母が思いっきり元気になった日
ある朝、母が私に言った。
「明日はお花見に行こや、お天気も暦の日にちも良さそうなけん」
前々から絶対に花見に行きたいと言っていた母の心が、いよいよ動き出したなと思った。
「あんた、明日が絶対にええよ、生きとるんじゃけん、お花見には行かないかん」母の言葉には気合が入っていた。
コロナ禍以降、ほとんど外出しなくなった母は、出かけることが少なくなって、最近は2ヶ月に一度の目の検診日くらいしか外出しなくなっていた。
そんな母が、心待ちにしていたのが花見だった。
私は母に言った。