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【hint.684】共感力と批判力

昨晩は、「原書で学ぶアドラー(原アド)」の、月に一度のミーティングでした。

現在読み進めているのはこちら。


そしてこの度、新しい邦訳本が出ました。

これまでは、岸見一郎さんがドイツ語の原著を邦訳された本のみを活用していましたが、新しい邦訳本(おそらく英語の原著を邦訳された本)も合わせて活用しながら、読み込んでいきました。


昨晩は第4章を三分割した最後の部分、「夢」や「催眠」、「テレパシー」、「暗示」などを題材にした文章でした。

「empathy:共感・感情移入」「social feeling:共同体感覚」などの、今日のアドラー心理学においても核となるキーワードもたくさん出ていましたね。


個人的に印象深かったのは、

相手に「influence:影響」を与えることができるのか?

という点に関して、「hypnosis:催眠」「telepathy:テレパシー」「suggestion:暗示」という手段を具体例として挙げながら主張されている部分で、

結果的に、術者(催眠術者やテレパシーを施す者、暗示をかける者)の関わりによって変化が起こったように見えたとしても、それは被験者(施しを受ける者)側の「影響を受ける覚悟・準備(readiness)」に依るものなのだよ

といった主旨の主張がされていたことでした。


そして我々としては、

「blind obedience:盲目的な服従者」や「servile man:奴隷」のようになるのではなくて、人間にとって非常に重要な「critical fucurity:批判力」を手放すことなく「independence:自立」した生活を送りましょう

という提言もその流れで含まれていて、なかなか面白い文章だなぁと感じました。

しかし、アドラーさんがこんなにも「催眠」や「テレパシー」や「暗示」と対比した主張をしていたとは思いませんでした。

この辺は、いわゆる「アドラー心理学のエッセンス」とは少し離れた情報にはなると思うので、語られる必要性が低いということなのでしょうね。

ただ、アドラーの生きた時代、環境においては、「催眠」や「テレパシー」、「暗示」などがかなりの影響力を持っていたんだろうなぁということはわかりました。


来月はいよいよ「第5章 劣等感」に入るので、かなり楽しみです。

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