見出し画像

"Being"(ビーイング)について再び完璧な言語化を試みた件[前編]

 お世話になります。山田です。前回、対話に関する解釈を書かせていただきました。筆が乾かないうちに、遠からず近すぎないテーマで執筆を意気込みnoteを立ち上げました。宜しくお願い致します。

 テーマはビーイング"Being"にしようかと思っています。以下のリンクは昨年の10月にビーイング"Being"に関する言語化を試みた際の記事になります。

 嬉しいことに、「読んだよ!」という声をいくつかいただいたりいただかなかったりしました。これは、想像以上にビーイング"Being"というテーマが様々な人に関心を持たれていながらも、きちんと語られたアクセスしやすい情報がないのだなと気づくきっかけとなりました。

 そして偶然と同時期に、対話による自己理解のオンラインスクール 生き方テラコヤにおいても動画コンテンツの開発中で、ビーイング"Being"についてリサーチを重ねる機会がありました。そのため、リライトをしたいと考えるようになりました。

 ここからは、改めてビーイング"Being"について、自分自身を含めて様々な世代や職種の方々の成長や癒やしに向き合ってきた目線から、言語化を試みようと思います。拙い発想と筆ではありますが、ご関心のあられる方はお付き合いいただけると幸いです。



ビーイング"Being"は一言でいうと

内側が安心や充足で満たされたときに、自然と行ってしまう表現とその源泉となるエネルギーの総体

 これからビーイング"Being"について順番に解説していくにあたって、大枠としての定義のようなものを確認させていただきます。とはいうものの、抽象度が高いものですので、以下の説明と抱き合わせでご理解いただけると嬉しいです。


ビーイング"Being"がどこから語られ始めたのか

ビーイング"Being"はハーバード・ビジネス・スクール(HBS)がリーマン・ショックにおける最高位のビジネス教育機関としての反省から導き出された概念

 山崎 繭加氏『ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか-世界トップのビジネススクールが伝えたいビジネスの本質』(2016)においてビーイング"Being"は日本における脚光を浴び始めたと言われています。

 本書で語られるように、リーマン・ショックにおいて非道徳的とも言えるビジネスエリート達の行動は、トップビジネススクールとしての矜持に関わるものでした。

 それまで重視されていたのはノウイング"Knowing"でした。ここに、ドゥーイング"Doing"はもちろん、ビーイング"Being"と言うことができるような行動や知識の根本とも言える価値観や信念体系の開発に注力せねばと、ビーイング"Being"を元にカリキュラムを一変するほどの覚悟を見せました。

noteの図.001



ビーイング"Being"を中心に広がる"〜ing"

ビーイング"Being"を中心として、その周りにはDoing,Giving,Havingが同心円状に広がっているイメージで概ね間違いない

 更に、ビーイング"Being"の概念を整理する上で分かりやすいのは、その他の対応する概念との位置整理が有効です。

 以前の記事に整理したので、詳細は省きますが、端的にはこのように書き表すことができるのではいかと思います。

Having(達成):得たいもの、欲しい状態、ゴール、(外的な)ビジョン
Giving(提供):(他者が介在する)価値提供、喜びがある/得意な提供
Doing(行動):(他者が介在しない)没頭できる行動、自然にやってしまう習慣

 これに対して、Being"ビーイング"は、HavingでもGivingでもDoingでもないようなものだと言えるかと思います。また、外側の項目ほど外部環境との相互作用の中で変わりやすく、内側のビーイング"Being"は変わりにくいと言えます。

noteの図.002



[Be=在る]そして内側の状態に注目する

[Be=在る]ことは、心の内側(無意識)に恐れのない状態で、「何者として何を現実で表現しているのか」を問い続ける在り方

 ただ、ビーイング"Being"は熟語にしくいです。「在り方」と安直にしてしまうと、雰囲気で理解したような気分になるのも難しいところ。ここでは、BeingをBe+ingに分解し、[Be=在る]から考えていきます

 [Be=在る]というのは、内面(こころ)の状態が安心で自然であるということです。人間の心には、普段思考や判断に使っている「意識」と、記憶に関わり努力すると思い起こせる「前意識」、そして普段は意識にあがってこない「無意識」があります。

 多くはこの無意識に気づかず、一部でしかない意識だけで生きています。意識で生きることは問題ではないのですが、無意識にはモンスターがいます。シャドー(影)と言われています。これまでの人生で、自分の認容しがたいと抑圧してきた側面です。

 このシャドーは、いわば「気づいていないトラウマ」のようなもので、特定の出来事や刺激に対して反応し、不安や恐れ、怒りなどのいわゆるネガティブと思われているような感情を惹起し、行動を洗脳します。そしてそれは、該当するシャドーが意識化されるまではその人を支配し続けます。(そしてシャドーは一生では意識化されきれないほど沢山あります)

 つまり、人間の心の内側、特に無意識というのは、常に不安や怖れなどの感情に自動的に支配されていて、それを避けたり感じないようにしたりすることにエネルギーの多くが使用されているのです。

 [Be=在る]状態は、そんな状態とは対極です。内側が不安や恐れではなく、安心で満ちた在り方。そんな状態そのものが[Be=在る]という感覚です。マニアックなところだと、"I AM"とも言いますが、「わたしがいる」「わたしである」という根本的な存在の感覚とも繋がります。

noteの図.003



 と、前編はここまでにします。主にビーイング"Being"について、[Be=在る]とはどういうことなのかを、その大枠と「内側の安心」についての内容となりました。

 後編では、そのような[Be=在る]を感じるための方法について、3つのポイントを紹介します。ビーイングが持つ可能性について述べさせていただきます。

後編の記事はコチラ



*おまけ告知
対話による自己理解のオンラインスクール「生き方テラコヤ」では、今回解説したビーイング"Being"を始め心理学などに基づく自己理解の知見を動画コンテンツで配信しています!

スクリーンショット 2021-02-05 19.18.16

興味のある方はぜひTwitterをフォローください。体験やワークショップに関する情報など、生き方テラコヤに関するあれこれを投稿しております(^^)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?