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山を知らなかった長野県民の話⑦~屋久島上陸!!!~

 「屋久島 天気」で検索しまくり、トレッキングツアーが中止にならないよう祈り続けたことが功を奏したのか、ツアー当日は荒れた天気にはならなそうだった。

 ついに、出発当日!!!

1日目 関東→鹿児島へ移動
2日目 鹿児島→屋久島へ到着
3日目 縄文杉トレッキング
4日目 屋久島→鹿児島へ戻る

 という行程。ちなみに4日目で関東に戻っていないのは、更に西日本で旅を続けたからです。

私が選んだ屋久島への行き方は以下のような感じです。
お金はないけど暇だけは持て余してる大学生、
時間がかかろうがなるべく値段を抑えて行ける方法を探しました。


○成田空港→鹿児島空港
ジェットスターというLCCの飛行機 9,000円前後
○鹿児島空港→鹿児島中央駅
空港から出ているシャトルバス 1,300円
○鹿児島中央駅→鹿児島港
徒歩30分程度。もちろんタクシーやバスならもっと楽です。
この間に繁華街があるので、そこのカラオケ屋さんで一泊。
○鹿児島港→屋久島
フェリーで4時間程度。3500円(学割料金)

長旅の荷物と登山道具をなんとか機内持ち込みOKなサイズに収め、無事に旅立てることに胸をなで下ろしながら飛行機に乗り込む。

「9000円で鹿児島行けるなんてなぁ…ありがたいなぁ…」そう思いながらまどろんでいるとあっという間に鹿児島空港に到着する。

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鹿児島に降り立った際の感想「暑い」

 私が行ったのは11月。関東では肌寒かったが、こちらはうっすらと暑さを感じた。「ヒートテック着て来ちゃったよ…」そう思いながら空港から窓の外の景色を見やる。

 遂にこんなところに来てしまったなと思った。ついこの間まで、ひきこもりオタク街道を邁進していたのに、初めて自分で飛行機を予約して、友人や家族とも来たことがない場所に、山登りたさに来てしまっている。

 屋久島の予習はしてきたが、正直鹿児島については全然下調べをしていなかった。この時点での私の鹿児島に関する知識は、鹿児島ラーメン、さつまいも、西郷隆盛、桜島、そして、ゆきりん(当方AKBファン)。

 空港の外観を撮影した後、シャトルバスに乗り込む。しばらく走ると車窓からは桜島が見えた。「桜島ってこんなにでかいの?!!!」と心の中で叫ぶ。予習していない分、いちいち新鮮で感動。桜島の迫力に最初からクライマックス。

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 鹿児島中央駅に着く。思ったより遥かに繁華街だった。若干乗り鉄でもあったため、とりあえず鹿児島の路線図を撮りに行く。本当はJR日本最南端の駅なども行きたかったが、時間的にかなり慌ただしくなりそうだったので断念。

 そこで、数少ない鹿児島知識の一つ。鹿児島ラーメンを食べようと、駅前でとにかく検索しまくった。ギトギトでコテコテなやつを食べたかったため、私が選んだラーメンがこちら!!!!

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満足!!!!!!!!!!

 食べ終わるとしばらく周囲をうろつく。そして、長めに夜間のフリータイムを実施しているカラオケを発見したためそこで一晩過ごすことに。明日に備えて早めに寝るつもりだったけれど、旅に来ているという高揚感ですっかり曲数を重ねてしまい………。ウン時間経ち、いい加減喉も枯れてきたためソファに寝転がる。そして、うとうとしてきた真夜中……

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ガタガタと揺れを感じて目を覚ました。「じ、地震……?」

 そんなに揺れは大きくないとはいえ、全く知らない地での揺れは不安になる。思わずTwitterで「鹿児島 地震」と検索した。しかし、全く引っかからない。どんなにローカルな場所での地震でも、Twitterで検索すれば大抵引っかかるのにおかしいな…と思い、思考を巡らす。そして、一つの考えが浮かんだ。

「まさか…噴火か……?」

 私の数少ない鹿児島知識の一つ、桜島。さっきも見たデカいやつ。慌ててTwitterで「桜島 噴火」と検索する。すると見事ヒット、ご丁寧に噴火の瞬間の映像まで出てきた。

 噴火に慣れていないため慌てふためく私。噴火と聞くと、御嶽とか浅間とかが浮かんでしまう長野出身の血。「え…避難するの?てか明日フェリー出るの???ここにいて大丈夫??え???」と寝不足の脳内で焦る。しかし、Twitterの鹿児島県民が特段慌てている様子はない。カラオケ屋の店員が「避難してくださーい」と言いに来る様子もない。

 そういえば、ゆきりんが”火山灰”というソロ曲を出していた気がする。この街の人にとって、噴火は日常的なことなのかもとこの時察した。「頼むからフェリー出てくれよ…」と祈りながら眠りについた。

早朝の鹿児島市街地を港に向かって歩く。徐々に白んでいく空に、桜島から上がる煙が立ちのぼっていた。


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文字だらけの青看板を見ながら、海へ近づいていく。そして、フェリー屋久島2と書かれた船を見つけた。

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フェリーを見つけた時の感想「思ったよりでかい」

 フェリーの待合室でNHKの天気予報を見ながら、明日のトレッキングツアーに思いを馳せる。時間が来るとチケット窓口が開く。

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屋久島行」と書かれたチケットを手に、フェリーへ乗り込んだ。

 コンセント争奪戦に負け、スマホの充電は出来なかった。「まぁいいや…景色を楽しもう」そう思ってフェリーのデッキへ出る。

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 朝日が昇り、徐々に離れていく鹿児島の街並みと、陸から見ていた時よりも近くにある桜島。そのどれもが綺麗で、とにかく何枚も写真を撮った。しばらくそのまま海の波しぶきや潮の匂いを感じていた。

しばらくすると、富士山のような美しい円錐状の山が目に入った。慌ててスマホを取り出し、Google MAPでGPSをONにして調べる。それは、”薩摩富士”の異名をもつ「開聞岳(かいもんだけ)」だった。その山は日本百名山の99番目の山だと後で知る。

 薩摩半島の南端にあるという立地ならでは、海からそびえる円錐形の山。その美しさに「絶対あの山行こ…」と心に決めた。

 フェリーの乗船時間は4時間。景色を楽しんでも余りある時間。船内に戻り、本棚から逃げ恥を数冊レンタル。お菓子のカールを売店で買い、食べながら読んだ。まさか旅先でこんなオタク的な欲求まで満たされてしまうとは。とっても充実した船旅だった。

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 漫画も気が済むまで読み、船室でゴロゴロしているとアナウンスが入る。いよいよ、屋久島に到着した!

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ハイビスカスとガジュマルの樹に迎えられた私の感想
「超南国っぽい」

 宮之浦港のフェリー降り場には、明日のトレッキングツアーを主催する会社の方が来ていた。そこで明日のツアーの説明を受ける。予約内容の最終確認と支払い、持ち物、私が泊まるゲストハウスに何時に迎えに来てくださるか、コース時間はどれくらいか……など。

 お昼のお弁当も代わりに注文してもらうオプションも付けた。自分でゲストハウスやその周辺のお店に弁当を注文する旅行者もいるとのことだったが、私は当日気兼ねなくギリギリまで寝ていたい怠惰な旅人だったので迷わずツアー会社にお弁当の注文を依頼した。

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 説明が終わると、いよいよ屋久島観光開始。フェリーが島に到着したのが12時半頃。さすがにゲストハウスに直行するのは早いので宮之浦港周辺でお昼を食べようとウロウロした。一応、るるぶなどで目星をつけていたお店もあったが、当日の気分や定休日などの関係で迷いに迷い……

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海鮮どーーーーーーん!

 ベタ中のベタ…。でも口に入れた瞬間美味しすぎて、一人だったのに声出た。売店に併設されたレストランだったので正直あんまり期待してなかった。まじでごめんなさい。勉強不足でした。めっちゃ美味しかった。その魅力を私のブレブレカメラではカケラも伝えられてないことがまことに情けない。

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 宮之浦(みやのうら)とか栗生(くりお)という地名をやたら私が撮影しているのは、私が「水曜どうでしょう」という大泉洋さん出演の北海道の旅バラエティ番組のファンだから。その番組で、屋久島で24時間魚をとりつづけるという企画をやっていて、"宮之浦"”栗生”という地名がたくさん出てきていたので、実際に現地で見た瞬間に感動してしまった。

 写真を撮りまくっているとバスが来た。実は行ってみたかったカフェが宮之浦港と安房のゲストハウスの間にあり、バスに乗ることでその近くまで行ける。

 ちなみに、私の屋久島での交通手段はバス。1日目は宮之浦港~安房を移動。3日目は水曜どうでしょうの聖地巡りをするために長距離移動をすることになったため、”屋久島ゆったり満喫1日乗車券”を購入。2000円で1日バスに乗り放題になる。

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 値段にもよるけれど、運転できる人はレンタカーが良いんじゃないかな。よほど腕に覚えがある方以外はチャリで一周とかは考えない方が良いと思います(屋久島はでかい)

行きたかったカフェはこちら!!

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 タンカンケーキグァバジュース。とっっっても美味しかった。翌日が早朝から登山でなかったらもっともっとゆっくりしたかった。オーロラカレーやミートソース、かき氷など他のメニューも試してみたかったので、また屋久島に行くことがあったら絶対再訪する。

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 カフェを出てふと振り向くと、屋久島に連なる山々が目に映る。とても島にある山とは思えない。山と山を繋ぐ稜線はアップダウンが大きく鋭い。「縦走はしんどそうだ」と直感で思った(実際に縦走できるコースなのかは分からない)。この屋久島は”洋上のアルプス”という呼び名があるそう。それほどまでに本格的な山々が連なっている。

「山好きにはたまらない島だな…」と思わず声が出た。

ゲストハウスのある安房エリアにバスで到着。まずはチェックイン。女性専用の6人部屋を予約したが、運良く私以外の誰も泊まっていなかったため、部屋を一人で使うことができた。

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 とりあえず翌日のトレッキングの荷物を準備。ザックに必要な道具を詰め込み、明日着るウェアを整理する。

 次に、登山用具をレンタルしに、事前に予約しておいたお店へ向かう。まず、登山靴を試着させていただく。長旅の予定だったため、重い登山靴を履き続けるのは避けたくて現地でレンタルすることを選択した。靴下だけ持参した。

 更に、万が一足が痛くなったときのためにトレッキングポールも1本借りた。お店の方が「どっちも使えると便利だから」と言って、T字ストックの機能とI字ストックの機能を両方持ち合わせたハイブリッド型のトレッキングポールを貸してくださった。

そのまま周辺を少し散歩。

 昼食の海鮮丼、カフェでのケーキとすっかりお腹いっぱいになっていたこと、翌日にトレッキングを控えておりお腹の調子を崩したくなかったことから、特に外食はせずに安房エリアにあるスーパーで夕食のカップラーメンを購入。ついでにトレッキング用の飲料水や行動食(という名のお菓子)も購入。翌朝が3時台起床だったので、そわそわしながらも21時には消灯した。

 武者震い的なアレで(もしくは運動会前日は眠れない的なアレで)、すぐには眠りにつけなかった。しかし、「絶対に全行程歩ききりたいから!お願い寝てくれ自分!!!」という願いが通じたのか、いつの間にか意識を手放していた。


続く


※追記※
「なんでここの場面の写真がないんだよ!」と思われた方がいたかもしれません。実は、数ヶ月前にSDカードが破損し、昨年撮った写真の一部(というかたくさん)が復元不可能となってしまいました……。本当はへたくそなりにたくさん写真を撮ってたのですが…。なるべく文章で伝えられるよう頑張りますので、良かったらお付き合いください。

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