やまなか

絵を描くか、くだらない記事を書くか、もしくは鳥の脇腹をくすぐっています。

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  • 音楽について話したい!

    人間性を貯蓄するため音楽について話してます。

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喰らい

 先日、帰り道に死体遺棄現場を発見した私は、すぐに別のルートを家路とした。    しばらくは何事もなく帰っていたのだが、この道でも不可解なものを見つけてしまったので、紹介しようと思う。  場所はとある高架下のトンネル(またトンネルだ!)。上に高速道路が通っており、家に帰るにはそこを通過する必要がある。昼でも薄暗く、どこか汚らしい印象で、しかもそれなりに車通りがあるので私はあまり好きでは無かった。  普段からゴミのポイ捨ての多いところで、段ボールやらの大きなゴミも珍しくない

    • 夢の13

      とりあえず小麦粉と卵はあるからー、キャベツって入れるっけ。 「さあ…うちは入れないなぁ。あなたが入れたいなら入れれば?」 じゃあ買いまーす。あといるものある? 「うーん、まあスーパーで見ながら考えましょう。」  わたしたちのたこ焼き作りは買い出しから始まった。たこ焼き機はある。小麦粉もある。あと使えそうなものはネギが一本と卵が2、3個。二人暮らしにしてはスカスカな冷蔵庫だがどちらもあまり自炊をする方じゃないので仕方ない。同棲を始めた時に自炊当番を決めたのだが、結局コン

      • 夢の12.5

         記念日だった。付き合って1年の。それなのに。 ねえ、明日ってさ… 「え?何かあったっけ?」 は!?付き合って1年目の記念日だからって、前言ってたよね? 「あー…たしかに」 え、忘れてたわけ? 「まあ…はい」 はぁ…もうありえないって 「いや!でも、覚えていようとは思ってた」 もういいよ!ずっとそうじゃん!誕生日の時もそうだしさぁ! 「あー…」  …って感じでさあ。ホントにありえないよね! 『うーん、それは彼氏さんが悪いね…  じゃ、挿れますね…』

        • 夢の12

           サンタクロースの正体を知ったのはいつだったろう。その時のわたしは嫌に冷静にそれを受け入れた気がする。それ以来、枕元のプレゼントに一喜一憂することは無くなった。  今年のクリスマスイブは、2人とも仕事だった。何もこんな日に出勤させなくても。恨み言を言いながらなんとか片付けて部屋に帰ると同棲中の彼がすでに晩ごはんを作っていた。 「あ、おかえりなさい」 今日のメニューは? 「唐揚げでーす」 うわ!チキンじゃん! 「まあ…一応そう。デカいの買っても食べきれんでしょ。」 えー、デ

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          5本

        記事

          夢の11

           1と2の違いとは。  理系の彼にそう聞いてみる。 「えぇ?1よりも2のほうが1大きい…とか…?」  そうだよなぁ、とホッとする。前に同じことを聞いたやつは全然意味不明な答えを返してきた。あいつも理系だったはずなんだけどな。  今日は彼がメガネを替えると言うので二人でショッピングモールに来た。モール内はクリスマスの飾り付けで賑やかだ。デートの時も彼はあまりたくさん喋る方じゃないけれど、こちらから話を振るといろいろと面白い話をしてくれる。ラッコが好きだと言うと、 「な

          夢の10

           夏は恋の季節だ。そんなベタな文句をスローガンに、わたしは彼を夏祭りに誘った。  乙女たるもの、片想いを伝えるならロマンチックに。花火大会の最中、色とりどりの光に照らされた彼とわたし。二人の距離は近づいて、そしてついに…  千切れた。下駄の鼻緒がだ。張り切って用意した浴衣の一式が仇になった。あまりにベタな失敗に自分でも驚きを隠せない。なんとか平気なフリをしようとしたが、どうにももう歩けなさそうで。 「えっと、大丈夫?」 彼の心配する声にも苦笑いを返すしかない。心ここに

          夢の9

          はい、こんにちは!けんゆいちゃんねるの、ゆいぴーです! 「け、けんちんです…」 ちょっとぉ!もっと元気な感じでやってよぉ! 「いや、え~…」 はい!もう一回! 「はぁ…。けんちんです!」 今回は、たこ焼き!作っていこうと思いまーす。けんちんは好きですか、たこ焼き? 「え、あ、まあはい。」 よーし!それでは~、やっていきます! あ、ちょっとそのタコとって。 「はいはい」 あとさ、 「ん、紅生姜。」 あ、ありがと。 はい、というわけで材料が揃ったので焼いていきます! まずは

          忘れ去られた書物達を訪ねて

           この世界には無数の文章が存在する。それは人類の叡智の結晶であり、かけがえのない財産だ。現にこの記事がアップロードされているnoteというサービスには日々様々な人間によって様々な文章が投稿されている。  そんな文達をまとめ、保管できるようにしたものが本や書物である。人類史の最初期から書物は作成され、我々の発展に大きく貢献した。特に価値のあるものは現在まで保存されているものもある。しかし反対にあまり人目に触れない隠れた名作というものも存在する。歴史的な価値が高いのにも関わらず、

          忘れ去られた書物達を訪ねて

          夢の8

           大学の学食というのは安い代わりにメニューが少ない。定番のメニューが2、3種と、日替わり定食。今日の日替わりは中華で、なんとなく気分じゃなかったので定番の親子丼にした。トレーを受け取って席を探すと、見知った男がいる。 回鍋肉、美味しい? 「え?ああうん。」  いつものように彼の向かいに座ってお昼を食べる。こいつはわたしの一回生からの友達で、どういうわけか食堂に行くと大抵会うのだ。 「…それで、ネコをえら呼吸にしたいなと思ってて。多分その方が効率が良いんじゃないかな。水

          殺人罪及び内乱罪及びうんこビーム等準備罪

           ようやくここまで来た。長い、長い年月だった。ついに成し遂げたのだ。  私の夢が叶う時が来た。私は万感の思いで立ち上がり、ベルトを外し、国会議事堂にてパンツを下ろした──  2016年11月25日、この日私こと尻藤便光(しりとうべんみつ)15歳に天啓が降りた。 『うんこがビームだったらいいのに』  まだ10代だった私にとって、それはあまりにも刺激的な空想(クソだけに)だった。友人に話しても誰一人として共感してくれるものはいなかった。むしろそんな絵空事を語るロマンチストな

          殺人罪及び内乱罪及びうんこビーム等準備罪

          夢の7

          へそピとか、空いてたりしないかな。 なんか軽いトレーニングとかしてるらしいし、腹筋割れてたりして。 身長あるんだからもっと運動したらいいのに。でも柄じゃないか。へなちょこじゃないとあの人っぽくないもんね。…はだか、かぁ。 なんて、少し身体が火照る。明日、楽しみだなぁ、とか。 翌日。ポップコーンとポテトチップス、申し訳程度のチョコ菓子をお皿に。もう少し彩りがないかと棚を漁っていると、 ぴーんぽーん はいはーい ドアを開けると見知ったメガネが立っていた。待ちに待った

          夢の6

          ─ねえ、動物園行こうよ。  と、わたしが言ったのが一週間前。その時は「あー、動物園か…」って曖昧な返事しか返ってこず。まあいいかな、なんて諦めていたら。 『日曜日、動物園行きませんか。』 何を思ってか彼はやけにかしこまって電話してきた。 いいけど、急だね? 『あ、いや、そうか今日金曜か。あの、予定合わなかったら全然…』 いや、だから行くって!行こう、動物園! 『うん。はい。じゃあ行きましょう、動物園。駅前集合で。』  そんなわけで日曜日。無事集合したわたしたち

          自分の記事を振り返ろう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(感嘆符はつければつけるだけ面白いと思ってるし実際そう)

           こんにちは、やまなかです。思えばnoteでもう一年くらい投稿してきました。そこそこ記事も溜まったし、その割には全然反応も無いし、というわけで宣伝も兼ねてこれまで書いた文章を振り返っていこうと思います。 【対決】うんこピーマンとおしっこパプリカどっちが強いの?原初にして至高。始まりにして終わり。 友人のmakiがnoteで毎日投稿を始めたので自分も何かやってみよーって感じで書いたやつですね。makiと話しながら何を書くか考えているとふと天啓が降りましてこんなタイトルになり

          自分の記事を振り返ろう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(感嘆符はつければつけるだけ面白いと思ってるし実際そう)

          旅人へ【編集部クジラ『A traveler』感想】

           どうもこんにちは。最近感想文ばかり書いているやまなかです。  またまた友人らが雑誌(という名の文章のかたまり)を刊行した。 実はこの雑誌を自分は相当気に入っていてここしばらく楽しみにしていた。いつもバカみたいな話をしている友達が少しまともなことを書いているのを見るのは面白い。  というわけで前回に引き続き勝手に感想を綴っていく次第である。また今回も、真面目なことを書いているやつを面白がっているだけではフェアでないのでこちらも面白がられるために真面目なことを書いておこう

          旅人へ【編集部クジラ『A traveler』感想】

          君は電気羊の夢を見るか?【フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』感想文】

           どうもこんにちは。例のごとく社会的信用回復行為に及ぶ次第である。  今回は読書感想文を書いていきたい。すこぶる読書感想文が苦手な自分ではあるがいい本を読んだと言う記録を残す意味で書いていく。  作品は、フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』。SF小説の金字塔であり、タイトルが有名なため読んだことはないが名前は知っているという人も多いだろう(なにせ自分もそうだった)。友人の1人は「哲学書だと思っていた」と言っていた。  実際読んでみると、次々登場

          君は電気羊の夢を見るか?【フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』感想文】

          わたしが学校に行かなくなるまでの話。

           ずっと生きづらさを感じていた。自分を認められないというか、やることなすこと全部ダメな感じ。誰かにダメって言われるわけじゃない。でも自分が自分を許せない。あの時ああ言えば良かったなとか、あそこでこう動くべきだったとか、そういう些細なことにじわじわダメージを受けていくのが辛かった。  どうしてそんなことを思ってしまうんだろうって考えて、学校だ、と思った。中学3年の頃、とても厳しい先生が担任だった。制服の着こなしとか、授業の態度とか、すごく細かいことでも叱ってくる。それが1年間

          わたしが学校に行かなくなるまでの話。