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母から学んだお洒落心

お洒落の風を感じていたい私は、街に出掛けると必ずお気に入りのブティックを覗きます。買う買わないは関係なく、とにかくトレンドを押えておきたいのです。

私のお洒落心は、幼稚園の頃に目覚めました。母が買ってくれたフード付きのコートが幼い私の心をくすぐったのです。厚手のヘリンボーン生地のコートの襟がマフラーになっていて、その両端にはニットのぼんぼんが付いていました。私がファッションに興味を持ったのは母の影響が大きかったと思います。

母のファッションセンスとこだわりのおかげで小さい頃から手作りの洋服を着ることが多く、7歳下の妹とお揃いのワンピースやスカートを季節毎に作ってもらっていた記憶があります。

おしゃれが大好きな母は、若い頃はオードリーヘップバーンに憧れていて、黒のタートルに黒のスカート、黒のベレー帽とワントーンコーデでカメラに納まっていました。髪型はローマの休日のヘップバーンスタイルです。この頃から母のお洒落アイテムはベレー帽になりました。



私の中の美意識は間違いなく母譲りだと思います。小さい頃から母に選んでもらった洋服を着ることで、何をどう合わせると素敵に見えるかを学んでいました。

アナウンサーとしてテレビ局に入社してからはトレンドはもちろん、カメラの写りがいい洋服、TPOに合わせた衣装、好感が持たれる装いなど、様々な事を考えながら、衣装を選んで購入したり、借りるなどして調達していました。

母は私にとって、とてもいいアドバイザーで、スタイリストのようでした。様々なシーンで仕事をしなければならなかったので、与えられたシチュエーションの雰囲気をよりよくするために普段は着ないような大胆で個性的な洋服もたくさん購入しました。

一着の洋服を着まわすテクニックも仕事の中で学びました。同じスーツでも小物を工夫してバリエーションを持たせていたのです。

母はファッション雑誌を読み、トレンドを学び、コーディネイトも一緒に考えてくれて、本当にファッションが好きな母がいたことで私はとても助かりました。



ファッションが大好きな母は今年91歳ですが、彼女のお洒落心は少しも衰えていません。学ぶ方法はいくつもあるようです。情報番組のMCから、ドラマから、タレントさんから、そしてファッション雑誌、ファッションショー、道行く人からもお洒落心を吸収しています。

コロナ禍でこの一年半はステイホームの日々でしたが、それまではファストファッションを取り入れながら、90歳とは思えない色使いで、組み合わせを工夫して毎日出掛けていました。

最近の母の楽しみは、noteのつぶやきで毎日投稿している写真です。顔は見せていませんが自分らしいセンスが表現できるように、コーディネイトして写真に納まっています。








そうすることが彼女の日常のエネルギーに繋がっているのです。今日は何を着ようか、どんなイメージでどんなカラーコーデで、私らしさを表現しようか、それが母の楽しみになっているのです。

66歳の私は今も母から、ファッションを楽しむお洒落心を持つことが、人生の生きがいにも繋がるんだと言う事を教えてもらっています。

だからこそ私はおしゃれをするのが大好きなのです。



最後までお読みいただきありがとうございました。投稿内のイラストは91歳の母がおしゃれ心を燃やして描いたものです。

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