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「美しいからだよ(上)」他(通常号 第19号・2002年8月9日発行)

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---◇ 山口“悟風”智・作「おかあさんへの手紙」◇--------------
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-----------------------通常号 第19号・2002年 8月 9日発行 ----
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☆今週は、5年生トラック
 1981年度北海道富良野市立鳥沼小5年学年通信「つながり」より
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★美しいからだよ(上)

 「どうだ、美しいだろ」といわんばかりに、今、教室にバラ、百合、きく、あやめ……などが飾(かざ)られています。

 「花」にしても、「小鳥」の羽毛にしても、どうしてこんなに「きれい」なんだろうと、つくづく思うことがあります。いつだったろう。

 札幌への汽車の中で、書の仲間のO先生に逢い、ポケットウイスキーをやりとりしながら退屈せずに行った。道展を観(み)に行くという。私は、陸上の審判に行くところだった。

 若いO先生は、書道専攻で、奥さんは体育専攻で私の後輩。

 ふとO先生が
“先生、先生はなぜ陸上をやってるのですか”という。

 私は、なるほど、年に何萬もかけて、札幌だ帯広だと自前で審判に出かける自分をじっと考えてみた。
“それはね、Oくん、「美しいから」だよ。自分には、二度と戻らぬ若い美しさ、「躍動」というのかな。青白いガリ勉やら、つっぱりの連中に比べて……。この汗みどろの「美しさ」。そんな子ども達のためなら……と思うのだが……”
                          —つづく—

(1981年7月17日)

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★夏の大雨

 「高温」続(つづ)きで、やっと平年作並みに近づいていたのに、四日五日六日の大雨ですっかりやられてしまった「夏」でした。

 子ども達にとっても、初めてのキャンプの計画と、分団行事が中止となってしまい、ガッカリの「夏」でした。

 地震や雷と違い、今回の災害は、単に「大雨」という「天」災ではなく、「治山治水」という、ごく使い古されたコトバを「国」なり「道」なり「地域」なりが、真剣に取り組み、対策を「こうじて」いなかった「人災」と判断される「むき」がおおいようです。

 一年間に降る雨の量が何百ミリ程度ということは、過去のデーターではっきりしており、それが、一時に集中して降る例も、過去何回か体験している筈。それなりの対策をこうじてないとすれば、今回の災害も「当然」ともいえること。

 毎年、台風にやられる「南」の方の人達に比べ、「北」の私達はすこし「ノンビリしすぎて」いるのかも知れませんね。

(1981年8月21日)

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☆来週は、6年生トラック
1982年度・富良野市立鳥沼小学校6年学年通信「つながり」より

☆このメールマガジン版では、明らかな間違い以外は、筆者・山口“悟風”智が書いたまま載せています。

山口“悟風”智のプロフィールは、
http://plaza.rakuten.co.jp/gofu63/profile/
をご覧下さい。
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◆編集後記「千鳥足」◆

 ついに、未完作品を出してしまいました。「★美しいからだよ(上)」は、最後に「—つづく—」と書いてあるように、まず間違いなく「(下)」もあるはずなのです。状況証拠として、父が遺した鳥沼小学校1981、82年度の「つながり」の冊子には、81年7月17日付けの直後に、7月25日付けの通信の右半分だけが残っています。
 父は、たいていの学年通信を2年度ごとに冊子にまとめています。81、82年度もそうしていて、前号の左半分の裏側と、その号の右半分の裏側を、それぞれ糊で張り合わせています。

 しかし、7月25日付けだけは、左半分がありません。さらに、次の8月21日付けの右半分裏には、糊がはがれたような跡がありません。

 ということは、父がこの冊子を作った段階で、既に「★美しいからだよ(下)」が載った部分は、何らかの理由で欠落していたということになりそうです。

 父がO先生とどんなやり取りをしたのか。(下)を発見しないことには分かりません。改めて(下)の行方を探してみようと考えています。

 ただ、(上)だけでも、父の趣味の広さがお分かりいただけるのではないでしょうか。これに書いてありますように、悟風は、書道も、陸上競技も学校や地域などで、指導的な立場にありました。「悟風」という号も、もともとは俳句の先生にもらった名前だそうですが、書道でも「山口悟風」として、学生の書展の審査員などを務めていました。


 「★夏の大雨」で、父は大雨による「人災」を批判していますが、私は今、これを読んで反省しております。

 実は、この週明け、パソコンをリカバリしなければなりませんでした。先週の金曜日、第18号の原稿をwww.honya.co.jpの編集者さんに送ってから出勤しました。ところが、帰宅したら、VAIO君、動かなくなっていました。

 週末に復旧を試みましたが、かなわず。結局、週明けにリカバリしました。

 幸いにして、入力済みの「おかあさんへの手紙」作品は、複数の無料メールのアドレスなどに転送していたので、無事でした。しかし、このパソコンを購入した今年1月以降にいただいたメールを中心に、それなりの被害がありました。

 この話、honyaの編集者さんも、この原稿を見て初めて知るはず。前週末は忙しくなる旨、伝えてあったので、編集者さんは「最近、メールが来ないな」程度にしか思っていなかったかもしれません。が、実は、そういうダメージがあったのですよぉ。情けない。

 やはり、備えあれば憂いなし。バックアップは、皆さん万全に。他山の石としてください。


 ところで、先週発行の通常号第18号で書きました夏休みの日数のことです。

 メールをもらったり、オンライン掲示板
(http://plaza.rakuten.co.jp/gofu63/bbs/)に書き込みがあるなど、いくつかの反応がありました。

 「夏休み=40日間」ではないという地方があることに驚いた人もいます。他方、「うちも違うよ」というお知らせもありました。長野では、今年から夏休みが長くなって30日間になり、秋田では今年度は34日間だそうです。同じ都道府県でも地区によって違うかもしれませんし、公立と私立では、また別かもしれませんね。皆さんの地域や学校では、どうでしょうか。

(発行者・山口一朗)

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■発行者: 「悟風の書斎」管理人・山口一朗
        yamaguchi_gofu@yahoo.co.jp
「悟風の書斎」http://www.asahi-net.or.jp/~jh2i-ymgc/gofu.html
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※トップの画像は、「鳥沼公園」makieniさん撮影。
鳥沼小学校に近い公園で、この写真は「photoAChttps://www.photo-ac.com/ よりご提供いただきました。ありがとうございました。

■「おことわり」

 ☆明らかな間違い以外は、基本的に筆者・山口“悟風”智が書いたまま載せています。(編集者・悟風のムスコ)

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