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担当医のアプローチに救われた

私の母はとにかく病院が嫌いです。だからこそ体調が思わしくない時に厄介なのです。
「自分の病気は自分で治すんじゃけん」が口癖で、不調な時は市販の薬や食事療法で改善を図ろうとします。
娘の私はいつもそれに手を焼いています

昨年の夏、母が片方の目の見え方が急に悪くなったと言ってきました。
私は病院嫌いの母を無理やり近所の眼科に連れていきました。病院に行くだけでも説得するのが大変なのです。
診察の結果、緑内障のため眼圧が高くなっていることが分かり、直ぐに大学病院で再検査してもらう事になりました。高齢のため万全を期したようです。

私は道中20分以上ある大学病院に連れて行くのにまた骨が折れました。「何で大学病院に行かんといかんのよ、大げさなことして」とにかくそのくらい頑固なおばあちゃんなのです。


私はその大学病院の担当医に救われました。患者への心のケアが素晴らしい方だったのです

診察が始まる前から、不安な母の心に寄り添ってくれました。患者さんを診察室に入るように促すために、名前を呼びます。
先生は診察室の扉を開けて、自分の顔をしっかり見せながら優しい笑顔で患者さんの名前を呼びます。病院にいることを忘れそうになりました

キャリーカーで移動している母を見て、「大丈夫、ゆっくりゆっくり、焦らんでいいよ、こけたらいかんけんね」その一言で母の頑な心がほどけました。患者に寄り添う姿が、その一言に表れていたのです

私は予備知識として先生に一言だけ言っておこうと思いました。
母は昔から病院が嫌いで、今日もここまで連れてくるのが大変でした」と言うと、先生は笑顔を見せながら「みんな病院には来たくないよね、仕方なく、来るんよ、好きな人はおらんわい、私だってそうよ」と私の言葉を気にする様子もありません。

「レーザーで手術するんが一番ええんよ、今日は目に水の通り道を作るけど、本当はきちんと手術するんがええんよね」と言う先生の言葉に母は
私は手術するんは絶対に嫌じゃけん、死んだほうがましです」と返します。
「90代まで頑張って生きてきて、自分が嫌なんだったら、点眼薬でしのげるところまで頑張りますか、手術をすれば視力も今より良くなるし、やって良かったと言われると思うけど、どうしても嫌なら、大丈夫、問題が出たとき直ぐに対応することにしましょう」と言って母の心に寄り添ってくれました。

病院嫌いの母がその先生に信頼を置いた瞬間です。自分の思いを大切にしてくれたと思ったようです。

それからは、2ヶ月に一度大学病院に検診に通っています。

病院に行くのが思いっきり嫌いな母が、患者の想いに寄り添う先生の優しさに触れて、最近は心穏やかに検診に出掛けています

先生との初めての出会いから10ヶ月近くになりますが、先生の患者へのアプローチは少しも変わりません。

優しさに溢れているのです。その優しさに母の心は救われました

先日検診に出かけた時、母は先生に自分が一生懸命に描いたイラストの似顔絵を見せていました。

おかげざまでイラストを描くことが出来ます」と笑顔でお礼を言いながら。
先生は「ハンサムに描いてくれてありがとう」と母にコメントを返していました。

不安な母の心は、担当医の優しい心に救われたのです


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