【読書記録】理系のための文章教室(著:藍月要さん)②字面の圧が高い編

こちらの記事の続きでございます。

前回の記事では、
『理系のための文章教室』
"一文が長すぎる問題"について記載しました。

本記事では、
『字面の圧が高い』というテーマで
アウトプットしてまいります。

■字面の圧とは?

この本の中での『字面の圧が高い』とは
漢字が多い。あるいは、ひらがなで良い言葉を
漢字で表し、難しく感じる文章を指しています。

確かに、理系の人が書く文章って
ただでさえ難しいテーマが多いのに、
漢字も多くて、堅苦しく感じますよね。

これも、前回の記事で説明した
『誤解されたくない』
という思いから
理系の人は漢字を多用してるんですって。

例えば、
(ここからの例文は、山田ビスカスなりのアウトプットです。本の中ではもっと品のある言葉が使われてます。)

ちちに「いつもありがとう。」と囁き、
そっと撫でた。

という文章があるとしますよね。

これ、読み方によっては
「ちち」
「父」の可能性もあれば
「乳」の可能性も秘める訳じゃないですか。

ちちに「いつもありがとう。」と囁き、
そっと撫でた。

つまり"ちち"に"父"を代入した場合は、
父に感謝を忘れず親孝行な少年。
シーンとして病室等を連想することもできます。

一方、"乳"を代入した場合はどうでしょうか。
乳に対してリスペクトを忘れず、乳に語りかけることを忘れない紳士な可能性がでてくるわけです。

このような誤読も漢字にすることで避けることができますね。

漢字をひらがなにすることを
『漢字をひらく』と表現するようなのですが、

この『漢字をひらく』という行為で、
文章はやわらかな印象を持ちます。
例えば以下の単語です。

『お尻』 → 『おしり』
『饅頭』→『まんじゅう』
『塵紙』→『ちり紙』→『ティッシュ』

たしかに、漢字よりも平仮名のほうが柔らかく感じます。

文章でも急に雰囲気が変わります。

「好き……」
「ん?何か言った?」
「なんでもないよ。独り言。」

例えば上記のような、
片思いを連想させる描写。
これも、ひらがなにすると

「すき……」
「ん?なんかいった?」 
「なんでもないよ。ひとりごと。」

どうですか?柔らかく感じませんか?

前者が大人の恋のように感じて
2つ目は青春の色が濃くなった気がします。
(なんなら男女が入れ替わった感覚まで)

このように柔らかな表現をしたい場合は、
ひらがなにするとよさそうです!

他にも勉強になる項目たくさんありました!

■理系の責任感は無責任に見える

理系は、誤解を招く表現や不正確な表現はしたくないため、断言は避けたがる傾向にあるそうです。

『絶対』とか『一番』といった、不明確な表現を避けてしまうがために、時に無責任に見えると…

例えば、病院での理系さんと文系さんのイメージを見てみましょう。

このように理系脳の人は、
絶対や一番なんて言葉を避けて伝えたく
無責任さも少し出ますよね。

とはいえ、僕が理系だからか
逆に、お医者さんが絶対とか一番とか言ってると、少し怪しいと思ってしまいます…

恋愛だとどうでしょう。

理系彼氏と文系彼氏

こんなの、理屈とか抜きに
文系彼氏が言ってることのほうが全然いいですよね。

こうい「絶対」や「一番」といった言葉を避ける行為が無責任にうつることもあるそうです。
勉強になります……

他にも
『受動態をなるべく避ける』と良い。
人は能動態で文章がくるというメンタルモデルというものがあるらしく

『僕はティッシュを捨てた。』
『ティッシュは僕に捨てられた。』

このように圧倒的に能動態のほうがストレスなく読めるということなんですね。

■最後に

藍月要先生は、このように締めくくります。

自分が得た技術をだれかに伝えたくなるのは、人が古くから持つ性でしょうか。
『血を継げ』と肉体が言うそばで、
『知を継げ』と理性が求め続けたからこそ、
人間の社会は発展してきたのだろうと思います。

理系のための文章教室

しっかり藍月要さんの知を継ぐことができました。
是非皆さまも読んでみてはいかがでしょう。


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