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採点ソフトで業務効率化!テスト作成・採点・成績処理を効率化する方法!(後編)

この記事は前回の記事の後編です。前編をご覧いただいていない場合は、先にご覧ください。

前編の記事では、定期テストの作成から成績へ反映するまでの一連のワークフローの中で、下の①~⑥の部分について時間を短縮するためのポイントや心がけていることをまとめました。

<テスト作成から成績へ反映するまでの流れ>
① 問題作成
② 模範解答作成
③ 点検
④ 修正
⑤ 解答用紙作成
⑥ 印刷・製本
⑦ 採点ソフトの設定
⑧ テスト
⑨ 採点
⑩ 成績処理
⑪ 返却
⑫ 点数確定
⑬ 成績へ反映

今回の記事では残りの⑦~⑬について、書いていきたいと思います。


(3)時間短縮のポイント ⑦~⑬

⑦ 採点ソフトの設定

今回の記事および定期テストの効率化を進めるうえで重要な役割を果たしているのが採点ソフトの仕様です。勤務校では昨年度から導入が進み、現在ではほとんどの先生が使用するようになりました。

勤務校で採用している採点ソフトは、教育ソフトウェアが提供している「採点ナビ」というアプリです。

興味がある方は、ぜひ教育ソフトウェア社のHPを覗いてみてください。勤務校は試用版で試してから本格導入しています。詳しい採点の方法や採点ソフト導入のメリットは⑨採点の項目でご紹介します。

テスト実施前に、採点ソフトの基本的な設定(配点や分野、名簿など)を行っておきます。また、複数の教科担任で学年の授業を担当している場合は、一人の教員が設定した内容を、他の教員に受け渡しておきます。

採点ソフトの設定を事前に済ませておくことで、テスト終了後にスムーズに採点作業に移ることができます。

時間も有効に使うことができるのでおすすめです。

⑧ テスト

テスト実施の際は、事前に作成した監督の先生に問題用紙×2、解答用紙×1を配布してもらいます。解答用紙や問題用紙を挟み込んでいないですが、特に問題はありません。

解答用紙については採点ソフトを使用するため、スキャナーで読み取る際に不都合がないようにA4裏表で作成しています。また、回収時に番号順になるように記名させる位置を工夫しています。

スキャン時に番号順になっているように表面に記名させる

使っているスキャナーは、以下の2機種です。採点ソフトの導入に合わせて校内のお金で購入してもらいました。共にA4のみの対応なので、解答用紙も必然的にA4になります。

テスト中は巡回して質問を受け付けます。大きなミスがないことを祈りながら…。

⑨ 採点

テストが終了すると解答用紙が教科担任のところに集まってきます。全てのクラスの解答用紙が集まったところで、一斉にスキャンをしていきます。

校内にあるスキャナーの数は限られているので、いち早く確保してスキャンを始めるのが大切です。

解答用紙のスキャンが終わった後は、同じ学年の教科担当に解答用紙のデータを渡し、採点ソフトによる採点をスタートします。

採点ソフトを使うメリットは、

  1. テスト実施前に配点や分野、名簿などを登録できること(テスト後の時間を短縮)

  2. 採点が早いこと

  3. ミスが減ること

  4. 成績処理も楽なこと

  5. テストに関する様々なデータを収集できること

などです。

まず、1.テスト実施前に配点や分野、名簿などを登録できるについては、⑦採点ソフトの設定で示した通り、事前に配点や名簿などの設定を行うことでスムーズに採点を行えるメリットがあります。

テスト後の作業時間を短縮し、遅くまで学校に残って採点することがなくなります。自分の場合は採点は必ずテスト当日かつ遅くても18時頃には採点が終了します。

テスト週間の時間も有効に使うことができ、会議や出張がなければ早めに帰宅することも可能です。

採点ソフトで採点を効率化

2.採点が早いこと3.ミスが減ることについては、紙を見ながらペンで○付ける方法と根本的に○付けの方法が異なるためです。以下の画像をご覧ください。

採点ソフトの画面(イメージ)

採点ソフトでの採点は、生徒の解答用紙の中から大問1の(1)のみを抽出して一斉に正誤を判定していきます。

同じ問題を続けて採点するためミスも減りますし、模範解答が画面上に表示されるため教員が答えを暗記しながら○付けする必要もありません。

特に、記号や数字、○×で解答する問題は数秒で全員分の採点を終わらせることができます

これにより、ミスを減らしながらも採点のスピードを向上させることができます。

テスト作成の際には、この採点ソフトの特性を理解してテストの問題や回答欄を作成するといいでしょう。

さらに社会のテストでは、

「(例)衆議院の優越が認められている理由を「解散」「任期」を使って簡単に説明しなさい。」

のような記述の問題が出題され、採点基準について教科担当同士で確認する必要が生じる場面もあります。

採点ソフトを使えば、教科担当がパソコンをもって集まり、記述問題だけ抜き出して先に採点を終わらせることができます。記述の採点が終わった後は単語や記号の問題を各自で採点するという方法もとることが可能です。

記述の問題の採点基準については、全員で基準を合わせることに時間がかかるのでこれを先に終わらせておけるのは大きなメリットです。

採点がすべて完了すると、事前に設定した配点や分野に沿って採点ソフトが点数を計算してくれます。正答の数を教師が数え、電卓を使って計算しなくてもよいのでミスが減ります。

「テスト後に生徒が点数の計算が違うんですが。」と言ってくることもありません。たいていは生徒の計算が間違っています。

また、採点ソフトの利用により

  • 正答率が高い問題、低い問題

  • 得点分布

  • 平均点

  • 最高点

  • 最低点

などの様々なデータを教員が計算せずとも算出することができます。

採点ソフトを導入しうまく活用することで、採点時間を大幅に短縮することができます。是非、各校で教頭や教務主任に相談してみて下さい。

⑩ 成績処理

テストが終わったら、いったん点数処理を行い順位を算出します。と言っても採点ソフトが算出した数字を各学校のファイルに貼るだけなので、簡単にできると思います。

⑪ 返却

点数処理を行ったら、返却の準備をします。採点ソフトを使って採点した場合は、採点結果をプリンターから印刷し、印刷された解答用紙を返却します。

生徒の解答用紙に〇や✕がプリンターで書き込まれるので、生徒も違和感を感じません。また、知識は赤、思考は緑のように分野ごとにインクの色を設定できるので、生徒が確認する際にもミスが起こりにくいです。

GoogleClassroomを導入している学校は、Classroomからデータで生徒に返却することも可能です。紙やインクの消費を抑えられるのは大きなメリットです。

生徒に解答を返した後は、訂正や質問がないか確認します。採点ソフト導入により、全員の解答用紙をスキャンしているので、返却後に解答を書き直して抗議しに来る生徒も防ぐ効果も発揮しています。

生徒が回答した原本も合わせて返却して、返却は完了です。

⑫ 点数確定

生徒に返却して質問や訂正がなければ点数が確定します。採点後に入力した成績や順位から修正をしましょう。

⑬ 成績へ反映

最終的な点数が確定したら、成績を算出するファイルに点数を貼り付けます。

(4)まとめ

以上が、採点ソフトを導入した定期テスト作成を効率化する方法です。

効率よく業務を行うには、単にテスト作成の時間を短縮することだけを考えるのではなく、作成→採点→返却といった一連の流れの中で、いかに作業量と時間を減らすのかを俯瞰して考えることが大切だと思います。

学校は、与えられた仕事をとにかく一生懸命こなすという人が作業全体を俯瞰し、トータルで作業時間を減らしていくという考え方は、テストだけでなく他の業務にも応用することができると思います。

みんなでアイディアを出し合いながら、効率よく業務をこなし子どもたちと過ごす時間を確保できるようにしていきたいですね。

今回紹介した方法以外にも、時間短縮のために実践されていることがある方は、ぜひコメントを頂ければと思います。

最後までご覧いただきありがとうございます。
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また、記事はマガジンごとに整理していますので、ぜひご覧ください。


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