なぜ素直に緑と呼べないのか
絵具の緑色は「ビリジアン」または「ビリジャン」と表示されている。
系統色名で正確に表記すると「くすんだ青みの緑」である。
またマンセル色相は「8G」のため、代表的な緑ではなくて、青みにずれている。
明るさの明度は少し低めなので、純粋な緑ではない。
絵具を「緑」がなぜ「ビリジアン」なのかという問いに対しては、
「緑ではないから」
が正しい答えである。
おそらく、絵を描くときに需要が多いために定着したのだろう。
人間は、記憶の中にある色を使いたがるものである。
それは真実の色ではないことがある。
自然界には鮮やかな色が少ないものだ。
そして身の回りにも、純色で塗装しない限り、鮮やかな緑色はない。
花の色はとても鮮やかで美しい、と思っているが、
系統色名の「あざやかな」色はない。
せいぜい「つよい」色までだそうだ。
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