#9北欧への旅/なるほど、これがデンマーク流?
せっかく、Yさんがロラン島までのディスカウントチケットを買っておいてくれたのですが、結局予定の列車に乗り遅れてしまったのと、スーツケースがすぐ手の届くところまで来ていることがわかったので、わたしたちはスーツケース追跡を優先することにしました。
Yさんはロラン島でわたしたちといっしょに1泊したら明日の夕方には帰られるので、とっても貴重な時間なのですが、快く追跡チームに加わってくれました。
コペンハーゲンの中央駅から空港までは列車でほんの15分ほどです。つい、数時間前にいた、見慣れた空港に3人で舞い戻ってきました。まずは、どこに行けばいいのかわからないので、空港内の一般的なインフォーメーションカウンターできいてみました。
Yさんはデンマーク語ができるので、心強いです。英語がかなり通じる国ではありますが、どこに行っても現地語より強いものはありません。
インフォーメーションカウンターでは、ルフトハンザ案件のロストバゲージなら、第2ターミナルのルフトハンザのカウンターに行ってみたらと言われました。
その途中で、Yさんがスカンジナビア航空のカウンターに座っている日本人女性をみつけて近寄りました。お知り合いのようです。空港で働いているのだから、なにかわかるかと思い、ざっくりと説明しました。こんなとき、日本語が通じるってありがたいです。
スーツケースはスカンジナビア航空のフライトに載せられて、ここに到着してはいますが、ロストバゲージの責任がルフトハンザのため、どんな手続もルフトハンザを通すことしかできないということがわかりました。
そこで、ルフトハンザのチェックインカウンターに行ってみました。
とはいえ、実際にはシェア便の横行する昨今なので、ルフトハンザのスタッフがいるわけではありません。ルフトハンザのサインがあるカウンターで事情を話すと、ルフトハンザ案件のバゲージのことならアビエーター(ルフトハンザが空港業務を委託している会社)に聞いて下さいとのこと。
奥にあるセブンイレブンの前に、ロストバゲージ用の受け取りをするための、バゲージサービス用ミーティングポイントがあるとのこと。そして、そこにはアビエーターと連絡できる専用の電話もあるからと説明を受けました。
つまり、この空港内の到着ロビーにあるバゲージクレームにMさんのスーツケースが届いているのに、飛行機に乗って到着したお客以外は、その場所に逆から入ることはできない仕組みなので、ミーティングポイントがあるようです。
てっきり、空港の係員の誰かにいえば、スーツケースのある場所に連れて行ってくれるか、誰かが持ってきてくれるかと思っていたのに、ことはそう簡単ではなさそうです。
みつけました。バゲージサービス、ピックアップミーティングポイント。
この電光パネルの説明を読んでみると、アビエーター(AVIATOR)のバゲージ受け渡しサービスは、1日のうち、10:30, 17:00, 20:30の3回のみで、そのアポイントをとるための電話連絡は午前10時から夕方の4時でおしまいとのこと。
時間は6時半をまわっていました。つまり、電話で連絡をとりたくても、4時までしか繋がらないので、20:30分の受け取り時間があっても、アポとりの連絡が今日はできないのです。
スーツケースが目と鼻の先にあるというのに、そして、わざわざ貴重な時間を使って駅から引き返してきたのに、Mさんのスーツケースの受け取りはこの日は不可能ということが明らかになったのでした。お客にこれだけの不便をかけておいて、この仕打ち。
電話は4時まで!!!なんだこの冷たい対応!!怒!
しかし、ここでストンときました。
これが働き方改革には必用なのかな?と。😁
デンマークって、生産性の高い国で知られています。無駄に残業しない国です。
「デンマークではね、4時ぐらいにもなれば、働いている人がみんなさーといなくなっちゃうんです」
っての聞いていましたから、はは〜ん。コレだな。
お客さまに不便をかけないを徹底している日本でなら、あり得ない冷たい対応を平然とやってのける、この仕打ちこそが北欧流?かしらなどと、勝手に推察してしまいました。
つまり、働く人が早く帰宅するためには、そこから生まれる不便はお客でさえも許容していかなければいけないということなのでしょう。
結局、せっかくロラン島に着く時間を送らせてまで優先したスーツケースゲットは、失敗に終わりました。今日の受け取りは不可能とわかったあとは、さっさと前に進め!!です。
ロラン島のホテルも予約してあるので、今日中に着かないと!!で、再び空港駅からコペンハーゲンの中央駅に戻り、ロラン島に向かう列車に乗り込みました。
まずは中央駅からNykøbing F という駅まで行き、そこからかわいいローカル線に乗り換えてMaribo が目的地です。
マリボーに着くころには、どこのお店ももう終わっているからと、列車の中で食べられるサンドイッチを買って、3人で列車に乗り込みました。
わたしにとっては、4時間ほど前に会ったばかりのYさんなのに、空港、中央駅、空港、中央駅を繰り返しているものだから、なんだかもう、何日もいっしょに過ごしているような錯覚に陥っています。
日本人女性3人組が出会ってから4時間あまり、ずっとスーツケースの追跡ごっこで翻弄されていて、あっち行ったり、こっち来たりなのですから。まるでコメディ映画を演じているみたいです。
わたしたち、なにやってんだろうね?おもしろ過ぎません?なんて笑いたおしながら、おしゃべり止まりません。
旅先で、そこに暮らす人と過ごせるってほんとうにステキなこと。旅を何倍にもおもしろくしてくれます。ツーリスト目線では知り得ないことをいろいろと教えてもらえるからです。
特に、Yさんはデンマーク文化研究家として、いろんな媒体でデンマークのことを伝える仕事をされているので、洞察も深く、幅広い視点をお持ちで、話題も豊富です。
列車の中ではお互いの近況やら、デンマークについてのあれこれなど、根掘り葉掘りはノンストップ。
おしゃべりしているうちに、あっという間の2時間の列車旅でした。
当初の予定よりも3時間も遅れてしまいましたが、ロラン島のマリボー駅(Maribo)には、会いたかった朋子さんが迎えにきてくれていました。
訪ねてみたかったロラン島に無事着けて、バケットリストひとつ達成!!
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