アトキンソン氏の著書を読むのは初めて。
私自身1995年生まれでして、生まれてこの方ずっと「失われた20年」やら「失われた30年」やらと言われており、全体的にとても暗い状況が続く日本で暮らしてきたわけですが、どうにかもっと希望を持てる国にできないものかなと考えることも多く、そのヒントを探るためにいくつか読んでいた本のうちの一冊です。
以下、本書から印象に残った点を抜粋・コメントしておきます。
語り尽くされたトピックではあるけど、あらためて日本の推定人口減少スピードを見ると恐怖。
第2次安倍内閣の労働参加率を高める政策は一定の成果を得たが、それも今は限界。これからは、労働生産性の方にメスを入れていく必要がある。
ふむふむ。
アトキンソン氏が本書で一貫して主張しているのは、日本経済衰退の原因、労働生産性が低い要因は、中小企業の多さとそれらへの労働力の集中にあるということ。(※読み進めるとわかりますが、小規模事業者やスタートアップ起業を推進することに反対しているわけではありません)
なるほど。女性活躍が進んでいないという課題が結果論であるという視点は新鮮。
中小企業の多さが国全体の生産性の低さを招いている構造は、スペインやイタリアと類似。
中小企業に対する過度に手厚なサポートが、逆に成長しないことへのインセンティブとなってしまっている現状。
数十年スパンで課題を捉えてかないといけない。
ある種のショック療法となるかもしれないが、労働生産性の改善のためにも最低賃金の引き上げは必須。
最低賃金の引き上げや中小企業向けの政策を見直すなど、生産性向上のために国ができることは山ほどあるなと思った一方、個人としては自分の仕事や関わるプロダクトを通して国の生産性向上の一助となれると良いなと改めて感じました。