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Noteというツールの意味

「お願いです、退院させてください」
なぜ、私がそこまで退院したかったのか。
理由はただ一つ、お金がなかったからだ。私は我も忘れて泣き続けた。
ヒカオさんのnoteを読ませていただいた。衝撃が走った。

どこかで、少し似た文章を思い出した。オリバーの一節だ。
Oliver cried lustily. If he could have known that he was an orphan,
left to the tender mercies of church-wardens and overseers,
perhaps he would have cried the louder.

作中でオリバーは幸運をつかみ、noteの力もあってヒカオさんも作家になられた。しかし、オリバー以外の孤児たちの運命が変わることはなかった。
黙して語ることのない多くのヒカオさんが日本の各地におられるだろう。

マスメディアは驚くべき情報を日々伝えてくれる。
けれど、慣れ切った感性にそれはもう届かない。
が、noteに書かれたこの未検閲の生の文章は心に痛みを伴って刺さる。
感性の鈍った私のでも刺さるんだから、この鋭い発信は夜空の奥に届いた。
誰でもが情報発信できることは、発信者のみならず社会にとっても危険だと
する考えもある。
しかし、誰でもが発信できることは、やはり大切だ。
今、社会インフラの維持が過疎地で大きな負担になっている。
もし、橋の数が減れば、多くの村が地図から消えることになるだろう。

若者たちのは、特に豊かでない若者たちは孤独だ。
けれど、noteには、心細げではあるけれど、確実な吊り橋が架かっている。
ここを渡れ。



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