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私が子どもだった頃◇駄菓子屋さんのクジ引き

「あなたはクジ運がいいですか」と問われたら私は「どちらかと言うといい方です」と答えます
ビンゴゲームや商店街のくじ引き、宝くじも5000円~10000円は何度となく当たっています。これまで結構いろいろ当たってきました。

私が子どもだった頃、学校の近くに駄菓子屋さんがありました。
昭和30年代頃のお話です。
私の記憶では文房具などと一緒に、10円で買えるお菓子やクジが置いてありました。

私はおじいちゃんの肩を叩いてあげた時、お小遣いと言って10円を貰っていました

「ゆっ子ありがとう、じいちゃん気持ちよかったわい、またお願いするぞ」
「おじいちゃん、何時でも言うて」
「お前、これお小遣いじゃ、お母さんには内緒じゃけんな
と言って小さな小銭用のお財布から10円を渡してくれていました。
私は、お母さんに内緒で好きに使えると思って、その10円を握りしめて駄菓子屋さんに行ったものです

子どもの私にとって駄菓子屋さんは夢のスポットでした。
お店に行くと内緒で来ていると言う秘密めいた気持ちと子どもらしい冒険心がくすぐられていました。

コンクリートのひんやりした床の上に、ブリキの四角い入れ物が置いてあってガラスの蓋をしています。その中にはカラフルできれいな色のお菓子や玩具が並んでいました。ビー玉や紙飛行機や車やキャラメル、見ているだけでワクワクしたものです。

私がよく行く駄菓子屋の店番をしていたのは、白い割烹着を着たおばあちゃんで、孫に話すような優しい口調で話してくれていました

「今日は土曜日じゃのに、遅いねー、学校の帰りじゃないんかな・・・」
「一人で来るんは珍しいね」
「うん」
「何がいる・・・」
「何にしょうかな・・」
「ゆっくりお探しや」
「うん」
そんな会話をおばあちゃんとしなから、私はクジ引きの品定めをしていました

その頃から私のクジ好きは始まっていたのです。
じっくり発表の日を待つのではなく、当たりハズレが一瞬の内に決まるクジが好きだったんだと思います。今でもスクラッチが好きですから

いろいろなタイプのクジがありました。
パットライスやポップコーンのような袋に入ったお菓子が一つの場所で括られていて、繋がっている紐を選んで引くと小さなパットライスや大きなポップコーンが当たるクジ。
ポスターのような大きな紙の板に、様々な景品が貼られていて、 当たったらその番号の賞品を台紙から剥がして持って帰れるもの

当たりハズレもいろいろで、薄い紙のクジを舐めると、当たりハズレが書いてあったり、クジの束の中から一枚引き出して、当たりハズレが分かるものなど、クジを引くことだけで興奮していました。

すぐ目の前に美味しいお菓子や玩具があって「さあどれにする、当たったら、これが食べられるよ、手に入るよ」と見せられたら、挑戦したくなるのが子どもの心理ですよね。子ども心を上手にくすぐるのが駄菓子屋さんのクジでした

その日の小さな幸運を手にした時は、小躍りしながら自宅に帰ったものでした。
「やったー、当たった、でもお母さんには内緒」そんな秘密めいた気持ちも幼かった私には魅力的だったのかも知れません。

小さい頃の記憶が、心のひだに残っていて、きっと今もクジが好きなのでしょう。

懐かしいあの駄菓子屋さん、今は取り壊されて100円パーキングになっていました。私が子どもだった頃の思い出は、遠い昔になりました。

【毎日がバトル:山田家の女たち】

《値段はよう覚えて無い、何せ85年も前の話よ》


「私も小さい頃に駄菓子屋でクジ引いたよ、懐かしいわい、箱の中に手を入れて小さいキャラメルみたいなお菓子を引くんよ、その中にマルが書いてあったらもう一回引けたと思う」

「金額は覚えとる・・・」

「くじ引きのシステムは覚えとるけど、金額はよう覚えて無いわい、何せ85年も前の話じゃけんね

「お母さん、当たったことあった」

「あったよ、あった、その駄菓子屋さんで可愛い小さなキューピーさんも売りよったわい、ニッケ酒も売りよった・・・」

「懐かしいねー」

母が子どものようにかわいく頷きました。85年前の事をよく覚えているなと思います。母にとっても、駄菓子屋さんのクジは子どもの頃の懐かしい思い出のようです


当たりくじ高く掲げて春は立つ


今日は立春。暦の上の春ですね。いよいよ様々な事が動き出す季節です。母はクジ運がいい私の事を思って、嬉しい句を詠んでくれました。きっと様々なラッキーが私たちに訪れてくれるでしょう。
正夢になりそうな気がします・・・。

最後までお読みいただいてありがとうございました。たくさんある記事の中から、私たち親子の「やまだのよもだブログ」にたどり着いてご覧いただき心よりお礼申し上げます。この記事が気に入っていただけたらスキを押していただけると励みになります。


私のアルバムの中の写真から

また明日お会いしましょう。💗

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