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朝起きてアトリエの温度計に目をやる。
室温0°C。
プラスでもなくマイナスでもなくジャスト0°C
本日も申し分のない黒猫日和である。

まずは石油ファンヒーターのスイッチを入れ、薪ストーブに薪をくべる。
熾火が残っていれば薪は音もなく静かに燃え始める。
薪ストーブという生き物を飼っていてフィーディングするような感覚。
美味しい薪をたくさん食べて暖めてね♪
私の解凍具合はキミの双肩にかかっている!!

洗顔とか歯磨きとかの人間的な朝のルーティーンはそれからで、身支度を整え机に向かう=ファンヒーターの前に陣取る。

さて、リピーターさんからオーダーをいただいたので、先週から取り組んでいる黒猫の続きをニードルで刺し始めるが、なかなか気に入った子が作れずにいる。顔の大きさは大体500円玉くらい。

机の上にはフェルトの黒猫
膝の上にはリアル黒猫
黒猫を見る黒猫って何だか面白い図よね。

ちなみにこのリアル黒猫は保護猫出身。今では家の中で一番態度がデカい(笑)。

1日目・・・黒猫1号・・・気に入らないのは耳が大きすぎたからである。ボツ。

にしても黒猫は難しい。真っ黒なので形が捉えにくいからだ。

2日目・・・黒猫2号・・・大人っぽい顔だが、もひとつ気に入らない。ボツにするかどうか迷うレベル。これはこれでもう少しいじることにする。

3日目・・・黒猫3号・・・あら?いいんじゃない?
何となく愛嬌があるし。3号に決定!

4日目・・・黒猫4号・・・ノリで作ってしまった。このくらいの子猫っぽい感じが好き♪しつこく作っているとだんだん目が慣れてきて作りやすくなる。

黒猫に限らず猫の顔は1日につき1つと決めている。かなり神経を使うせいか2つ作るとズタボロになり翌日は作れないからだ。1日に1つがちょうどいい。

3時間経過後、室温6度。
この温度ではストーブの前にマグネットのように張り付いているしかなく、ただ座っているのはあまりにも(人としての)コスパが悪すぎるため、いわば免罪符的にひたすら手を動かす。

5日目・・・手足を作る。
6日目・・・顔と手足をくっつける。

私の場合、モノを作る理由は、美の追求であるとか崇高な理念、いわんや宗教心の具現化とかでは決してない。

理由はただ一つ


ストーブの前を動かずにすむから


超シンプル

おそらくは北欧で手仕事が発達した理由と同じかと?スカンジナビアンピーポーもなかなか大変だったのよね?と共感しつつ。

インスタ映えしない事で有名な黒猫は、たとえ羊毛フェルト製であっても写真写りがひどく悪い・・・。このヘボい写真でさえ20枚くらい撮った中のベストショットだ。

身長10cm、横幅3、5cm、厚み5cmの黒猫ちゃん。
うーん、いかにもインスタ映えしなさそう。

こちらは裏側。ブローチ兼ネックレス兼バッグチャーム。特殊コーティングによりヘビーユースにも耐える優れ物、と自分で言ってしまう私。

お客様に写真を送信して本日の作業は終了。

天気予報によれば明日の気温はー9°Cである。

では

もうしばらく

黒猫日和を続けるとしよう。


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