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#18北欧への旅/アムステルダムから無事脱出できるか?

とっさの判断でしたが、スマホ画像のグリーンカードで咎められることなく乗れました。心の中で、ガッツポーズしながらMさんに手を振りました。

Mさんのスーツケースは結局、日本に送り返されてしまいました。旅の間じゅう必要だったものが使えなかったのですから、かなりの損害です。そもそも彼女が支払ったバカ高い航空運賃にはバゲージ代も含まれているわけですからそれなりに損害賠償をしてもらわなければたまりません。彼女も家に帰ると、旅行保険や航空会社への損害請求などで忙しいことでしょう。

人生初の女友だちとのふたり旅はほんとうに楽しかった。Mさんありがとう。

さてさて、コペンハーゲンからアムステルダムまでは1時間半ほどのフライト。それでもスナックと飲み物が出るので、コーヒーを飲みながら乗り継ぎ便に乗せてもらえない場合の対策を考えようと思いました。

アムステルダムには40年以上も前の学生のときと、5年前と2度訪れたことがあります。州立大学の教授だった夫がアムステルダムのコンファレンスに参加した2017年に、夫と行った場所を思い出していました。

もし足止めとなれば思い出の場所を巡るのも悪くないな、などとのんきに想像しはじめた自分に思わず苦笑してしまいました。お金もカードも盗られているというのに、観光なんかできるわけないやんと自分が置かれている状況を思い出して、どこまで図太くメデタイのかと自分に呆れました。鈍感力高めのようです。

たぶんその場合は、アムステルダムの米国大使館でアポイントをとり、搭乗許可となるボーディング・フォイルを発行してもらわなければいけないのでしょう。最悪そうなったとしても必要な書類は全て完成していて手元にあるのだから、何とかなるな……。

……いろいろとシュミレーションをしているうちに、アムステルダムに到着しました。

到着後、米国・デトロイトに向かう乗り継ぎ便ターミナルに移動しました。ここでEU以外の国際線に繋がる場所では顔認証とパスポートのチェックがありますが、グリーンカードは関係ないので無事通過できました。

デトロイト行きの飛行機に乗る前に、もう一度グリーンカードの確認があるかどうかはわかりません。ウンが良ければ、先ほどコペンハーゲンで最終目的地がデトロイトだからと、提示(画像だけど😁)したので、確認済みということでノーチェックの可能性もあります。

待っている間に、米国便搭乗前のセキュリティチェック係官がまわってきました。これは危険物などを持っていないか、いくつかの質問をして異常なしと判断されるとパスポートの裏に四角いシールを貼ってくれるだけのもの。

内面にやましさを抱えているわたし😅は、いつもなら何でもないこの確認にちょっぴりドキドキしました。

搭乗アナウンスが始まりました。

長い列ができてみんなが並び出し、次々と中に入っていくのでどんな感じか見ていましたが、多くはパスポートとボーディングパスのスキャンだけで、どんどん搭乗して行きます。

イケるかも……

わたしの番が来ました。パスポートとボーディングパスのスキャンだけで無事通過できました。

やった〜!!乗れた!!

機体のとびらが閉まったあとは、どっと疲れがでましたが少なくともこれで、アムステルダム足止めもなくなりました。デトロイトに着いてしまえばこっちのものです。いくらなんでも送り返されることはないでしょうから。

凶悪な犯罪を起こすリスクの少ない日本人だし、過去に移民局に睨まれるような悪事をはたらいたことはありません。調べれば州立大学の教授だった夫の配偶者として永住権を取得していることや家族も米国に在住していることなどすぐわかるし、怪しい情報は出てこないはずです。自宅には古いカードがしまってあるので、最悪タローに届けさせることもできます。

とはいえ、今有効なものを不所持なわけですから、空港のイミグレーション(出入国管理)ですんなり入国を許可されることは有りえません。オフィスに連れていかれることは織り込み済みです。

行きのフライトでは、映画も見えずで子守りをする羽目になったので、今度こそは空の旅をゆったり楽しもうと思いました。

今度、わたしの隣に座ったのは、インド人の青年でした。初めての海外、初めての米国行き、初めての飛行機で緊張していると話しかけてきました。ミシガン大学に留学することになった留学生だそうです。

これから未知の世界での暮らしが始まるから、不安でいっぱいだと言います。飛行機の離着陸さえ怖いと固まっています。彼の緊張があまりに伝わってきたので、「誰でも最初はそうだけど、すぐに慣れるからだいじょうぶよ」と励ましているうちに、だんだん会話がはずみました。

よく話す青年で、ミシガンのこと、大学のことなど、根掘り葉掘り心配ごとを質問してきました。カレッジタウンに住み夫や、娘や息子たちの大学生活を身近に見てきたのでわかることに答えているうちにすっかりうちとけ、到着するころには、「いろんな情報をありがとう。緊張もほぐれました」
とすっかり笑顔になっていました。

結局、ゆっくり映画鑑賞するよりおゃべりしていたような……😁
まぁいいか。

さて、着陸しました。

まずは、QPさんに
「無事着陸。イミグレーションでどんな展開になるかはまだわかりません」とメッセージを送りました。

さて、最後の難関に向かいます。

つづく


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