見出し画像

【プロット】満員電車のなかにいるヤンデレな郵便配達員

 郵便配達をしていると、手紙の中身がなんとなく分かるものである。
 例えばハートのシールが貼ってあると、恋人に送るラブレターである。
 どんな恥ずかし台詞を書いてあるのか、つい想像してしまう。
 あからさまなラブレターを送る先は、独り暮らしと相場は決まっている。
 普段からたくさん手紙が来たり、「先生」と宛名に添えてあれば地元の名士である。
 家の大きさからもすぐにわかる。
 毎日配っていれば、どの家にどんな人がいるか頭に入ってしまい、住所を書き忘れた手紙があっても届けることができた。
 そんなある日、担当している地区に好きな人ができた。
 彼女が家から出てきて、手紙を手渡したとき
「ちょっと待ってて」
 と言い栄養ドリンクを差し入れてくれた。
 その時の輝く笑顔が脳裏に焼き付いて離れない。
 毎晩彼女の夢を見、また逢えないかと毎日家を覗いた。
 もしラブレターが届いたら粉々に破り、コンロで焼き捨ててやる。
 彼女は俺だけのものだ。
 郵便物の送り主を追いかけているうちに、通っている学校も交友関係もわかってきた。
 そして今日、彼女と同じ満員電車に飛び乗り後をつけてきたのだ。


「利益」をもたらすコンテンツは、すぐに廃れます。 不況、インフレ、円安などの経済不安から、短期的な利益を求める風潮があっても、真実は変わりません。 人の心を動かすのは「物語」以外にありません。 心を打つ物語を発信する。 時代が求めるのは、イノベーティブなブレークスルーです。