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2.ロンドンに来る前に準備すべきこと

こちらの記事は前回の記事「1.ワーホリで暮らす前に意識しておきたいこと」(https://note.com/yagi_san/n/n0009cedd33b8)の続きとなります。

1.ロンドンで暮らす前に意識しておきたいこと
2.ロンドンに来る前に準備すべきこと ← 今回はこれ
3.ロンドンに着いたら注意した方がいいこと
4.ロンドンの滞在中にできるアイデアあれこれ

イギリスのYMS(旧ワーホリ)をもらえた?おめでとう!では何を準備する?

多分最初に考えるのが住む場所と渡航時期なんじゃなかと思います。

住む場所でいうと、私は成功談と失敗談があるので、ぜひ共有させていただきたく…。

どこに住むか、それが問題だ

まず、私の場合ロンドンは大正解でした。なぜなら多様性に富んだ大都市!自分が都会育ちであることもあり、すぐに生活になじむことができました。
ショッピングにも事欠かないし、ネタにも事欠かないし、トラブルも多いし(?)

そんなロンドン生活、ググればいくらでもブログは出てくるので今更記事にするまでもないと思ったのですが、話すと結構みんな喜んでくれるので、こちらに載せてみることにしました。

ロンドンを選んでよかったこと

「ロンドンの良いところは?」
この質問。ロンドンに住む地元民も外国人も、全員が異口同音に答えると思います。

答えは……

「Diversity!!!」

ダイバーシティ。多様性でしたっけ。
とにかく様々な文化的背景を持った人たちが堂々と1個人として尊重され生活できる場所。外国人もイギリス人も関係ない。
誰も特別じゃないし、誰も劣ってもいない。
文化にも言語にも優劣なんかないし、あなたの意見は尊重されるべき。

貧富の差が大いに激しい大都市でありながら、移民であろうと困っている人がいたら、ちゃんと助けの手が差し伸べようと努力している人たちが多い街。

そういう街がロンドン。

イギリスに長年住む友人が言っていました。
「ロンドンがパリと違っていいところは、大きな荷物を抱えて階段を上がっていると、絶対誰かが"May I help you ?"(お手伝いしましょうか?)と声をかけてくれるところだわね」

これにはみんな納得。さりげなくパリをディスっているところもポイントが高い。(ん?)

もちろん、ロンドンの貧困問題はかくも深刻で、少し前に国会議員が述べたところによれば、こんなニュースも。
国会議事堂であるビッグ・ベンの目の前のウエストミンスター駅でホームレスの男性が亡くなった。とても利用客が多い駅にもかかわらず、誰も彼が亡くなったことに気づかなかった。彼は飢えていて、食べ物とお金を求めていた、というもの。
国会議事堂の目の前でこんなことが起こるなんて、人間味のないひどいことだ、と多くの方が心を痛めたニュースでした。

ロンドンは他にも、外国人が多いので英語以外を学習するにも最適な環境です。私はマンダリン(共通の中国語)を勉強していました。
フランス語やスペイン語、ロシア語なども、コミュニティーにさえ混ざれば、どんどん吸収できるのではなかろうかと。

他に挙げるとしたら、交友関係の広さでしょうか。
外国人が多いということは、その人たちとお友達になれば世界中に友人がいるも同然ということ。
日本においで、とお誘いしたり、今度遊びに来てよ、と誘ってもらえることも。

国際的な感覚が会得できるのも、外せないと思います。
ロンドンにいる時に感じたのは、自分がどれだけ井の中の蛙だったのかということ。
国際的な感覚というのは、別に洋楽を知っていて歌えるとか、英語を上手に話せるということではありません。

日本では当たり前で意識もしなかったことが、一歩海を越えたら非常識なのかもしれません。
この点に関しては、思ったことをこちらに記載しました。

ロンドンに住むデメリット

ロンドンのデメリット。それは1にも2にも、物価高です。
ブレグジット(EU離脱)による価格高騰に、ロシアによるウクライナ侵攻による物価高が重なる、急激な物価上昇でイギリスに住む全員が悲鳴をあげました。

私がパンデミック以前に購入していたバターは£1(当時150円くらい)は、パンデミック中に価格が5倍に跳ね上がり、£5(当時750円くらい)に…!嘘みたいな本当の話。
tiktokやinstagramのリールでは、バターに盗難防止のセンサーが装着されるようになったことに戸惑ったユーザーが動画を投稿しバズっていました。

電気代やガス代も段階的に値上げを実施。結果、公共料金の金額は3倍4倍に跳ね上がり、頭がおかしくなってしまう人が続出。
※こちらに関しては実体験を記事にしました:https://note.com/yagi_san/n/nc28a1f8fbe07

イギリスでは会社により、公共料金を2か月ごとにWEBサイトからクレジットカードで支払う仕組みがあるのですが、値上げ直前に支払おうとする人々がWEBサイトに殺到。サーバーがダウンしてしまい、安いうちにギリギリで支払おうとしていた人たちは不幸にも値上がり後に支払う羽目に。

こうした公共サービスだけでなく、家賃も食材も全部値上がりしているので、今まで地下鉄で通勤していた人たちは少しでも節約しようと早起きして、比較的安価なバスに乗るように。
結果、バスは大いに込み合い、途中のバス停で人を乗せられず、バスに乗れなかった哀れな人たちが職場に遅刻するようになる始末。先日もバスNo.18という、メジャーな路線が常に人でいっぱいで途中駅で乗客を乗せるために停まってくれないと、BBCニュースが報じていました。

私が今まで目撃した中で最強にクレイジーだったのは、バス代さえケチりたいのか、それともただスリルを求めているだけなのか、バスの後方に捕まって道路を高速移動している車いすのおじさんがいました。危ないのは言わずもがな。

ロンドンではない地方都市の場合

田舎や町だと、ここまでクレイジーなことはない…はずですが、例えば中堅都市バーミンガムが財政破綻してしまい、公共サービスがグレードダウン、生活保護の人たちが迷い出てしまったりと、イギリス国内では生活上の問題は常に山積みです。
2024年2月16日のニュースでは、ついにイギリスが経済的な後退を始めたと大きく報道されていました。

住む場所を決定する前にぜひBBCなどのニュースを見ることをお勧めします。自分が住もうとしている場所はどんな場所で、過去にどんなやばいニュースがあったのかを確認すると役に立つかと。

私の場合、ロンドンの他に地方のヘイスティングスHastingsという町に住んだことがあります。この町はブライトンBrightonという都市の近くにある地方の町という感じ。お店は一通りあるので、生活には困らないけど、刺激が足りないかなというところです。
イギリスのブリテン島の南岸にあり、ロンドンと比べて、空気がきれいだったのでここに半年住むことになったのですが、相変わらずモノの値段は高いものの、ロンドンほどの物価高に悩むこともなく、ロンドンのようにジリ貧ではありませんでした
しかし何せ娯楽がなく、毎週末ブライトンにまで電車で行っていたので、交通費が想像以上に必要でした。イギリスでは基本的に電車料金は高く、鉄道会社と路線により、事前予約で金額は半額かそれ以下になります。ブライトン―ヘイスティングス間は割引料金がなく、当日の往復でいつも£22(2019年当時で3,500円くらい)を支払っていました。

あと、地方の場合は外国人がロンドンほど多くないため、どうしても外国人のほうが人権を軽くみられるというか、差別ほど明らかな行為ではないのですが、仲間外れにされてしまう傾向があります
そのため、そこに住んでいる外国人たちも、ロンドンの同国人と比べて、おとなしい人が多い印象でした。

治安を知るのはとても大切です。
後で知ったことですが、このヘイスティングスという町、「地球の歩き方」ではリゾート地として紹介されていますが、実はこの町がリゾート地として栄えていたのは100年も前のヴィクトリア朝時代の話で、飛行機やユーロスターが登場してからというものそのリゾート地としてのその地位を失い、一気に衰退して、財政を補うために不法移民を収容することになったという経緯があり、外国人に対して地元民が良く思っていない土地でありました。

移民が多い=治安が悪いとは決して言ってはなりませんが、仕事を得られない移民がドラッグに手を出し浜辺でトラブルを起こす話はちらほら耳にしました。

現地に日本の方が何名かおり、昼間であれば美しい海辺の町なのですが、夜はがらりと様子が変わり殺人事件が時たま発生するなど、決して治安の良いとはっきり言える場所でありませんでした。

そういえば、お正月にロンドンの友人が日本から来た彼女の友人と一緒にヘイスティングスに遊びに来てくれたのですが、1月1日の新年早々、道端で女の子が警察に取り押さえられて手錠をかけられていました。

イギリスあるある。

渡航時期はいつがよいか

結論から言うと、8月は避けたほうがよいと感じました。

なぜなら、8月は多くのイギリス人が長いホリデーに行く時期だからです。ホリデーとは、祝日ではなく、イギリス英語で休暇のことです。アメリカ英語のバケーションと同じ意味です。

地元に人がいなくなると、そもそも住む家の家主さんが休暇中で家に入れなかったり、話が進まなかったり、いろんな法的な手続きが進まなかったりと、8月は色々と社会的な活動がストップする時期です。
地元の友人を頼ってきたとしても、そもそも休暇でいなかったりします。
そのくせ観光客は多いので、空港や観光地は混んでいるし、旅行に行こうとすると運賃から宿代まで、どこもかしこもめちゃくちゃ高い。日本の通常の宿泊費の1.5~2倍くらいです。イギリスの現地の方は8月の旅行費の高値を「恥知らず」と呼んでいました。

ということで、8月は初めて来た人間にとってはいいことはあまりなし。私も上記の点で苦労しました。

イギリスは2019年から猛暑に苦しんでいるので、暑さについても8月は要注意時期です。それまでは25度くらいと比較的過ごしやすい夏だったのに、突然39度を記録するようになり、冷房がなく窓を大きくとる傾向のあるイギリスの家屋では死者が毎年出る始末。とくに最上階の部屋は、全体の死亡者数の3割に当たるというデータもあります。
イギリスの夏は6~8月の間に、何日かまばらにやってくるイメージですので、8月だけでなくその前も注意すべきかもしれません。

逆にいつがいいのかと聞かれると、やっぱり4月とか5月とか春に渡航するのがいいのかなぁと。この時期新しく渡英YMSの方も多いですし、何より寒いイギリスの冬に慣れるまでの準備期間がある。
日系企業で働きたければ4月からの採用があります。

こんなところでしょうか!
次回3.ロンドンについたら気を付けること、を記事にしたいと思います。
巻き込まれたトラブルの引き出しはたくさんありますので、そちらもネタにしていきます、乞うご期待(?)





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