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一人で行った輪越し

氏神様の輪越しに出かけました。
かやを束ねて作った大きな輪をくぐって、無病息災を祈る夏の行事です。一年の半年の間に溜まったけがれ落とし、残り半分の息災を祈願する神事だそうです。

神社から配られてきた白い人形ひとがたを一晩敷いて寝て、その人形に自分の名前と年齢を書いてお参りをする際に持って行き穢れを払ってもらうのです。

私は94歳の母の健康を祈らなければと、一人で輪越しに出かけました。

これまでは難なく上っていた神社の石段も69歳になるとしんどくなってきました。階段の途中で小休憩をしながら7分ほどかけてやっと境内へ。

境内には特設の照明がつけられ、露店が数店出ていました。休憩用の長椅子に腰かけている若者もいて、祭りらしいにぎやかな雰囲気に触れて元気になりました。

母に見せてあげたいとスマホで撮影していたら、後ろから声をかけられました。「あのー、輪越しのお参りの仕方が分らないんですけど、どんな風にしたらいいんでしょうか」私は困りました。正しいお参りの仕方を分らなかったのです。「ごめんなさい、実は私もよく分からないんですよ」と頼りにならない返事をして、気まずい思いになりました。

私は回りを見ながら本殿に進み、拝殿の横に設置してある人形ひとがたを納める箱に、人形を入れて、参拝しました。
うやうやしく二拝二拍手一拝して、母と私、私に関わる人たちの健康をしっかり祈りました。

そしていよいよ「輪越し」のメインイベントです。

本殿の裏に特別に設置された大きな茅の輪をくぐります。犬を連れてくぐっている人もいました。

私はひたすら母の健康を祈っていました。

帰りに母の肌守りと東京ケーキを買いました。
自宅につくと何故か肩の力がふーっと抜けた気がしました。

母に写真を見せながら「今年の輪越し」を報告すると、母が「私は神社の階段はもう無理じゃけんねー、あんたよう行ってくれた、肌守りもありがとう」とにっこり笑ってくれました。
1人で輪越しに行って良かったなと思った瞬間でした。



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