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創業融資の運転資金は何か月分が妥当か

こんにちわ、すっかり秋ですね
ランチェスター戦略社長塾  山口です。

日々、仕事をする中で創業支援にかかわることが多い
のですが、相変わらず創業希望者がたくさんいます。

コロナが始まる前年頃から既に増え始めていたのですが
最近は本当に多い印象です。
何でも世の中が不況になると創業希望者も増えるのだとか・・・

創業を希望する理由や背景は様々でしょうが、将来へ向けて
選択肢を増やす、という意味では創業を検討することは
とても価値があると思います。

ところで、実際に自分でビジネスを立ち上げるとして
自分のお金、つまり自己資金だけで事業を軌道に乗せられる人は
そうそういません。

業種やビジネスモデルにもよりますが、多くの場合は
お金を先にもらうより、お金が先に出て行くことになり
その時間差を埋めるために「運転資金」なるものを
調達する必要があります。

ちなみにここでいう資金の種類には2つあり、
1つが「運転資金」、もう1つが「設備資金」になります。

運転資金、設備資金の具体的な中身としては以下のような
ものがあります。
【運転資金】
商品・原材料の仕入れ、外注費、人件費、買掛金・支払手形の
決済など
【設備資金】
機械・装置の購入、店舗・事務所の新増改築、保証金・敷金、
ソフトウェアの購入、フランチャイズ契約料、車両の購入など

金融機関に創業融資を申込む際に分かりやすいのは設備資金です。
なぜならお金の使いみちが明確、つまり「冷蔵庫を買います」など
ハッキリしていて、かつメーカー発行の正式な見積書を添付する
ことになるので、融資を申込む側と申し込まれる側の両者に
とってシンプルです。

一方で分かりづらいのが運転資金です。
創業支援をする中でよく聞かれることは
「運転資金って何か月分が妥当なんですか?」という質問です。

もちろん、これに正解はないのですが、目安はあります。
それは金融機関に認めてもらいやすい運転資金額は
「3か月分」あたりになります。

貸す側としては基本的に6か月程度で事業を軌道に乗せて
欲しい、と考えています。
例えば製品開発をしている事業であれば6か月で軌道に乗せる
のは難しい場合もありますので、業種や事業内容によっては
当てはまらないこともあります。
ただ、一般的には6か月と考えている、と捉えましょう。

6か月程度で事業が軌道に乗らないようなら
「事業計画を見直した方がいいんじゃないの」と思われる
可能性があります。

言い換えると、
「6か月で軌道に乗らない事業は失敗する確率が高い」と
金融機関は考えるわけです。

じゃ、6か月で事業を軌道に乗せるには、それに対応する
運転資金も6か月分じゃないの?
と思ったりするわけですが、それがなんで半分の「3か月分」に
なるかというと・・・

常識的に考えて7か月目で単月黒字になる場合、1か月目の
赤字額よりも6か月目の赤字は大幅に少なくなっている
はずです。

だから6か月分の運転資金がまるごと必要というわけではなく
それらを合計してみると、だいたい3か月分くらいの運転資金
になるというわけです。

ということで金融機関が創業融資の運転資金として認める
のは「3か月分」が目安になります。

ただ、実際には創業期は売上も少ない上に安定しておらず、
経費の方が多い月が続いたりします。
事業が軌道に乗った後であれば3か月分の運転資金の
把握もしやすいですが、創業期は数字の算定も難しかったります。

現実的に運転資金として幾らを申込むかは「3か月分」という
目安を頭に入れつつ資金繰り表を作成しながら、必要資金を
導き出す、という感じになります。

創業希望者がこれを自分一人でやるのは結構ハードルが高い、
というより難しいのが現実です。

その際は是非、創業のお手伝いをする支援機関や自治体、
私たち融資コンサルタント協会など外部の力を活用することを
お勧めします。

外部の力、第3者の目線も取り入れつつ創業へ向けて
前に進んで行きましょう!


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