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旅好きの父と忘れられない平和の旅

最近になって半世紀余り前の家族旅行を思い出す。小中学生の頃、夏休みには毎年必ず家族4人で、色々な所に旅をした。

父は特急や急行を使わないのんびり旅が好きだった。地域の暮らしが見えるからだったんだと思う。旅の前から父は時刻表を傍らに置いてスケジュールを立てていた。列車の乗り継ぎや所要時間を調べてノートに記録することから父の旅は始まっていたようだ。思い返せば父は我家のツアープランナーだった。

子どもの頃は、ただ父が行きたい場所に案内してくれているんだと思っていたが、大人になってから父の本当の思いが分かった。


小学生の時には広島に旅を旅した。宮島の海に立つ神秘的な赤い大鳥居と私の手からエサを取っていったかわいい鹿の瞳を思い出す。

その旅で父は私たちを原爆ドームと平和祈念資料館に案内した。そこで見た原爆投下による悲惨な映像は子どもだった私の心に衝撃を与えた。そしてその時感じた思いは、今もしっかりと心に刻まれている。

中学生の夏休みには長崎に旅をした。グラバー邸やめがね橋、長崎くんちで披露される龍踊りが記憶に残っているが、忘れられないのは長崎平和公園の平和の像だ。

私たちが訪れたのは8月8日だった。大きな像の前では関係者や制服姿の生徒たちが翌日の「ながさき平和の日」の式典の準備をしていた。私はその時に父が教えてくれた戦争と、原爆投下の話を今も忘れない。


父はきっと広島と長崎の旅で、観光地を見せるだけでなく、子どもたちにさりげなく平和の尊さを教えたかったんだと思う。

私の旅の記憶は家族をこよなく愛してくれた父の思い出に繋がる。父は本当に旅が好きな人だった。たくさんの思い出と貴重な体験をありがとうと伝えたい。



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また明日お会いしましょう。💗


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