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採点ソフトで業務効率化!テスト作成・採点・成績処理を効率化する方法!(前編)

中学校の仕事で時間がかかる仕事の1つが定期テストの作成と採点。今回は、テストに関する業務を効率的にこなすためのポイントと心がけていることをご紹介します!

ちなみに、勤務校は各学年の6~8クラス程度の中学校、学年の教科担任は2人または3人、やまはちの教科は社会です。

各学校の状況や教科によってつけるところは異なるにと思いますが、少しでも仕事の効率化につながれば幸いです。使えそうなとこだけ使っちゃって下さい!


(1)テスト作成からのワークフロー

まずは、やまはちのテスト作成から完了までのワークフローを俯瞰して見てみましょう。

<テスト作成から成績へ反映するまでの流れ>
① 問題作成
② 模範解答作成

③ 点検
④ 修正
⑤ 解答用紙作成
⑥ 印刷・製本
⑦ 採点ソフトの設定
⑧ テスト
 採点
⑩ 成績処理
⑪ 返却
⑫ 点数確定
⑬ 成績へ反映

一般的には上のような流れになると思います。全体を俯瞰してみると定期テストを行うために、本当にたくさんの作業が必要なことが改めてわかります。中でも、特に時間がかかるのは①・②・⑨だと思います。

そのあたりの時間のかかる作業の短縮を中心に、効率的に業務を行っていくために心がけているところやポイント、活用している機器をご紹介します。

(2)時間短縮のポイント ①~⑥

① 問題作成

まずは、問題の作成です。ここが最も時間がかかると言っても過言ではありません。一から問題を作成するのはとても時間がかかるので、過去の入試問題や学校で購入している副教材、過去の定期テストの中から、テスト範囲に該当しそうな問題を集めておきましょう。

その他にこの段階で心がけていること、ポイントは以下の通りです。

  1. 問題数を減らす

  2. 記号を増やす

  3. 難しい漢字を出さない

  4. 複数の答えが書けない出題にする

  5. 問題は多めに作成して削除する

  6. 問題番号、資料番号は最後にふる

  7. Excelで計算しながら配点を調整する

問題数を減らすことは、採点にかかる時間を減らすことにつながります。2点問題×50問のテストと、1点問題を含む75問のテストでは、25問のテストでは、25問も採点する問題数が異なります。

一人で3クラスの担当をしていたら25問×3クラス(120人)で3000問題違いが生じます。問題数を削減するのは業務効率向上に大きな効果があります。

問題数を減らすだけでなく、答えを記述で回答する問題ではなく記号で答える問題にすることも効果的です。後述する採点ソフト上では記号の問題を丸つけるのは本当に一瞬です。

ただし、業務時間を削減することばかり意識して生徒の学力を正確に測ることができなくなってしまっては本末転倒です。そのため、問題の内容を一問一答にせず、1問で複数の知識を問う形式にします。例えば、

(例)裁判所が国会や内閣、その他どのような権力からも圧力や干渉を受けないことを何というか。

上のような出題では1問で1つの知識を問うことしかできませんが、

(例)衆議院の優越について述べた文として誤っているものを、次のア~エまでの中から1つ選び、記号で答えなさい。
ア.内閣の不信任決議は、衆議院でのみ行うことができる。
イ.国の予算案は、必ず先に衆議院に提出され、審議されることになっている。
ウ.衆議院と参議院で意見が一致しない場合に、衆議院の議決が国会の議決となることがある。
エ.内閣総理大臣とすべての国務大臣は、衆議院議員から選ばれることになっている。

定期テストの問題の例

上のように記号で答える問題であれば、2点の問題の中で2つ以上の知識や思考力を問うことができます。このように出題内容を工夫し、記号で答える問題を増やすことで、テストの質を維持しながら問題数を削減し、採点スピードを向上させることができます。

同様に、難しい漢字を(何個も)出題しないこともポイントです。後述する採点ソフトの画面上で判断するのに時間がかかってしまうことと、難しい漢字は生徒がテスト対策で勉強しているため、問う意味があまりないからです。

解答欄に複数の答えを書けてしまうような出題も、採点ソフトで採点することを考えると避けたいです。

(例)アメリカやオーストラリアなど、太平洋をとりまく国や地域が参加する「アジア太平洋経済協力会議」の略称をアルファベットで答えなさい。

上の例題では、アルファベットで答えろと指定しているので回答はAPECとなりますが、指定が無ければエイペックとカタカナで答える生徒もいるかもしれません。

このような表記ゆれが可能な問題は、採点時に担当者同士ですり合わせをする必要性が生じるのでなるべくつぶしておくといいと思います。

APECをエイペックと書いても〇でいいんじゃない?とも思いますが、テスト後に無用に食い下がってくる生徒を産まないためにも答えは一つに絞っておくといいでしょう。返却後の質問や文句も出にくいです。

また、文章で記述する問題の出題もなるべく絞ります。出題する場合も「○○」と「△△」の言葉を使ってと縛りをつけ、表記のばらつきを減らします。

(例)資料〇のようなしくみが採用されている理由を「抑制」「権力」を用いて、簡単に書きなさい。

問題を作成する際には、以下のように分野・配点・答えを残しておきましょう。問題は多めに作成し、不要なものを削除しましょう。問題番号も最後に割り当てる方が作業量が減ります。

<完成したテストの問題>
(4)資料5のように国の権力を三つに分け、それぞれを独立した機関が担当するしくみを何というか。

<作成中のテストの問題>
知2(〇)資料のように国の権力を三つに分け、それぞれを独立した機関が担当するしくみを何というか。→三権分立

分野と配点、答えを入れておけば、出題順を入れ替えてから問題番号や資料番号を割り当てられます。また、模範解答を作成する際に、改めて答えを探すことなく、コピー&ペーストで短時間で作成可能です。

配点は以下のような表をExcelで作成し、分野間で調整していきます。

分野間で配点を調整する際に出題順や資料順を修正し、問題番号を割り振っていきます。他の出題の答えを含むような問題や多めに作成した問題を削除し、問題用紙の作成は完了です。

ちなみに、問題作成時はデュアルディスプレイで配点表や図表を作成しながら行うと効率的です。

② 模範解答作成

問題用紙が完成したら次は模範解答の作成です。ここでのポイントは次の通りです。

  1. 模範解答は解答用紙の解答欄に正答が入っている形式にする

  2. デュアルディスプレイで効率よく作成する

  3. 解答用紙は点検・修正が終わるまで作らない

模範解答は解答用紙と同じものに答えが記入される形式で作りましょう。
点検・修正を受けて最終的な模範解答が完成してから、答えを消せば10分で解答用紙が完成します。

また、問題用紙作成と同様、デュアルディスプレイで行うと効率的です。

問題作成時に入力済みの答えと配点に従って模範解答を作成します。

解答欄の調整と、答えのコピー&ペーストなのですぐにできるはずです。

③ 点検

問題用紙と模範解答が完成したら、他の教員に点検してもらいます。その時に気を付けることは以下の通りです。

  1. 完成したらすぐに点検してもらう

  2. 点検をあてにしすぎない

  3. チェック項目を共有

  4. 早めに点検に出す

問題用紙と模範解答が完成したあと、自分で何度も確認してから点検してもらう方もいると思いますが、自分はすぐに点検に回します。他の教員に診てもらっているうちに自分でも点検しましょう。

いつもミスがない完璧なテストを点検に回していると、他の教員も「○○先生のテストならミスがないだろう」ということでさっと見るだけで戻ってきてしまいます。

他の教員にしっかり見てもらうために、ミスの残った状態で回し、その間に自分でもミスを探す早いでしょう。

初めからミスがない完璧なテストがつくれた方がいいことは間違いないですが、人間なのでミスはあります。そのためにお互いに点検するので、うまく活用しましょう。

ただし、点検してもらう他の教員がすべてのミスを発見してくれるわけではありません。最終的には作成者の責任となると思いますので、自分でもしっかりと確認しましょう。

特にテストでミスの多い項目は

  • 問題番号

  • 資料番号

  • 選択肢と文章の間違い(選択肢がア~エまであるのに、問題文がア~オの中から選びなさいとなっているなど)

  • 配点

  • 解答用紙との整合性

といった項目です。ミスの多い項目を洗い出し、全体を通して点検するだけでなく一つの項目ずつ点検するといいでしょう。

また、早めに点検してもらうように心がけましょう。自分はテスト実施の2週間前には点検してもらうようにしています。時間の余裕は心の余裕につながります。

④ 修正

他の教員の点検が終わり、テストが戻ってきたらどんどん修正していきます。全員分戻ってこなくても、戻ってきた分からどんどん修正するといいでしょう。

模範解答に修正があった場合も修正を加えます。

ここではまだ、解答用紙は作成していません。

⑤ 解答用紙作成

点検・修正が終わった段階で解答用紙を作成します。

模範解答作成のところで触れたとおり、模範解答は解答用紙に正答が入った形になっているはずなので、模範解答から正答を消すだけで解答用紙が完成します。

問題作成の際に模範解答と解答用紙を作ってしまうと、ミスがあった場合や出題順を入れ替える際に、模範解答と解答用紙の両方を修正する必要があり、どちらか一方の修正を忘れてしまったりミスしてしまうなどのミスが生じやすくなります。

そのため、問題用紙を作った段階では模範解答のみ作成し、点検・修正が完了したこの段階で模範解答から答えを消すことで、解答用紙を作成しミスを減らし、作業量を減少させることができます。

⑥ 印刷・製本

点検・修正・解答用紙の作成が終わったら印刷します。

ページ数が多い場合は、A3裏表が2枚など量が多くなる場合もあります。

先生によってはA3の用紙を折り畳み、2枚目の問題用紙と解答用紙を問題用紙の中に挟んで配布する先生もいますが、この作業にも時間がかかります。

自分は折ることも挟み込むこともせず、テスト配付の際に生徒に行わせます。印刷してクラスごとに仕分けるだけで作業が終わるので短縮につながります。

この後、
⑦ 採点ソフトの設定
⑧ テスト
 採点
⑩ 成績処理
⑪ 返却
⑫ 点数確定
⑬ 成績へ反映

などの項目が残っていますが、すでに4000字を超える内容になってしまいました。残りの項目は後半の記事に書くとして、今回の記事はここまでにします。

次回は、採点が効率的に行える採点ソフトの使い方と効果を中心に書く予定です。

最後までご覧いただきありがとうございます。
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