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実例からマーケの原理原則が学べる『「あなたの知らない」マーケティング大原則』

プロダクトマーネージャーとして仕事する上で、ユーザー獲得の為のキャンペーン施策を企画したり、ユーザーは何を求めているのか知るために定量・定性リサーチを行ったりするんですが、今までマーケ関連の知識習得を怠ってきたがゆえに、なんとなーく我流でやっちゃってるな... まずいな... もっと先人の知恵を取り入れた方が質も上がるし効率もあがるよな...

と思って本書を手にとってみました。

元日本マクドナルドCMOで、現在はPokemonGoの開発元であるナイアンティックでプロダクトマーケティングを担当されている足立光さんの著書。業績不振が続いていた日本マクドナルドで斬新なキャンペーン施策を連発してV字回復に導いた立役者としてよく知られています。

マーケ初心者の自分でもスラスラ読めるくらい、とても平易な文体で書かれてました。「マーケティング大原則」なんていうから少し身構えて読み始めたんですが、いわゆる原理原則について触れつつも、必ず足立さん自身が経験してきたマクドナルドやP&Gなど世界的企業での成功実例も加えて説明してくれるので、とても理解しやすかったです。原理原則について小難しい説明ばかりなのは苦手... っていう人にはおすすめかも。

・マーケ施策を考えるときに想定顧客をどのようなセグメントに分けて考えると良いか
・ツイッター上でキャンペーン施策を行うときの注意点

など、かなり現場感ある実践的な解説も多かったので、すぐに実務に活かせるという点でも良書でした。

以下、本書から抜粋・コメントしておきます。

① ターゲット〈A : Audience〉 ② 消費者便益〈B : Benefit〉 ③ カテゴリー〈C : Category〉 ④ 差別点〈D : Point of Difference〉 ⑤ トンマナ(トーン&マナー)〈E : Emotional Character〉  この5つの要素を定義することによって、ブランドや製品・サービス、コミュニケーション、イベントなど、すべてのマーケティングを一貫性を持ちながら、効率的かつ効果的に考えることができるようになります。

足立さんが提案するフレームワーク"ABCDE"。これらを最初に固めておくと、製品開発からマーケティング・PRまで、ブレずに進行できる。

またマクドナルドの場合なら、カテゴリーを「サンドイッチ系のファストフード」とすれば、競合は「モスバーガー」や「KFC」となりますが、実際の競合はそうではありません。大きな競合は、コンビニや街の中華料理店、回転寿司などです。  子どもが喜んでくれて、リーズナブルな食事をしたいお母さんたちは、「今日は中華か、回転寿司か、マックか」、そんなふうに決めています。外食の中でのセグメントは違っても、間違いなく競合しています。ガッツリと食べたい一人客では、たとえば吉野家が競合になります。朝食では、営業している外食が少ないこともあり、コンビニが最大の競合になります。  つまり、カテゴリーや競合は、製品・サービスという提供側の論理ではなく、「消費者が何をどう選択しているか」という視点で決まる わけです。必ずしも同じような業態・製品・サービスではないものが実は競合している、というケースが少なくありません。JR東海が新幹線での帰省を訴求した「シンデレラ・エクスプレス」キャンペーンを企画した時に想定した競合は、飛行機や自動車ではなく、「電話(そもそも帰らないこと)」であったのは有名です。

Netflixは自社の競合を”睡眠”とゲームアプリの"Fortnite"と位置付けてる、という話と一緒。競合を近視眼的に見誤る失敗、ありがち。

考え方はものすごく単純です。打ち手を考えるときにどういうセグメンテーションで見たほうがいいか、ということだけ。要するに、「顧客の現在の状態から考えましょう」という、ただそれだけのことなんです。顧客の状態と、いろんなマーケティング施策の成果の関係を相関分析すると、大きく左右する差というのは、「製品・サービスを知っているか・知らないか」「使ったことがあるか・ないか」「どれくらいの頻度で使っているか」「今後、使いたいか」という4つの要素です。それを9分割で表現したのが9セグマップなんです。

個人的にはこの想定顧客を9つにセグメント化して考える「9セグマップ」が目から鱗だった。ユーザーリサーチで役立つ。

競合のキャンペーンと自社のキャンペーンを比較すべきでしょうか。答えは「ノー」です。 競合のキャンペーンは、見ないほうがいい分野 です。  キャンペーンは、競合との差別化も狙ってプランニングします。なので、相手のことを知っておいたほうがいいと思いがちです。けれども、成功している競合のキャンペーンをこと細かく分析してしまうと、つい、それをまねしたくなるものです。当たり前ですが、まねしたら差別化になりません。だから見ないほうがいいのです。

これは確かに、と思った。よく調査で他社キャンペーンを深く調べすぎてしまって、自社キャンペーンの企画も同質化してしまい、結局差別化されてないつまらないモノになっちゃう、ってやつ。やりがち。反省。

マーケティング担当者は、自分の好きなもの、あるいは自分がおもしろいと思ったり人々がおもしろいと言ったりするものについて、 必ず「それは、なぜ(おもしろいと思うの)だろう?」と考える癖をつける ようにしましょう。これは優秀なマーケターに共通する習慣だと思います。  自分が何かを買ったり見たりして楽しんだあとに、「何でこれを買ったんだろう?」「何でこれを見たんだろう?」と、客観的に理由を分析するのです。

日常生活をこういう目で見てみること、大事。

今は話題にならないと売れない時代です。ということは、 開発される製品・サービスの中に、最初からどう話題化するのかの要素を入れておくのがベスト です。多くの企業では、開発部が開発した新製品が「こういう製品です。どう売るかは任せます。製品は変えられません」という状態でマーケティング部にわたされて、「こういう要素が製品にあったら、もっと話題にできるのになあ」とマーケティング部や広告代理店が四苦八苦している、というのが現状ではないでしょうか。

これは共感が止まらないお話。製品やそれらを開発・販売する企業が無限にあってさらに増え続けていく現代では、話題化しないとユーザーには届かない、気づかれない、使ってもらえない。なので、製品そのものに最初から話題化される要素を組み込んで企画・開発することが必須。

メディアが格段に増えて広告に接する機会が増えた最近の若い消費者は、初めて製品・サービスの広告に接した時に、「私に関係ない」と感じてしまうと、以後、ずっと広告を「素通り」する(目の前に流れていても意識に入らない)傾向が強い です。その拒否反応を後からひっくり返すのはすごく難しいので、多面的な情報を発信する場合には、とりわけ最初のコミュニケーションに注意する必要があります。  まず「私に関係あるもの」と思ってもらわないと、その後にどんなに情報を提供しても、見てくれません。

最初の接点で、”自分に関係あるな”って思わせること。文言ひとつ考えるだけでも、この視点があるかないかで成果は大きくちがってくる。

なるほど、こうやって考えると良いのか、と色んな発見がある良書でした。足立さんの他の著書も読んでみたくなりました。そしてビッグマックが食べたくなりました。

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インターネット×金融領域でプロダクトマネージャーとしてお仕事をしながら、ボール蹴ったり音楽きいたりNetflix見たりポメラニアンを愛でるなどして生きています。

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