1.ワーホリで暮らす前に意識しておきたいこと
ロンドン。イギリスの首都。
我ら極東の民にとって、ロンドンはやっぱり憧れの街の一つですよね。
ワーキングホリデーや学生ビザを使って、ロンドンにしばらく滞在する方に、よくアドバイスすることを以下にまとめてみました。
1.ロンドンで暮らす前に意識しておきたいこと
2.ロンドンに来る前に準備すべきこと
3.ロンドンに着いたら注意した方がいいこと
4.ロンドンの滞在中にできるアイデアあれこれ
今回は1. ロンドンで暮らす前に意識しておくべきことについてまとめます。2以降は次のページをご参考下さい。
1.ロンドンで暮らす前に意識しておくべきこと~その①
日本の常識が通じない!?
外国なので当たり前と言えば当たり前のことではありますが、「こちらの当たり前」はあちらさんの当たり前とは違うということです。
当たり前なことは、当たり前なので普段日本にいると私たちは意識しません。そうした「当たり前だと思っていたこと」を「あ!無意識にやってた!」と思い出させてくれるのが異国の良いところであり、時に痛い目に合わせてくれるところです。
例えばお店のドアを開けるとき。海外では、日本ほど自動ドアが普及していないことが多々あります。以外ながらイギリスも然り。これは、一つに古い建物が多いことも理由にあるのですが、それゆえに自動ドアを開ける機会が多くあります。
みなさま、普段お店のドアを自分で開けるとき、それが手前に押したり引いたりして開けるタイプの開き戸だったとして仮定して、ドアを開けたあと、どうしてますか?
正解は、自分の後ろに人がいるかもしれないことを想定して、なんとなく一瞬ドアを開けたままホールドして肩越しに人がいるか確かめる、です。
実はこれ、自動ドアにすっかり慣れてしまった日本人が意外にできていなくて、自分でドアを開けたらそのままホールドせずにスッと通り抜け、後ろの人が「あれっ、ドアをホールドしてくれなかった」とがっかりしてしまう。海外でひんしゅくを買ってしまう動作の一つなのだそうです。
このような、特段文章にするほどではない小さな動作、だけどチリのように不信感が積もってしまうとちょっとまずい習慣の違いゆえのズレ」は、イギリスに限らず海外では常に意識している必要があります。
常に人を観察して、受け入れられるようなら自分もその地域の習慣や慣習を真似してみること。これが自分の身を守ることにつながるかもしれません。
だって、ドアを開けておいてもらえなかったイギリス人が、「あいつら日本人はドアを後ろの人のためにホールドしておいてくれない遅れた民族だからな」なんていつかどこかで言ってたら嫌ですからね。もちろん、これは極論ですが。
これくらいなら、自分たちに直接害があるわけではないので別段かまうことはそんなにないかもしれません。
しかし、コロナウイルスが2020年に猛威を振るい始めたときに、ロンドンのトッテナムコートロードTottenham Court Roadという駅の近くで起きた出来事をご存じでしょうか。
シンガポール人の男性が、面識のない通行人に暴力を突然振るわれるという事件がおき、イギリス国内外で大きな衝撃が走りました(*1)。この時期はコロナウイルスが中国発とされるなかで東アジア系の人種に対する反発感情が高まり、ヘイトクライム(憎悪犯罪)が増加していました。
つまり、理性に考えれば「自分には関係のないこと」であったとしても、自分のその外見ゆえに、極めて一部の人間には憎悪の対象となりえることを物語る事件であったといえます。
当時、ロンドン在住のアジア系の友人たちも「バスで隣に人が座らなくなった」と異口同音に述べていました。
日本にいる時は全く意識しない自分の民族的なアイデンティティーが、一歩国外に出た途端、自分の安全と命すら脅かしかねない要因となりえるのです。
「自分はこの国ではアジア人にカテゴライズされており、見た目から日本人と判断できる人はごく少数」
「ゆえにトラブルに巻き込まれることもありうる」
この意識はいつもどこかで持っていてもらいたいと思います。
参考
*1 The NewYorkerの記事:https://www.newyorker.com/news/letter-from-the-uk/the-rise-of-coronavirus-hate-crimes
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