西田 約使

フラフラしている松坂世代の男が、徒然なるまま書いています。よろしければ。

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最近の記事

2017旅行記その18:生活感に触れる

この日は特に予定を入れることもなく、次の目的地を決めることから始めた。アメリカでいえばNASAのケネディスペースセンターは最後まで悩んだし、今でも機会があれば行ってみたい。しかしこの旅では、カナダはだいぶ節約したものの、アイスランドからアメリカという物価の高い国で、しかもツアーに参加した分だいぶ予算を使ってしまったので、そう長居はできない。明日メキシコへ移動することを決めて、宿や飛行機を手配。それから、溜まってきた洗濯物を片付けるべくコインランドリーへ。 当初ネットで調べた

    • 2017旅行記その17:偉大なる渓谷へ

      約7000万年前に隆起した大陸を、約4000万年前からコロラド川が侵食し続けることでできた壮大な渓谷。積み重なった地球の歴史を目の当たりにできる場所として、私にとってグランドキャニオンはアメリカ観光で外すことのできない場所だった。ただし、ラスベガスから車で5時間くらいかかる場所なので、今回もツアーに参加。この日はグランドキャニオンの夕日を狙う旅程なので、アンテロープキャニオンの時のように早朝じゃないのは助かった。 まずは映画「カーズ」の舞台のモデルとも言われる町セリグマンへ

      • 20220718

        以前書いた記事が2021年の10月になっていたことに驚き、この間の9ヶ月を思う。確かに仕事は徐々に忙しくなっていき、残業や休日出勤が当たり前になってきた。それは、noteを放置しているわかりやすい理由になっていた。 2022年7月。仕事もひと段落し、定時で上がれる日が続いているにもかかわらず、今日まで何も手をつけてこなかった。わかりやすい理由を失っても、他の理由を見つけることは容易い。現状維持でいいのなら、がんばることなどないのだから。 それでもなお何かを成しとけようとす

        • 2017旅行記その16:大自然の国アメリカ

          深夜なのか早朝なのか、よくわからないままアラームに起こされて、何とか集合時間には間に合った。日本人向けのツアーなので、ガイドも参加者も全員日本人。時期的に春休みなので、家族での参加だったり学生らしき若い人が多かったような気がする。そんな中、今回も私は一人ぽつねんと参加。こちらはもう慣れたので特に意識しなかったが、周りの方が気を遣ってくれていたのかもしれないな。 この日最初に向かったのはアンテロープキャニオン。鉄砲水が生み出した地形ということで、現地に雨が降ってなくても上流で

        2017旅行記その18:生活感に触れる

          2017旅行記その15:グラウンドゼロからラスベガス

          ニューヨーク最終日は生憎の雨。だが、どうしてもこの街から移動する前に行っておきたい場所があった。 2001年9月11日。当時大学生だった私は、夜更かしするのが当たり前の日々を送っていた。その日も深夜になってから風呂に入り、上がってリビングへ行くと存命だった父がいつになくシリアスなトーンで「大変なことが起こった」と一言。テレビでは、現実感のない飛行機の突入シーンが、繰り返し流されていた。しばらく二人とも無言で画面を見つめていたことを、そして漠然とした、しかし大きな不安を感じた

          2017旅行記その15:グラウンドゼロからラスベガス

          20210724

          ふと、夜なのにアイスコーヒーが飲みたくなって、ちょっと家から離れているが500mlのペットボトルが100円の自販機まで行くことにした。昔からそこまでカフェインで眠れなくなるタイプじゃないから大丈夫だろう、なんて考えながら玄関を出て、しばらく歩くと妙な違和感が。何だろう、と思いながら自販機の前に立つと、そこにはマスクをしていない自分の顔。結果的に人とすれ違うことはなかったが、うっかりマスクなしで外出してしまっていたのだった。 この前マスクなしで外出したのはいつだろう。思い返す

          2017旅行記その14:現代美術とは

          この日はゆっくり起きて、昼前に宿を出発。まず向かったのは国連本部ビル。その当時から異質な大統領であることは分かっていたので、ちゃんと協調できるところは協調して欲しい、という願いも込めて。周囲には各国の大使館もあるエリアで、マンハッタンにしては落ち着いた雰囲気だった。 そこから歩いてMoMAへ。ゴッホやルソーはまだ美術と思うのだが、正直キュビズム以降のピカソの良さはわからない。ウォーホルのスープ缶も、仕掛けとして面白いとは思うが、美しいかと聞かれるとそうは思わない。一見して何

          2017旅行記その14:現代美術とは

          2017旅行記その13:メトロポリタンづくし

          確か「みんなのうた」で最初に聞いたのだと思う。大貫妙子さんの「メトロポリタン美術館」が、実物を目の前にして頭の中に鳴り出した。「タイムトラベルは楽し メトロポリタン美術館」とよくわからず歌っていた子どもの頃には、実際にここまでやってくるなんて想像もしていなかった。 しかし、感慨に耽っている時間はあまりない。この日は行きたい場所がたくさんある。というのも、メトロポリタン美術館というのはセントラルパークに接している本館以外に、クロイスターズとブロイヤーという2つの別館があり、同

          2017旅行記その13:メトロポリタンづくし

          2017旅行記その12:「移民」の意味

          アイスランドよりマシだと思っていたが、ニューヨークの春は結構寒い。ただ、ホテルのテレビでやっている天気予報の気温は全て華氏で表示されるので、摂氏に慣れている私にはその日の気温がどんなものなのかの想像が全くつかない。単位ひとつ変わっただけで、こんなに意味不明になるとは思わなかった。真剣な顔をしていたからだろう、同じように朝食を取りに来た男性から「何かあったの?」と聞かれてしまった。ただ頭の中で、何とか数字を変換しようとしてただけなのだが。 この日はニューヨーク観光の定番中の定

          2017旅行記その12:「移民」の意味

          2017旅行記その11:ニューヨーク、ニューヨーク

          ニューアーク空港からマンハッタンへは、電車で向かうことに。ニュージャージートランジットという電車に乗るのだが、切符を買うとQRコードが印刷されてくる。改札を通る人を見ていると、どうやらこのQRをスキャンさせないとホームへ入れないようなので、同じようにやろうと思ったら目の前の人が上手くいかない。大きなスーツケースを引いているアジア系の男性だったので、おそらく慣れていないのだろう。私も初めてだが、ジェスチャーでQRを指してからスキャナに当てたら理解してくれた。これで私も旅慣れた感

          2017旅行記その11:ニューヨーク、ニューヨーク

          字のきれいさと仕事の出来具合

          3月末で退職された方がいる。私とは部署が違うのであまり接点はなかったのだが、それでもなかなかの評判が聞こえてくるほどで、それを踏まえるとこの仕事には向いてなかったのかな、というのが正直な感想だ。新型コロナの影響が続く状況で、また新しく仕事を探すのは大変だと思うが、向いていない仕事をやり続けるのは非生産的だとも思う。新たな職場でのご活躍をお祈りしたい。 その方がサインした書類を見たことがあるのだが、きっちりした字を書く人だった。基本的に字をしっかり書く人は仕事もできる、と思っ

          字のきれいさと仕事の出来具合

          2017旅行記その10:グッゲンハイムを知らない男、ニューヨークへ

          約一週間過ごしたアイスランドともお別れ。来た時はすごい吹雪だったよな、と思い出しながらケプラヴィーク国際空港行きの送迎バスに乗り込む。次この地へ来れるのはいつになるだろう。そもそも、また来る機会なんてあるのかな。カナダを出国した時とは違う感傷が、妙に新鮮だった。 例によってSkyscannerで格安航空のチケットを手配したので、荷物が規定から少しはみ出してしまった。元々機内持ち込みできるサイズのバックパックのはずだが、利用した会社はもう一回り小さいバックまでしか持ち込めない

          2017旅行記その10:グッゲンハイムを知らない男、ニューヨークへ

          2017旅行記その9:モコモコの馬と温泉

          痛む左腕を抱えながら、この日はレイキャヴィクから牧場へ。アイスランドで生きている馬は、いわゆるサラブレッドより小柄で、体毛が長い。この極寒の地で生きていくための進化を、まざまざと見せつけられた感。こうやって生物は環境に適応していくんだな。希望者は乗ることができたので、騎乗して列の一番後ろにくっついて行ったのだが、雪の中をものともせずに走っていく。モンゴルのような草原を馬に乗って駆けるのも気持ちいいだろうが、真っ白な大地の上を進むのも気持ちよかった。人間は馬のように毛が生えてな

          2017旅行記その9:モコモコの馬と温泉

          クリスマスの魔法が切れた時

          ふと、自分がクリスマスを信じなくなったのはいつだったかな、と思って記憶を辿ってみたが、はっきり真実を知った瞬間があったようにも思えない。小さい頃はそれこそ大きな靴下を用意していたし、何とか正体を見ようと子どもなりに頑張って夜更かししてみたが、結局寝てしまったり。そんなことをしていた記憶はある。 多分小学校へ通いだし、友達とサンタを信じる信じない、みたいな話から自然と認識していったのだと思う。でも、サンタがいないと知って衝撃を受けた記憶もないので、その頃には薄々勘づいていたの

          クリスマスの魔法が切れた時

          2020年はマスクの1年

          歳を重ねたせいか、口元が緩くなってしまったような気がする。今までなら考えられないようなこぼし方をするし、飲み込むタイミングもずれてむせてしまうことが増えた。いつまでも同じ体ではないのだ、と実感するし、今の体と向き合うしかない。 誤嚥性肺炎の重大さなんて今まで意識したこともなかったが、こういうズレが徐々に広がっていって、入っちゃいけないところにバイ菌が入ってしまうんだろう。特に喉の鍛え方なんて知らないので、今できることは落ち着いて飲み食いすることくらいだろうか。 先日も職場

          2020年はマスクの1年

          2017旅行記その8:大地の歴史を感じた後、負傷

          スナイフェルネス半島ツアー2日目。この日は溶岩が流れた後にできたヴァッツへトリルの洞窟へ。細い階段を降っていくので、地下へ進んでいるのに高いところと同じように足がすくむ、という不思議な感覚を味わいつつ洞窟の床までたどり着くと、予想以上に広い空間が横たわっていた。 洞窟自体は、火山活動でできたもの。地球の長い歴史の中で、偶然が重なって生まれた空間だ。何千年もの間変わらずあり続けるものに包まれるなんて、そうそうできる体験ではない。ガイドさんの指示に従って全員のライトを消すと、洞

          2017旅行記その8:大地の歴史を感じた後、負傷