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お花のシンデレラ

◇ショートショート

みどりちゃんは幼稚園に行くのが大好きです。
仲良しの亜紀ちゃんや波留ちゃんと遊ぶのが好きなのです。

「昨日ね、お母さんにしかられちゃった」
「どうして」
「おうちの庭のお花に水をやってたの、そしたらお母さんがダメだって」
「でも、お水をやらないと枯れるでしょう」
「私がお水をあげてたお花は、あんまりやりすぎちゃったら枯れちゃうんだって」
「難しいねー、お花も色々だねー」
「そう、人と同じなんだって」

そんな話をしながら3人は園庭にある花壇を眺めています。
園のお友達は、みどりちゃんと波瑠ちゃんと亜紀ちゃんの3人を「お花トリオ」って呼んでいます。

お花トリオが仲良くお話していると、花壇の中にサッカーボールが飛び込んできました。
ボールを蹴った男の子が笑っています。

みどりちゃんは、そのボールを拾い上げて、怖い顔でこう言いました。
「ダメじゃん、ほら茎が折れかけてるよ」
「ごめんね、そっちに飛んでくと思わなかった」
「お花に謝って、ごめんねって」
「えー、そこまでしなくたっていいじゃん、ただの花なのに」
「ダメ、お花にもいのちがあるの」
「ふーん、なら、ごめんな」
「ダメ、ごめんなさいって言わないと」

みどりちゃんの剣幕に
男の子は仕方なく「ごめんなさい」と頭を下げました。

波留ちゃんと亜紀ちゃんはにっこり笑って
「やっぱり、みどりちゃんはお花の見方だね、お花がありがとうって言ってるよ」
みどりちゃんは言いました。
「私はお花のお友達だから、声に出せないお花に変わって言ってあげないとお花が可哀そうだもん」

二人はそんなみどりちゃんのことを「お花のシンデレラ」と呼んでいます。

何故かって、みどりちゃんは毎晩深夜0時になると、庭の花壇に戻ってピンクのバラに変わるのです。そこには芳しい香りが漂っています。
              
                                                                                                        おしまい    


【毎日がバトル:山田家の女たち】

《お花は育てる楽しみがある》

★93歳のばあばと娘の会話です。

「私もお花が好きよ、家の観葉植物もお水をやりすぎたら枯れるよねー、お花は育てる楽しみがあるけんええんよ」

「花も色んな種類があるねー」

「そう言えば月下美人は一日しか咲かんよねー、朝顔は朝咲いて夕方にはしぼむし、花には楽しませてもらわい、私は赤いバラが好きなんよ」

今日のショートショートはお花が好きだった方へのオマージュです。


最後までお読みいただいてありがとうございました。
たくさんある記事の中から、私たち親子の「やまだのよもだブログ」にたどり着いてご覧いただき心よりお礼申し上げます。
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また明日お会いしましょう。💗

 
                          
                              




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