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不景気時のお金の使い方

今回の新型コロナウイルス肺炎で、世界的に経済活動が停滞しています。
不景気到来です。この時代に、自身の立場として何が行動できるか、を考えたときに、我々ができること、について考えたいと思っています。
経営者、事業を推進する立場の方、そのような立場の方をサポートする立場の方、を中心に、会社組織に属する全ての方にも是非関心を持って読んでいただければと思っています。

リーマンショック、東日本大震災等、過去の不景気の経験から、様々な出費について会社は削減し出費を控えるよう考え行動します。(詳細は、前回、不景気が来た!)

今回は、自身が過去の複数回の不景気を通して実践してきたことや様々な企業が行ってきたことを見て学んだことをもとに、経営視点、事業を進める立場の視点で不景気の時のお金の使い方について書きたいと思います。

結論は、大事なことは、何にお金をかけ、何にお金をかけないのか、の判断です。「近い将来お金が入ってくるためのものに対してお金は使い、お金を生まない類は、景気回復後に後回しにする」というお金を「賢く」かけること。
利益を確保するためのコスト削減については、創意工夫のアイデアや安易に人件費を解雇により削減しないなど、日本人や日本の会社は長期的視野に立った形で比較的上手にできているケースが多いので、ここでは割愛します。

不景気の中でも将来のお金を稼ぐ(将来の売り上げ増)のためにどのように賢くお金を使うか、ということに対してもっと意識しアイデアを出すことが大事なことだと思います。

賢くかけるとは
✓売上や収入増につながる可能性の判断
✓効果を得るまでの速さ
✓費用対効果の大きさ

例えば営業活動費用について考えてみましょう。
営業活動に営業員がルートセールスしていました、海外市場には営業員を海外現地随行者と現地出張してました。が、現時点でウイルス感染防止理由で、国家レベルで行動制限されていますから活動できません。大規模イベントの禁止や自粛要請により、各国で展示会やセミナーも開催できませんし、できても集客は期待できないでしょう。費用対効果が悪くなるわけです。

ここでどのような行動をとるか、次の2つの会社を比較してみましょう。

そもそも営業活動できないんだから、しょうがない、人の往来と経済活動とが回復するまではじっと冬眠するしかない、として、自社の費用のコストダウンばかり考えてしまう会社。

もう1社は、非対面でも電話やメール、WEB面談ツールの導入や動画やWEBでの販促など、デジタルを取り入れた販促や営業を試しながら、スモール予算で試験導入するなど行動し、具体的に自社にあった方法論を模索して、効果があれば導入拡大しようとチャレンジする会社

ここが、将来の売上を稼ぐためにどのように賢くお金を使うか、ということに対して考えるか、考えないか、の分かれ道です。

先の賢くお金をかける3点について、簡単に説明します。

1.売上増につながる可能性の判断
2.費用対効果の大きさ
3.効果を得るまでの速さ

1.売上増につながる可能性の判断
どのような施策が売上増につながるのかは、その企業の業界事業規模事業モデルによって異なりますので、個別まちまちだと思いますが、共通することとしては、売るべき製品サービスについて「誰がターゲットなのか。誰がその製品サービスを使用するのか、誰がお金を払ってもらえるのか(お客さんは誰なのか)」。ここをしっかりおさえることはどんな企業にとっても、重要なポイントの1つですね。

2.費用対効果の大きさ
費用は、会社の規模や、期待する売り上げ規模にもよりますが、おススメは、20万円前後です。
最低新卒1人初任給以内の金額レベルで始められるものです。
新卒は投資です。すぐ結果が出ませんし、仕事ができる優秀な人材かどうかわからないですし、最近は3年以内の離職率も高いこともあり、必ずしも成果が約束されていないハイリスク投資です。この金額レベルなら、経営者としては最悪失敗して損しても負えるリスク範囲の金額でではないでしょうか。会社が新卒の内定取り消しをしなければならない状態の場合は、これより少ない金額でも自社でできる範囲でもよいと思います。
効果は、上記1.の売上増につながる金額の大きさです。
経営者や事業責任者の方には、(決裁権は誰にあろうとも)20万円程度の出費については、しっかり把握し、指導してあげて成果を出させてあげてほしいと思っています。

3.効果を得るまでの速さ(最も重要)
効果を得るまでの速さには、2つあります。
一つは、その施策の導入検討~実行までの速さ、もう一つは実施~効果の速さです。
①導入検討~実行までの速さ
不景気でキャッシュが重要な時代、導入検討から期待する効果を得られるまでの時間軸がどれだけ早いかは極めて重要です。なぜなら新しい施策を検討する場合、一定の試行錯誤期間が発生することを念頭に進めなくてはなりません。導入検討~実行までの時間軸が短いほど、改善行動が数多く可能になるため結果成功確率が上がるからです。(何度もやれば成功する)
また、結果として成功までの期間が短いと成果が早期に得られるからです。
できれば1カ月以内に効果が体感できるものがお勧めです。
下記は、成果を得られる迄の導入~実行の比較です。

導入~実行までの期間  → 効果得られる時期
   3 か 月    → 10~12か月後
   1 カ 月    → 3~4か月後
   2 週 間    → 1カ月半~2か月後
(前提:導入~実行 3回改善する場合)

②実施~効果の速さ
検討する施策が、従来の売上の獲得に至る従来の業務プロセスに対して時短化できるかどうか。売りたいと思った時~売れるまでの一連の業務プロセスを見たときに、今までよりも速く・早くなるかどうか、です。
様々な業界でデジタル化推進やDXの導入が言われていてますが、自社でどうしたらよいかの判断基準として、自社の活動強みを踏まえたうえで、売上を獲得するまでのスピードを上げることができるか、という視点で考えると、デジタル化を上手に取り入れることができるのではないかと思います。

効果を得るまでの速さを判断基準に置くことは、不景気の時代明るい希望を持ちたい会社の事業運営モチベーションにとって、社内の士気にとって、短期間で効果が出ることはとても重要なことだと思います。

ビジネス環境や社内事情がいろいろありますと、何が「賢い」お金の使い方なのか、判断つかない場合もあります。その場合はこの3点を判断基準として持っていただくことも一つかと思います。
このあたりをしっかり自身の頭で考え、判断し、行動することがとても重要なことではないかと思います。これこそが次の不景気後の時代を見据えたチャレンジに他ならないと思います。


過去見てみますと、景気回復後の業界地図は変わっていることが少なくありません。以前よりも増して強くなる会社、変わらない会社、衰退する会社。。。
お金を賢くかけた会社は、景気回復後に、「一皮むけより強い会社」になり、場合によっては新しいビジネスモデルを創りあげ次の景気回復の波に乗って一事業に成長するケースも少なくありません。
一方で、お金をただ削減して守りに入って「内向きになり、殻に閉じこもった」だけの会社は、不景気回復後も業績が戻らないどころか、業績が戻らない理由が、実は不景気の理由ではなく、業界地図が変わっていることに気づいた時には実は時代に取り残された会社になってしまっている残念なケースも少なくありません。
それは、ひとえに、「近い将来お金が入ってくるためのものに対してお金は使い、お金を生まない類は、景気回復後に後回しにする」というお金を「賢く」かけること

皆さま、この不景気を「より強くなるチャンス」ととらえて事業を進めて参りましょう。

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