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幸運と失敗の「コロナ対策」を省みて、次の感染症に備えるために読むべき本

 2年にわたって世界を大混乱させたCovid-19も、研究が進んで、治療薬の開発が進み、ワクチン接種も進んで、概ね収束のメドが立ってきましたね。 オミクロン変異株について、また地上波TVは騒いでいるようですが、感染力が強く、重症化率が低いというのは、ウィルスの変化の最終形に向かっている可能性が高いとの解釈がされています。ウィルスは単体では生き延びられないので、人間を殺さない形で「延命」する姿を探すという性質を持っています。普通のインフルエンザへの道を歩んでいるのだと理解すると、少し冷静になれますね。

 今、僕たちがやるべきは、次の感染症に対して、今回の経験を活かしてて対応策を考えておくことだと僕は思います。
 そういう意味で、この本は有益です・

 知見を持った頭の良い人が、高い視点から、愚かな行動をした人たちを厳しく批判している、というタイプの本なので、日本人的心情として手放しに受け入れづらいところもあるかもしれません。でも、語られている内容は、かなり的を得ているのではないでしょうか?

 僕たちは「感染症の専門家」に社会の問題の判断を委ねすぎました。そもそも感染症は獣医のほうが知見を持っている側面もあるようですね。医師のヒエラルキーがそれをさせなかったのかなと思うと、残念です。
 
 間違いなく言えることは、開業医が集まって意思決定する「医師会」という組織が、社会の一般常識に疎い部分があり、国の方針に影響力を持ちすぎると国力を下げてしまうということですね。
 日本の社会の仕組みの中で、「医師会」のプレゼンスを下げることはやらないといけないですね。医療関係者の中には、献身的に素晴らしい方も多く、その人達へのリスペクトは強く持って、感謝しますが、そのことと医師会的な存在の弊害は区別して考えないといけません。

 近い将来、新しい感染症は出現するでしょう。グローバル市場の人の動きはあっという間に世界中にウィルスを広めることを僕たちは今回思い知りました。特に日本は中国という隣国を持っていますので、そのリスクは避けられません。島国の日本でも「水際作戦」は無理だったというのも、今回のCovid-19から学んでおくべきことの一つでしょう。被害を最小限に食い止める医療体制を速やかに作れるように社会の仕組みを変えないといけないことを、この本を読んで、認識するのは重要だと思います。

 日本はたくさんの間違った判断を積み重ねたこと、それでも幸運恵まれて、諸外国よりも少ない被害で済んだこと(その原因、理由はこれから科学的に解明されていくのでしょう)がよくわかりました。
 コロナ禍について、俯瞰して理解するために、TVのワイドショーはシャットアウトして、この本をお読みになることを強くオススメします。

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