた内容は、現場での感覚と今後の予想ですが、保護者連絡アプリの導入や今後の学級通信の形式の変化は確実に起こると予想しています。

これらの理由や個人的な予想のもと、今後の変化に対応できるスキルを身に着けつつ、新しいツールを活用するワクワクから、今年度からGoogleドキュメントでの学級通信作成に移行しています。

(3)Googleドキュメントで学級通信を作るメリット

実際にGoogleドキュメントで学級通信を作成して感じたメリットは以下の通りです。
・いつでもどこからでも編集できる
・編集する端末を選ばない
・共同編集できる
・カラーで共有できる
・端末に合わせて表示される
・予定表と連動できる
・Googleのサービスとの連携
・バージョン履歴での管理
・将来を見据えた練習になる
・バージョンによる機能制限がない(常に最新機能)
それぞれ見ていきましょう。

・いつでもどこからでも編集できる

Googleドキュメントはクラウドベースのアプリなので、データは常にクラウドに保存されます。

これにより、異なる場所にある複数のPCからアクセスすることが可能であり、学級通信を作るためにわざわざ職員室に行く必要がありません。

校内で隙間時間ができた時や、出勤前や休日のちょっとした時間を活用して、さっと学級通信を作ってしまえるのは常に忙しい教員にとっては大きなメリットです。

・端末を選ばない

前述の通り、Googleドキュメントはクラウドベースなので、PCだけでなくスマホやタブレットなどあらゆる端末からアクセスして編集を行うことができます。
※端末によっては操作が異なる場合もある

スマホでも、隙間時間に文章を入力するなど簡単な作業を進めることができるため、隙間時間を有効活用し、思いついたことを逃さずに伝えることが可能です。

クラウドベースでいつでも、どこでも、どの端末からでも必要なデータにアクセスして編集を行うことができる点は、自分のように子育て中で職場に長い時間いられない場合には、非常に大きなメリットになります。

また、クラウドベースであるGoogleドキュメントは、編集する端末に応じて表示が最適化されるため、PDFで配信される学級通信と違い、何度も左右にスクロールしてみる必要がありません。

これは、学級通信をデータとして保護者に配信する際の大きなメリットになります。

・共同編集できる

こちらもGoogleドキュメントのメリットの1つです。Wordは、誰がかファイルを開いていると、同じファイルを同時に複数人で開くことができませんが、Googleドキュメントは複数人で同じファイルを開いて、編集できます。

一人で作る学級通信では、この機能はあまり関係ないように思えますが、職員室のPCで学級通信のデータが開きっぱなしでも、別の場所の別の端末から編集をすることが可能というメリットがあります。

また、学年内の複数の教員で分担して作業を行う際や、4月に自己紹介を入力してもらう際など、複数人で分担したり共同で編集を行う際にも、他の教員がファイルを開いているかどうか関係なく編集を行うことが可能です。

・バージョンによる機能制限がない(常に最新機能)

Wordの場合は、Office2021など買い切りバージョンが職場で導入されている場合が多く、最新の機能が導入されても職場のPCが更新されるまでその機能を使うことができないというケースが多くあります。

それに対して、Googleドキュメントは機能制限がなく、アップデートされた最新機能をわりとすぐに使うことが可能です。

Googleは定期的にGoogleドキュメントのアップデートを実施しているため、使い勝手が日々向上しています。

バージョンを買い替えないと新機能が使えないWordとGoogleドキュメントを比較すると、新機能の実装スピードに差が出てくるなと感じています。

・Googleのサービスとの連携

Googleドキュメントは、Googleの他のサービスとの連携もしっかりできるように設計されています。

Googleドキュメントの中にGoogleスプレッドシートの表を読み込んだ場合は、元のスプレッドシートのデータの更新に伴って最新のデータに更新することも可能であり、その都度コピペする必要がありません。

Googleドライブに保存してあるデータも簡単に呼び出して挿入することができるため、必要なデータをGoogleドライブに保存しておけば、時間や場所を選ばずに編集を行うことが可能です。

・カラーで共有できる

学級通信をGoogleドキュメントで作成して、その共有リンクを閲覧権限で保護者に共有することで、カラーで学級通信を共有することができます。

自分は写真を多く使って、学校での子どもたちの様子を伝えることが多いので、イラストや写真をカラーで見せることができるのはメリットだと感じます。

・バージョン履歴での管理

Googleドキュメントは編集するたびに自動保存され、バージョン履歴から編集前のバージョンへ戻すことができます。

これにより、「保存を忘れて今までの作業が無になってしまった!」という悲劇を回避できます。

・ページ分けなしが選択できる

以前のこちらの記事でも紹介しましたが、

Googleドキュメントは、「ページ分けなし」が選択できます。そのため、紙に印刷する必要がなければウェブページのようにページの区切りなく文章を配置することができます。

学級通信を作成していると、"ページの分け目で図形や写真がうまくはまらない"ということがたまにありますが、そういったストレスはなくなります。

目次をつけることもできますし、紙だと多くてもA3裏表が限度ですが、ページの制限から解放され、多くの情報(写真)を載せて学校の様子を伝えることができます。

ページ分けがなくせるというのはGoogleドキュメントならではの機能だと思うので、今後も活用していきたいと思っています。


以上が学級通信をGoogleドキュメントで作ることのメリットです。

(4)Word→Googleドキュメントで感じたこと

WordからGoogleドキュメントに移行して一か月がたちましたが、最初は違和感があり、使いづらいなぁと感じたことも事実です。

特に違和感を感じて使いづらいなぁと感じたのは、テキストボックスや図形の配置がWordと異なる点です。

Wordは編集画面上で、テキストボックスや図形を描画できますが、Googleドキュメントは別のウィンドウで編集したものを呼び出す形になります。

そのため、図形の形やテキストの形や配置を合わせるのがスムーズではないなぁと感じます。このあたりは、もう少し使いやすくしてもらえるといいなぁと思っているので、Googleさんが改善してくれるのに期待しています。

(5)まとめ

今回は、Googleドキュメントで学級通信を作ってみて感じるよさを記事にしてきましたが、いかがだったでしょうか。

新しいツールを触っているとワクワクしますし、Wordではできなかったことも可能になります。

今後、学級通信の形がどう変わっていくかは予想が難しいですが、自分なりに予測を立てて、対応できる準備をしていきたいと思います。

今回の記事が、みなさんの参考になれば幸いです。

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