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三つ子の魂百までも(番外編)10

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次の日から、二人の捜索は始まった。
杉田が調べた結果、大島晃子の住むマンションで殺人事件や、自殺した事件も無かった。また近所での事件も皆無であった。
ただ、興味深い事であるが、戦争で爆撃を受けた所で多くの人が
亡くなったと言う事である。
だがこれは、70年以上を前の事である。
また、関東大震災でも大きな被害を受けたとも言われた場所でもあった。

「裕美さん、あのマンションでは、全く事件が無かったそうです。
自殺者も、殺人事件も無いとのことでした。」

「そうなの!」と、裕美は天を仰いだが、事務所の天井の壁が見えるだけであった。
「でもこの部屋は新築では無いし、以前は誰が使っていたのかな?
それと、この部屋の以前の住民が、病死したとか無いのかな?
それを調べてみましょう。
先ずは大島さんに聞いてみるね」
と、裕美は大島さんに、電話をかけている。
素早い行動は、探偵の命だ!

大島の話では、以前の住民の人の情報は、仲介の不動産からは聞いてはいないが、元気で暮らしているとの事であった。
杉田は、裕美が途方に暮れているのかと思ったが
その様な素振りも見せる事も無く、杉田に言った。

「面白くなってきたわ。悪霊との私の対決ね」
と、自信満々に呟き、裕美の瞳は輝きを増している。
そんな裕美の瞳を観て、不安を覚える公一であった。

「明後日、大島さんの自宅に行くよ。一度見学に行くのよ。
用意しておきなさい。」
と、決意のこもった、上から目線の一言である。
「はい、解りました。お供します。」
と、従順な態度を示しす公一。
裕美さんの言葉には、何ら逆らえないMの公一が側に居た。

https://note.com/yagami12345/n/n69c2e4b09711

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