【読書記録】理系のための文章教室(著:藍月要さん)①一文が長すぎる編

どうも、山田ビスカスです。
今回も、とても素敵な本と出会った為、読書の記録をさせて頂きます。

理系のための文章教室
〜もう「読みにくい」とは言わせない〜

理系のためのための文章教室
〜もう「読みにくい」とは言わせない〜

でございます。

山田ビスカスは、大学で情報や数学を専攻していました。
一応正真正銘、ド理系の人間と自認しておりまふ。

小説を書きはじめてから、自分の文章になんとも読みづらさを感じておりました。
これは自分の"思考力"に問題があるのか、はたまた"表現力"に問題があるのか。

そんな時に、この本と出会い購入しました。

まず、こちらの本の前提はこうです。

『理系の人間が持つ文章力は決して低くありません。使い方を間違えてるだけです。』


なぜ、理系の人がこのように読みづらい・分かりづらいとされるかと言うと
文系と理系の間でこんな違いがあるとのこと。

理系さんと文系さんの違い

理系『誤解しにくい文章を』
文系『分かりやすい文章を』

と、そもそもの思考が違うわけですね。

では、何故このような違いが出るかといいますと

理系の人は、
「個人が自由に解釈する余地を残せない。」
といった一種の規律のもと生きてきてるわけです。

例えば、

薬品Aと薬品Bの順番と分量は個人の解釈次第!

なんてことになると、大事故につながる可能性かまありますよね。
だから、絶対に過不足なく表現をしなければいけないわけですよ。
(その最たる例が、家電製品等の説明書です。)

そういった背景を元に、
理系の人間が書く文章にありがちな問題としてこちらがあげられます。

■理系の文章、一文が長すぎる問題

ド共感。
本当にね、長くなるんですよ。

これも誤解されないために、
あれこれ一文に詰め込んでしまうんですよね。

ただ読み手からしてみればですよ。
句点「。」が出てくるまでは、言葉が何かに係る可能性を持ち続けるわけですから、ストレスですよね。

句読点を説明する、理解しやすくもなければ、
正確性にもかける不要な画像。

理系の人間は誤解を産まないために、
読点「、」で一文をひたすら長くしていきます。
そして、代名詞の「それ」や「これ」を避ける為、重複した内容が一文に多々出てくるとのこと。

わかります。
自分の文章が長いと感じるときって、見返すと同じ単語が何度も出てきたり、読点がやたら多いんです。

「それ」とか「このことから」とかやめてよ。
代名詞さえなくなれば、現代文のテストの難易度グンと変わるじゃないって。
何度学生時代思ったことか。

誤解されにくい文章を多少読みにくてても全作者が心がけてくれれば、現代文のテストは楽になるわけですよ。 

ただ、そうも行きません。

では、そもそも長い・長くないの判断はどうするべきか。それは、読点の数に注目するといいとのことでした。

【読点の数目安】
0個:短めの文章。
1個:普通の文章。
2個:長めの文章。
3個:長い文章。句点で区切れないか検討。
4個:長すぎる文章。ダメではないけれど、できれば句点で区切りたい。

理系のための文章教室(藍月要)

読点で判断をすればいいのはわかりました。
ただ、改めて読点ってどの位置に打つのが正しいのでしょうか。


これも藍月要先生が説明してくださってます。
(ここから出てくる例文は、山田ビスカスオリジナルです。藍月先生はもっと品のある例文を使っています。)

セオリー①要因と結果の間に打つ

彼女にサッカー部の彼氏がいたのであっけなく僕は振られた。

例えばこのような文章があっとします。
僕が振られたという結果に対し、
要因はサッカー部の彼氏がいたこととなりますので

彼女にサッカー部の彼氏がいたので、
あっけなく僕は振られた。

が推奨されるわけですね。
確かに見やすい。

セオリー②長くなった主語の後に打つ

無精髭をはやし脂汗をかいた不潔な僕は彼女に振られた。

このような文章であれば、
僕という主語までが長いですよね。

そのため、

無精髭をはやし脂汗をかいた不潔な僕は、
彼女に振られた。

というように僕の後に読点を打ちます。

セオリー③述語と離れている主語の後ろに打つ

こちらの例文について

僕は白いワンピースのよく似合う彼女に振られた。

僕が振られるまでの言葉が長いので、

僕は、白いワンピースのよく似合う彼女に振られた。

となります。

セオリー④長くなった目的語の後ろに打つ

あそこまで優しく接してくれた彼女に僕は振られた。

これは、彼女という目的語までを修飾する要素が長いので、彼女の後ろに読点を打つわけですね、

あそこまで優しく接してくれた彼女に、僕は振られた。

セオリー⑤述語と離れている目的語の後ろに打つ

河川敷に泣きながら自転車をとばし叫びに行く。

こちらも「河川敷に」という目的語から叫びに行くという述語までが長いため

河川敷に、泣きながら自転車をとばし叫びに行く。

としてもいいですし、まだ長い感じもするので

河川敷に、泣きながら自転車をとばし、叫びに行く。

でもいいと。

他にもいくつかのセオリーを書かれておりますが、こちらは是非購入されて読むと宜しいかと存じます。


さて、ここまでの文章を今まで僕が、
どのように書いていたかといいますと、このようになります。

無精髭をはやし脂汗をかいた不潔な僕は白いワンピースのよく似合う彼女にあんなに優しく接してくれていたのにサッカー部の彼氏がいたため振られ河川敷に泣きながら自転車をとばし叫びに行った。

これは長いですね。
読点を打てば、このようになります。

無精髭をはやし脂汗をかいた不潔な僕は、白いワンピースのよく似合う彼女に、あんなに優しく接してくれていたのに、サッカー部の彼氏がいたため、あっけなく振られ、河川敷に、泣きながら自転車をとばし、叫びに行った。

となりました。
うーん。でも、読みづらい。
だって読点が7個もあるわけですから。
これは長いです。

そのため、句点をつけて一文を短くすることが推奨されています。
ちょっと極端に一文を短くしていきましょう。

僕は不潔だ。
無精髭をはやし、常に脂汗をかいている。
そんな僕にも、優しく接してくれる人がいた。
白いワンピースのよく似合う女の子だ。
僕は、彼女に告白をした。
ただ、サッカー部の彼氏がいたため、あっけなく振られた。
気付くと河川敷に、泣きながら自転車を飛ばしていた。
とにかく叫びたい気分だったのだ。

はー!一気に読みやすくなりましたね!!

このように、読点が多くなったと思えば句点を打って句切ればいいわけです。

大変勉強になりました!
こちらの本の解説はまだまだ続きます。

続いては、
『理系の人、難しい漢字使いすぎ問題』です。

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