本と公園⑦ 〜屋台グレードアップ〜
朝8時、スパッと目が覚める。
昨晩、目覚ましをかけ忘れていたが、そんなことはお構いなし。
ワクワクすることがあると、こんなにも目覚めが違うのかと改めて実感。
そのワクワクの根底にはグレードアップした屋台がある。とある事情で立派な自転車付き屋台をもらえることになった。これまでは手作りのものだったが、随分と勝手が違う。まぁ手作りのほうもボロボロな状態から少しずつ機能を足していって自分のものにした感じがあるので、乗り換えるには少し寂しいなと思いつつも今後のためだと割り切る。気持ちはさながら、ワンピースでルフィたちがゴーイングメリー号を手放すときと同じようだ。
最初に来てくれたのはいつもの犬の散歩のおじさん。新しくなった屋台にびっくり。少しずつ進化していていいねと言ってくれた。あの人来てくれるだろうなと想像したのちに、案の定来てくれたときはとても嬉しい。いつもの穏やかな雰囲気に包まれて気合いが入る。
少しして高そうなカメラを持った女性がやってきた。
鳥が好きで、散歩しながら鳥を写真に収めているみたい。屋台を見て、娘さんも港区の方で似たようなことをしていると言っていた。
その女性は比較的年齢は高めだったものの、インスタを使いこなしていて、ストーリーに本と公園の紹介をのせてくれた。音楽つける?メンションする?とか言っていろいろ工夫をしてくれてとてもあたたかい気持ちになった。この活動の概要や考えていることを話すと、すごく共感してくれた。自分で「私は頭が若いからね」と言っていたが確かにそんな感じはする。今の時代、1つの仕事じゃやっていけないから、いくつか収入源があった方が安心よね、何があるかわからないしと言っていた。僕はその考え好きだなと思う。
以前1回来たと思われる女性。手を振りながらやってきたが、正直前回どんな話をしたかは覚えていない(笑)
先週末に行われていた音楽イベント「こくフェス」の話になった。公園が賑わっていて、印象に残っていたらしい。その女性の中では「公園を使う=僕」みたいなイメージのようだ。そしてゆるゆると雑談。
認知症等の対策の関係で市からアンケートが何年かごとに来るらしい。
「誰かと食事しましたか」「何人と会話しましたか」みたいな欄があるようで、1人暮らしのその方は0が並んでアンケートに答えるのも悲しくなると言っていた。「友達もいるけど毎日誘うわけにもいかないし。集まる場所が必要だよね。」とのこと。そう考えると僕は毎日必ず複数人と会話しているが、その状況が当たり前ではないんだなということを改めて痛感。
そして話はテザリングの相談に。ネット関係の相談をされることが多い。このタイミングで以前話したのは楽天モバイルについてだったと思い出す。「あれすると充電とかデータ使用量にやっぱ関係あるの?」と聞かれたので「充電は減るしデータも使うよ」と答える。ちなみにとみちゃんっていうらしい。
今日は買い物帰りと言っていた。道端に自転車を停めて、屋台のところまで来てくれた。食パンはあそこが一番安いだの、中国産が多いだの、パン用のタッパーがあるだの、これまでためていた誰かに話したいことをどんどん出してくる。焼きそばなどは3人前入っているのが当たり前。それが辛かったが、今日行った業務スーパーには1人前20円で売っていたらしい。笑顔でそんな話をしてくれた。市からのアンケートに「1」がついたかな。(3をつけても良いくらいの話ぶりだったが、、、)
子供3人とそのお母さん2人がやってきた。屋台の周りを走り回って元気な子供たちだ。友達が作ってくれたイラストをステッカーにしていたのでそれを選んでもらう。何種類かあったので、2ついい?3ついい?と数が増えていく(笑)「なんで売らないの?売ったらいいじゃん」とアドバイスをくれた。何円で買ってくれる?と聞くと「1円!」といった。
お返しにお母さんから駄菓子をもらい、お別れ。怪しんで近づかせない保護者の方もいるので、こうやってお話してくれるってありがたいなと思う。
知り合いがふらっと遊びに来てくれた。久しぶりだったので近くに来るまでわからなかった(笑)活動の概要や公園のことなどをお話。今は隣町の駄菓子屋で、月1ペースで似顔絵を描いたりしているらしい。それを公園でもやりたいということで、その話もあって来てくれたそう。ぜひ気が向いたときに一緒にやりましょうという話をしてお別れ。おしゃれなエクレアとシフォンケーキをいただいた。
つい最近ぶんじ寮を退去した人がアイスを持って来てくれた。
パルムだ。最高。いただきます。
次は中年くらいの男性。
国立の方で音楽活動やその他いろんな活動をしている人だ。過去には橋の下や木の下で音楽祭をやったり、特殊な自転車で旅をしたりしていたらしい。たまに会う”色々やりすぎて説明が大変な人”だ。空き家空き地のこと、公共空間のこと、この活動の今後の展開のことなどたくさんお話。いつも考えていることにすごく共感してくれた。長野にたくさん縁ができてそっちの方に興味があったのだけど、近くに面白い人がいて最高だと言ってくれた。
前回来てくれた大学教授とそのグループ。すごく興味を持ってくれて、色々とお話。1人が新潟出身というので話が盛り上がった。ちょっとここの辺りは記憶が、、、、、
いつもは来てくれた人と話した後はどんな話をしたのかメモを取っているのだが、今日は早いスパンで人が来たのであまりメモできてない(笑)
何回か通りかかっていて、次会ったとき話しかけようと思っていたという方が来てくれた。普段は家で絵を描いているらしい。何回か見かけていて今日ようやく決心してくれたと思うとなんだか嬉しい。ぶんじ寮にも興味があるとのことなので、色々話すことができた。別れた後にもインスタでメッセージをくれた。丁寧な人だ。何かの終わりを丁寧に、綺麗にできる人は憧れる。
ジョーさんがきた。ジョーさんだけもう普通にジョーさんと書く。得意料理の煮卵を持って来てくれた。今日は昼食という昼食を取っていないので嬉しいところ。ミュージカルのオーディションに行ってきたらしく、その報告を受けた。多分合格しているらしい。台本を読み上げてオーディションの様子を再現してくれた。その後、公民館のワークショップで作ったという占いをやってくれた。もうめちゃくちゃだった。
いつもランチを持って来てくれる知り合いが来た。今日は友達を連れてきていた。2人は池袋のカフェで出会ったらしい。カフェで出会うってどういうことか気になったので聞いてみると、そこの店主がいろんな人をつなぐ感じの人だったらしい。隣に座っている人を勝手に紹介したりして、関係性が広がっていくみたい。そこで出会って、代々木公園でのピクニックイベントを企画するなど徐々に仲良くなっていったんだとか。でもそれで関係性が長く続くのもすごいなと思ったら、2人ともこだわりが強いことだけはどうやら共通しているらしい。まぁ確かに納得だ。
先月ぶんじ寮を退去した方が家へ帰る途中に遊びにきた。彼は”国分寺の投票率を1位にプロジェクト”を進めている。候補者にインタビューに行ったり、現状をしっかり分析したり、これからクエスト的なことも考えているそう。選挙期間になったら、本と公園に選挙ゾーンを設けようという話になった。他のプロジェクトとのコラボ的なことは初めてなので楽しみだ。
散歩中の老夫婦。「これは何ですか?」と声をかけられた。屋台が出ていたからアイスを売っているのかと思ったらしい。確かに「アイスを売ってるかと思った」という声は今日で3人目だ。夏はアイスを売るか。男性の方は新潟によく行っていたとのこと。五泉の質の良いセーターが中国産の安いものに圧倒されていてその再建のために五泉に来ていたらしい。他には今治のタオルとかも担当したようだ。「頑張ってくださーい」と言ってくれた。
近くで遊んでいた小学1年生の少年がお菓子をくれた。突然こっちに走って来たので何かと思ったら「はい!あげる!」と言ってクッキーを差し出した。びっくりしたが、ありがとうと言って受け取る。なんで持って来てくれたのか気になるところだが、それを聞くのは野暮な気がした。お返しにと何か探すが、友人が描いてくれた本と公園のイラストをラミネートしたしおりとステッカーしか持っていなかった。どっちかいる?と聞くが、「何もいらないですよ」と言って走って帰っていった。その子は兄弟2人とお母さんと来ていたようだが、自分で持って来てくれたのか、お母さんか誰かに言われて持って来てくれたのかはわからない。ただものすごく尊い瞬間だったことは事実。その子に良いことが起こりますように。
福島県葛尾村でのインターンシップで知り合った後輩が2人来てくれた。
最初は若い人が2人通りかかったな〜と思ったら、カメラを構えながら勢いよく折り返してきた。びっくり。差し入れで一口サイズのチーズケーキとシュークリームを持って来てくれたので、一緒に食べながらお話。近況報告やその他諸々しゃべってお別れ。わざわざ大学の授業終わりに来てくれたらしい。地域通貨「500ぶんじ」を渡した。遠いところから時間をかけて来てくれたのは嬉しい。時間かけてくれたんだなとか予定調整してくれたのかなとか差し入れも甘いものが好きということを考えて持って来てくれたのかなとか色々考える。
夜に打ち合わせがあったので撤収しようとすると自転車に乗ったおじいさんが来た。近くで伝統米の赤米を育てているらしい。明日近くの小学生が植えに来るからその準備をしていたんだとか。「いいとこ見つけたね〜、木陰でいろんな人が来るし。いい目の付け所だよ」と笑っていた。陽気なおじいさんだ。今度畑にお邪魔しよう。
そして打ち合わせの時間が近づくなか、さらにもう1人、犬の散歩中の女性が話しかけてくれた。さっと概要を説明するが、「目的はなんなの?」と聞かれる。別に構わないし、気になったから単純に聞いただけかもしれないが、何か行動するのにそんなに目的が必要だろうか。目的がないものは悪なのだろうか。そんな余白は許さないのだろうか。まぁ別に良いのだけれど、全体の風潮として目的的になり過ぎているような気がした。
屋台がグレードアップして初回。なんとなく感触は良い。
自分が楽しいと思える活動をすること、それを工夫をこらして仕事にすること、頑張ってみたい。
次回は6月8日(水)10時ごろ〜夕方まで。武蔵国分寺跡にて。差し入れは大歓迎。
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