プロダクトマーネージャーとして仕事する上で、ユーザー獲得の為のキャンペーン施策を企画したり、ユーザーは何を求めているのか知るために定量・定性リサーチを行ったりするんですが、今までマーケ関連の知識習得を怠ってきたがゆえに、なんとなーく我流でやっちゃってるな... まずいな... もっと先人の知恵を取り入れた方が質も上がるし効率もあがるよな...
と思って本書を手にとってみました。
元日本マクドナルドCMOで、現在はPokemonGoの開発元であるナイアンティックでプロダクトマーケティングを担当されている足立光さんの著書。業績不振が続いていた日本マクドナルドで斬新なキャンペーン施策を連発してV字回復に導いた立役者としてよく知られています。
マーケ初心者の自分でもスラスラ読めるくらい、とても平易な文体で書かれてました。「マーケティング大原則」なんていうから少し身構えて読み始めたんですが、いわゆる原理原則について触れつつも、必ず足立さん自身が経験してきたマクドナルドやP&Gなど世界的企業での成功実例も加えて説明してくれるので、とても理解しやすかったです。原理原則について小難しい説明ばかりなのは苦手... っていう人にはおすすめかも。
・マーケ施策を考えるときに想定顧客をどのようなセグメントに分けて考えると良いか
・ツイッター上でキャンペーン施策を行うときの注意点
など、かなり現場感ある実践的な解説も多かったので、すぐに実務に活かせるという点でも良書でした。
以下、本書から抜粋・コメントしておきます。
足立さんが提案するフレームワーク"ABCDE"。これらを最初に固めておくと、製品開発からマーケティング・PRまで、ブレずに進行できる。
Netflixは自社の競合を”睡眠”とゲームアプリの"Fortnite"と位置付けてる、という話と一緒。競合を近視眼的に見誤る失敗、ありがち。
個人的にはこの想定顧客を9つにセグメント化して考える「9セグマップ」が目から鱗だった。ユーザーリサーチで役立つ。
これは確かに、と思った。よく調査で他社キャンペーンを深く調べすぎてしまって、自社キャンペーンの企画も同質化してしまい、結局差別化されてないつまらないモノになっちゃう、ってやつ。やりがち。反省。
日常生活をこういう目で見てみること、大事。
これは共感が止まらないお話。製品やそれらを開発・販売する企業が無限にあってさらに増え続けていく現代では、話題化しないとユーザーには届かない、気づかれない、使ってもらえない。なので、製品そのものに最初から話題化される要素を組み込んで企画・開発することが必須。
最初の接点で、”自分に関係あるな”って思わせること。文言ひとつ考えるだけでも、この視点があるかないかで成果は大きくちがってくる。
なるほど、こうやって考えると良いのか、と色んな発見がある良書でした。足立さんの他の著書も読んでみたくなりました。そしてビッグマックが食べたくなりました。