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すすって良いのは日本蕎麦だけ

最近の若い人は、麺類=すする物という図式を持っているのか、うどんもラーメンもすすって食べる。これは私のような高齢者から見ると凄く嫌な気分になる。

逆に高齢者は高齢者で(私は絶対にやらないが)、パスタを焼きそばのようにモグモグ食べる御仁もいるので、どっちもどっちなのかも知れないが、私は蕎麦(正確に言うと盛り蕎麦/ざる蕎麦)以外は間違ってもすすらない。

うどんもラーメンもすすらずに食べるし、ましてやパスタに至っては、ちゃんと一口分だけフォークに美しく巻き付けて、一口でパクリと食べる。これが礼儀であろう。

かつ間違ってもパスタを食べる時にスプーンを使うなどという邪道はしない。そんなことしたら、世界から笑われてしまうだろう。あれはチャントしたフォークと皿の使い方を知らない、未熟な赤ちゃんや幼子の食べ方だから、良い大人がそんなことをするのは恥ずかしい。

日本蕎麦の食べ方を講義する気はないが、簡単におさらいすると、蕎麦を蕎麦つゆに浸すのはNGで、蕎麦の先っぽだけチョット蕎麦つゆにつけて一気にすする。ただこれだけであり、これが美味い理由は科学的に証明できる。

野暮に中学校の理科で習ったパスカルの原理を持ち出すまでもないが、簡単にいうと液体を張ったコップに細いストローを差し込むと、大気圧の関係でストローの中の液体の方がコップの中の液体の位置より上昇する。太いストローと細いストローの2つを比較すると、コップより太いストロー、太いストローより細いストローの中の液体の位置が上になる現象は誰でも知っている。

蕎麦つゆは濃い味付けなので、蕎麦をどっぷり浸すと不味くなる。細長い蕎麦の先っちょだけをつゆに浸すと、パスカルの原理で蕎麦と蕎麦の間につゆが気圧の関係で登って来て、それを上から一気に吸い込む(=すする)と、ストロー現象のように多少のそばつゆも一緒に口の中に入り丁度良い味になるのだ。そして蕎麦の良い香りが鼻から抜けて、喉につるりと入り込むので「旨い!!」となるのである。

これは、立ち食い蕎麦や安価な大衆蕎麦屋だと、蕎麦の中に入れる小麦粉の割合が多すぎるので柔らかく、ストロー効果が薄れるので美味しくない結果になる。ましてや小麦粉だけで作られているうどんや、ラーメンや、パスタは完全にすすってはイケナイ食べ物であると科学的にも言えるのだ。すすったが最後、つゆが飛び散って服を汚し、味も美味しくなるハズがない。

ちゃんとした日本蕎麦であればすすっても良いが、そうでなく、ましてやうどん、ラーメン、パスタ、焼きそばなどの、蕎麦以外の麺類はすすってはいけない理由がちゃんとあるのに、Youtubeの影響なのか、若い人らが麺をすするのは観るのも耐え難い、痛々しい行為としか思えない。

Youtubeなら見なければ良いのだが、ラーメン屋に入って、隣近所の席でズルズルすすられるのは音もウルサイし、汚い食べ方だし、それを何も知らない外国人が真似をしないように、即刻辞めて正しい日本文化を広めて欲しいと思うのは私だけだろうか?
#note   #エッセイ   #高齢者   #フリーター   #役立たず
【記】やく・たたず(屋久 佇(竚))


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