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コラム20 訪問看護ステーションにおけるセラピストと看護師さんの連携のためにすべきこと3

2021年6月16日追記

連携のために具体的に実践すべきことをコラム21として書きました。

コラム21 訪問看護ステーションにおけるセラピストと看護師さんの連携のための提案1

=====ここからコラム20の本文です====

このコラムは以下の2つのコラムと合わせてお読みいただくと理解が深まります。コラム18とコラム19は全文無料でお読みいただけます。

診療報酬改定や介護報酬改定においては、近年リハビリテーションの進め方やリハビリテーションのあり方として「活動と参加へのアプローチ」の必要性が重要視されている。

以下の資料は、「高齢者の地域におけるリハビリテーションの新たな在り方検討会報告書」からの引用です。

病院から始まる地域リハと活動と参加へのアプローチ1

もう一つ、以下の資料は「医療と介護の連携に関する意見交換会(第2回)議事次第」からの引用です。

病院から始まる地域リハと活動と参加へのアプローチ2

さらには、2021年介護報酬改定の資料には、このような資料もあります。

オンライン講義6 訪問によるリハビリテーションの適正利用

「目的が明確ではないリハビリテーションは必要性を見直す」ことが求められています。

つまりリハビリテーションの実践には

目的、期間、目標が必要であって、利用者さんが喜ぶからマッサージでモミモミするだけって言う関わりは必要ないのです。

これからの地域でのリハビリテーションに求められる関わりは

活動と参加へのアプローチ

なのです。そうして活動と参加へアプローチを行うためには「触らないリハビリテーション」が求められるのです。

触らないリハビリテーションといっても「指示・命令」だけを患者さんにするわけじゃありません。

リハビリテーションの実践にはいろんな視点が必要なのだと考えています。

リハビリテーションの視点2

リハビリテーションの目的の明確化

病院でのリハビリテーションと異なり、在宅でのリハビリテーションの時間は圧倒的に少ない。

毎日リハビリテーションを実施されていた病院と異なり、マンツーマンのリハビリテーションを毎日介護保険のサービスで利用することはこんなんです。

その点から考えても、セラピストだけが関わるのではなく多職種連携でリハビリテーションを進めることが必要だと思います。以下のスライドは介護報酬改定の資料からの抜粋です。

リハビリテーションとは3

セラピストだけが関わる時間が少ないからこそ、多職種連携で進めることが必要なのです。

そのうえで、リハビリテーションの目的を明確にすることが必要。

たまーにケアマネジャーさんの計画書に「リハビリテーションをすること」が目的や目標になっている方がいますが、それは間違い。

リハビリテーションを実施した結果、どのような生活をしたいのか?どのようなことが出来るようになりたいのか?ってことを考えて目標設定すべきなのです。

本人さんが重度の障害であるような場合であっても、生活しやすくすることのためにリハビリテーションを実施し、機能や能力を維持することや介護しやすくすることも必要です。

そのような場合であっても、どのような目的がリハビリテーションを実施するのかということが明確であることが望ましく、あいまいな「現状維持」ではダメというのかここ数年の報酬改定の流れです。

生活の中での具体的な目標を設定するにあたってその対象となるのがICFで言うところの「活動」「参加」なのです。

触らないリハビリテーション

そうしてその目標を達成しているのかどうかということの確認することが、「触らないリハビリテーション」の第一歩。

いつも触って動かしているだけでは、生活の中で設定されている具体的な目標を達成できているかどうかの確認ができません。

その時点でどの程度目標が達成できているかどうかという確認することが必要。そうしてその確認はセラピストが体を動かしたりした後ではなく、セラピストの介入前にすべきなのです。

動きやすい状態の体で目標の達成の可否を確認するのではなく、普段の状態でどの程度の活動ができるのかってことが大事なのです。

そうしてその目標の達成度合いの確認は、家族さんや介護スタッフさん、看護師さんなどの情報も重要。他職種の方から見て実勢の生活上の行動が変わっていなければ、目標達成とは言えないのです。そういった点でもリハビリテーションは多職種で実践すべきなのです。

普段の生活の中での活動

繰り返しになりますが、在宅での生活ではPT/OT/STが関わる時間は非常に少ない。

だからこそ、セラピストが関わらない時間の生活のあり方がものすごく重要医なってくる。

2021年介護報酬改定でも、訪問看護のリハ、病院・診療所・老健からの訪問リハいずれも下記のような利用者さんが対象と明確化されました。

通所が困難な者

軽度な利用者さんで、訪問のリハの時間は動くけどそれ以外の時間はベッド上で寝て過ごしていて活動性が低下しているような利用者さんの場合、訪問リハよりも、通所系サービスの方が活動性を高めるという意味では効果的かもしれません。

訪問のリハビリテーションは在宅という場で実施するからこそ、セラピストが関与しない時間の生活をどのように考えてアプローチするのかということが重要になってくる。

セラピストが直接的に関与できない時間⇒触ることのできない時間のことを考えたリハビリテーション⇒触らないリハビリテーションが必要になってくる。

リハスタッフが関わった時だけ状態がよくなるのではなく、リハスタッフが関わっていない時間の生活状態がどうなのかということを考える必要がある。

極端に言えば、長期的にリハスタッフが関わっているケースの場合、1カ月ほどリハの時間を減らしたり、いったん中止にする。

リハの介入を減らしても生活状態が変化しなければ、リハスタッフが訪問で介入する意味がないのかもしれません。

だから、訪問看護ステーションからのリハビリテーションでは看護師さんの定期的な関与が必要になるし、介護報酬の規定の中でも定期的な関与が求められているのです。

特に今回の2021年介護報酬改定では軽度者への訪問リハビリテーションにおいては厳しい改定となっています。

ホントにその訪問リハは必要なのか?

そこが問われているのです。

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