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絵画を観るように世界を観る力をつける

絵画観察トレーニング

題材:雪舟 【天橋立図】

①基本のコンテクスト
時間:結構古い 江戸より前 昼間だろう
場所:日本、海、結構特徴的な形の岸、陸地、道がある
状況:風景をドローンで撮影したような視点
林、木、山、建物(神社、寺、塔など)、海

②フォーカルポイント
中央を横切る道と島?
海沿いから、道が延びている、隙間があって、その先に陸がある。島なのか?島の方には、道の続きそうなあたりに重要そうな建物があり、祠のようなものもある。

③のこりを部分に分け、それぞれの詳細を観る
下半分:水の中に岩なのか、船なのか、浮いている。最下部はまた陸地になっている。切れている右側から、陸続きになりそうだ。
上部左側:霞がかった小高い山々、小さな建物がいくつか見れる。中央上部は空白だが、それによって奥行きを感じ山が続いているように思える。
上部右側:海沿いに建物が細かく書かれていて、人が多そうだと思わせる。また、神社の鳥居や、塔や寺がいくつか書かれ、名前も入っているため、歴史ある場所だと思われる。
周りに比べ、高い山があり、海沿いの建物のある場所から、山頂付近まで道が続き、山頂付近にも大きめのお寺が書かれている。
山頂からは海続く道がきれいに見下ろせるだろう。

④一歩下がって、全体図を眺めながら解釈する。
中央に存在する道と、上部にある高い山、そこへ続く道、山頂に重要そうな建物があることから、山から見下ろしてその風景を人々が見物しそうだと思わせる。→有名な景色を俯瞰して描いている。

白黒にもかかわらず、空白から奥行きを感じ、木や建物の繊細な描写から、中央付近が重要であるという風に立体感を感じた。
少しだけ入っている赤色が目立ちすぎないけど目を引く。
自分の中で納得していることでも、文字にすると伝わらないなと思うことがある。
今回、題材を選ぶ際に作者と題を見てしまった為に、これが天橋立を描いたものだと思ってみていたが、そこにバイアスがかかってしまっていることを感じ、題を知らなかったら、この絵が天橋立を描いていると分かったのだろうかと思う。特に小さく書かれている橋立という文字は見えたのだろうか?

この絵から感じられることはもっとあるのだろうから、継続していろんな絵を観察していきたい。

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