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【アラ還セカンドライフ#24】最初の失敗を糧に2度目の結婚は成功だったものの……

「子どもがほしいので結婚したい」31歳だったヤングQPさんの最初の結婚は、心に逆らったままに突き進み失敗に終わりました。

それから数年が経ちました。

最初の結婚の反省から、次に好感をもった女性は、タミーとはかなり違うタイプの女性でした。

最初のワイフは9歳年下でしたが、次の女性ドーン(Dawn)はなんと!14歳年下のシングルマザーでした。

ドーンと出会ったときには、QPさんと最初のワイフとの間の息子は6歳になっており、ドーンの息子も同じ歳だったために子どもたち二人はすぐに仲良しになりました。ドーンとは何かのパーティで偶然出会ったそうですが好印象だったので、知り合って数週間したときに、「結婚を前提とした交際が可能ですか?」とお伺いしたところ、彼女の答えは、「I am not sure. (わからない)」だったそうです。

QPさんが40歳目前、彼女は20代半ばですから、年齢差を考えれば躊躇することも頷けますから、QPさんはその答えを聞いて「Okay! わかりました」と簡単に引き下がったところ、しばらくしたら彼女のほうが前向きに考え直したそうです。

結局、1年半ほど付き合った後、メキシコのカンクンで結婚式をあげて、めでたく夫婦となりそれから21年間結婚生活が続きました。

👸「タミーとの失敗のあとだから、交際を申し込んだ時点で、“この女性なら”の確信が持てたわけね」

👶🏻「はい、タミーとは違うタイプだったので。今度は、子どもがほしい焦りもなかったから、最初に"I am not sure." と言われたときには、それなら仕方がない、可能性のない人と付き合うのはやめて次にいこうと思いました」

👸「あら、結婚前提に交際したいと思ったわりに、あきらめ早っ!“あなたなしの人生は考えられない、あなたなしでは生きていけない”とかの熱い恋愛感情がないのに、結婚してもいいと思ったわけ?」

👶🏻「ハッハッハ。一緒にいるときに心地よかったのと、二人の子どもたちの様子にとても満足できたので、結婚してもだいじょうぶと考えました。彼女のほうは、ボクが意外にもあっさり身をひこうとしたことで、逆に信頼を寄せはじめた気がします」

👸「あなたが簡単に身を引こうとしたので、失うことが惜しくなったのかもしれませんね。作戦成功でしたね。それにしても、わたしの夫とは真逆のあっさり度ね。わたしは、両親に反対されたので別れようと思ったのですが、夫はまるであきらめませんでした。19歳の学生だったときには、しばらく距離をとるのもいいと考えて、わたしは英国でのホテル研修に半年ほど行ったのですが、当時の値段で5000ドルほどの切符買って、夫は英国まで追っかけてきました🤣。現代ならストーカーです。最終的に夫が示す愛情にほだされた感じです」

👶🏻「ボクの場合は、可能性がないまま深入りして両者が傷つくことを避けたかったので、付き合いが浅いうちに、結婚を視野に付き合えるかをたずねました。もしダメなら、それはそれでしょうがないと思えました。それにしても、あなたの夫は心からあなたをモノにしたかったのですね」

👸「当時の夫には、米国で博士号を取得するという目標がありましたが、わたしと出会ってしまい、わたしの両親を納得させるために米国に戻ることをあきらめてわたしと結婚して日本で暮らす選択をしました。子どもが4人生まれて大家族となり、家庭がうまくいったあとではわたしの両親に気を使うこともなくなりました。25年後にミシガンに来たのは、その過去を取り戻すためでもあったのです。今、わたしがここで、あなたと出会えているのも、すべては夫の過去に繋がります」

👶🏻「あなたが今ミシガンで暮らしている背景には、そんな裏話があったのですね。あなたに出会えたのはあなたの夫のおかげですね。感謝しなくちゃ」

👸「2度目の結婚は、21年間幸せで良かったですね。でも、タミーやエイプリルの話のほうが、ドラマチックで聞く分には楽しかったワ。過去の話を聞けて、わたしも良かったです。チャットを始めてたったの2ヶ月だというのに、歴史を知ると親近感が増しますね。わたしたちの今は、過去の経験からできているので、より深くお互いを理解したいのなら、できるかぎり過去を知ることもたいせつだと思っています」

👶🏻「ボクもそう思います。あなたは話を引き出すことがとても上手です。無口なボクがこれほど過去をオープンにしたことはありません。こんな話を知っているのは21年間一緒だった元ワイフと若い頃からつき合いのある友人だけですよ🤣」

👸「過去の恋バナ聞けて、ほんとに親近感わいてきたし、あなたのパーソナリティもとても感じられておもしろかった。どうもありがとう。でも、言いたくないことは、言わなくていいのよ。それはちゃんと尊重できますから」

👶🏻「いいや、あなたとは、どんな過去も気持ちよくシェアできる気がしていますから心配いりません。これからも知りたいことがあればどんどん聞いて下さい」


2度目のワイフと21年間続いた結婚生活はそれなりに穏やかで、楽しかったエピソードも話してくれました。

それというのも、彼がとても温厚で尽くすタイプの男性だったからだと思います。21年間の夫婦生活は安定していて、元ワイフのキャリア変更のための大学での学び直しをはじめ経済的にも物理的にも常に支えてきたといいます。

そんな彼にとっては、青天の霹靂で「もう終わりにしたい」と告げられてショックだったとのこと。何より残念だったのは、事前に夫婦として話し合うこともなく、彼女のほうが一方的に弁護士を準備して離婚を持ち出してきたことでした。

2020年に彼は心臓のバイパス手術をしました。その回復を待ちうけていたかのタイミングだったそうです。保険のエージェントに彼女がキャリア変更してからは、ビジネスを通して一気に交友関係が変わり、政治的思想も求めるものも変わり、帰宅しない日が出てきたそうです。

ここからはわたしは想像です。

アラ還となった夫が大手術を受ける経験をしたことで、遠くない未来に夫の介護が頭をよぎったかもしれません。彼女はまだ40代半ばの女盛りです。一歩家の外に出れば、若いやり手のビジネスマン男性に囲まれる仕事ですから、彼女が若い男性に目移りしても不思議はありません。

話を聞いて、わたしにはどちらの気持ちもわかる気がしました。

20代半ばだったシングルマザーだった彼女にとっては、40になったばかりのQPさんは頼もしく見えたことでしょう。彼と結婚したことで経済的にも救われ、温厚な彼のやさしさに甘んじてそれなりに安定した結婚生活をおくることはできました。

それから20年が過ぎ、子どもたちは大人になり、彼女も経済力を身につけたわけですから、いくら温厚でやさしくとも老いていく男性に魅力を感じなくなるのも理解できます。そもそも、彼の話からすれば、二人は大恋愛の末の結婚でもなかったわけです。

弁護士を通して離婚の申し出があった時点で、彼女には意中の男性友達がいたようですから、QPさんとしては、彼女の意向に応じる以外に手立てはなかったそうです。

QPさんがはじめから「同年齢で価値観の合う女性」に拘った理由はここにあったのだと思いました。

彼自身に落ち度があったわけではなさそうなので、ワイフに対しての悔しい気持ちはあったと想像できますが、元ワイフに対する恨み、辛みなど決して悪くはいいません。

「21年間良い結婚生活だったけど、彼女との関係は終わった。ただそれだけだし、そう納得したからには振り返ることも未練もない」

ほんとうにできた人だと感じました。


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