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ビルボード新チャートは、世界に日本の音楽をつなぐ架け橋になる!?

 ついに発表になりました。準備段階から話は伺っていたのですが、日本以外の国での日本の楽曲のビルボードランキングが始まります。

「Global Japan Songs Excl. Japan」とは?

 新たに始める「Global Japan Songs Excl. Japan」は、ビルボードの「Global 200」チャートデータから日本の市場を外し、日本の楽曲を抽出したランキングです。
 ざっくりとわかりやすく「世界で人気の日本の楽曲」がわかることになりますね。日本市場は小さくないので、単純なグローバルランキングだと、日本国内での人気が反映されています。「海外でどんなアーティストが受け入れられているのだろう?」という興味を満たすものがやっとできることになります。
 9月14日付のランキングはこちらです。

日本の楽曲を対象に、Luminate Data LLCが集計した、日本を除く世界200以上の主要デジタル・プラットフォームの定額課金型と広告支援型の公式ストリーミング、ダウンロードにそれぞれ比重をつけて算出し、ランク付けしたチャート。

 YOASOBI「アイドル」がトップなのは、当然という感じですね。imaseは韓国で火がついたとのことですが、思った以上にパワーがあるのですね。King Gnu、藤井風、キタニタツヤ、米津玄師、となるほどという顔触れが続いています。
 同時に日本の音楽界の海外でのキュレーションの不足を感じました。 「真夜中のドア」がSpotifyのバイラルチャートで世界一になったのは、2020年の年末ですから、息の長い支持は嬉しいと同時に、シティポップを始めとした日本のカタログは多数にありますか、そろそろ次のヒット曲が合っても良い頃ですね。こういうランキングが有ることで、挑戦するレーベルも増えてくることでしょう。

各国ごとのランキングは、アーティストの戦略立案に有意義

 ビルボードは同時に、国ごとに日本楽曲のランキングも発表するそうです。「まずは、韓国、シンガポール、インド、フランス、イギリスを皮切りに、米国、ブラジル、台湾、ドイツ、南アフリカなどを順次発表していきます。」とのことなので、楽しみですね。

 人口が世界一になって、これから大きな経済成長が望まれるインドでのチャートを日常的に目にすることは刺激になるなと思います。インド映画と日本映画を比較するとわかるように、ポップカルチャーのテイストは遠く離れていますが、民主主義国家で英語が公用語でという共通基盤がある中で、デジタルサービスは国境を低く薄くします。
 インドで音楽サービスを行う起業家と何度かミーティングしたことがありますが、驚くほど共通言語がありました。

 フランスとイギリスとのランキングの違いの理由を推測するのも、欧州の市場をイメージするために有効です。ドイツも加わって3カ国を比較して戦略を立てられる音楽プロデューサー/マーケターが日本で増えてくれると、どんどんチャンスは広がって行くと思います。TOP10だけでなく、TOP30、TOP100とかを見たいですね。
 そのためには、海外市場でもっともっと日本楽曲が聞かれる必要があります、ビルボードが発表したくなるくらい、日本楽曲がグローバルに聞かれる必要があります。

日本のシェアは0.4%でK-popの1/10。挑戦しよう!

 現状の楽曲数の日本のシェアは世界で0.4%で、K-popの1/10のようです。

「Global Japan Songs Excl. Japan」は、上位25万曲前後のチャートデータから、バージョン違いなどを合算し、5万曲程度にまとめます。同時に、日本の楽曲を抽出します。すると、8月以降のデータでは各週250曲前後まで絞り込まれ、全体のポイントの0.4%ほどしか日本の楽曲は占めていないことが分かりました。参考までに、K-POPは全体の4%、USは53%ほどを占めています。

https://www.billboard-japan.com/special/detail/4115

 これは、国内市場だけを意識したプロデュース、活動に日本の音楽界が閉じていたことが原因です。『真夜中のドア』やYOASOBI、藤井風などの例を見ればわかるように、ポテンシャルは十分にあります。
 デジタルサービスは、基本的にグローバル・サービスですから、デジタル化はイコールグローバル化なのです。大掛かりな施策が組めなくても、YouTubeの概要欄を日英表記にする、外国語での検索に対応できる情報を意識するなど、直ぐにできる対策はあります。あとはSpotify for artistなどでデータをチェックして、ユーザー反応を逃さずに対策を打っていくことです。

音楽データアナリストを育成したい!

 StudioENTREとビルボードジャパンの共同企画で、ビルボードランキングを作った磯崎さんが講師の講座を始めています。現在の講座は10月に終了します。次回はグローバルチャートをテーマにして企画を考えたいなと思いました。興味のある方は、StudioENTREのpeatixをフォローしておいてください!

 音楽に特化したデジタルマーケターの育成は、2年前から取り組んでいます。「音楽マーケティングブートキャンプ」は第4期を実施中です。音楽マーケター育成で成果を上げています。この講座の運営チームを中心に、音楽に特化したマーケティング会社「株式会社LAB」を6月に設立して、いくつものレーベル、事務所のマーケティングサポートを始めています。
 マーケティングの依頼は下記までお問い合わせください。学生インターンも受け入れています。

 日本の音楽界のグローバル化を促す役割をしてくれそうな、ビルボードの新チャート。思いっきり注目&活用しましょう。そして発展のために一緒に考えて行きましょう!

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モチベーションあがります(^_-)