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2020年11月の記事一覧

【掌編小説】秋は巡る

【掌編小説】秋は巡る

11月。渓流。遊歩道。
枯葉を踏みしめる音。
紅く色づいた、大振りな木々を見ながら、
手を繋いで歩く父と子を見た。

余計な音は一切無い。
しん、とした空気をかたまりで吸い込むと、
木の板が少し軋む。

ちょろちょろと、水の音がしている。
2人の背中は、歩くたびゆっくりと揺れる。
息子の小さい歩幅に合わせるから、歩みは遅い。

私は彼らを追い抜かないよう、ペースを落として進む。よちよちと歩く男の子

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