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売れないKindle作家の独り言19


短編小説 ホラーかも?

私は黒猫。
昔、「黒猫のタンゴ」と言う陽気な歌が流行ったみたいだが、
私には関係がない。
私は今までに、人に飼われた事は無い。
そう、私は気まま野良猫。
人間は黒いというだけで意味もなく、忌み嫌う。

カラスがそうだ!好きな人は余り居ない。
カラスが人に飼われていると、聞いた事はない。

今日も私は、餌を求めてゴミ箱漁りをした。
だがいつも、想うのだがゴミに出される食べ物の多さ、
こんなに無駄にしても良いのか?と疑問を持つ。
お陰で私は助かってはいるが、無駄を多く出していると、
いつか人間は、神さまに怒られる様な気がする。

今日は、冷たい雨が降っている。
汚れは、黒いからそれ程目立ちはしないが、
濡れるのは嫌だ。

雨の凌げるビルの片隅に、私はいた。
秋の日暮は早く、もう暗くなっている。
幸いな事に雨は止んだみたいだ。
眠気を感じ始めた頃、女性の叫び声が聞こえた。
何事か?と思い路地に出ると、一台の車が止まっている。

車の下から、水では無いであろう液体が流出している。
更に、見ると女性が車の下にいて、動かなくなっている。

車を運転した人か?女性を見てから、驚いた仕草も無く私を見た。

その男の顔は、目的達成の喜びに溢れている表情に、私は見えた。

(この男、女性を殺したのか?)
と、私は感じたが、猫の故に何も出来ない。

そのまま、男は立ち去った。
逃げる様に、連絡する事も無く。

女性は、死んだのか?ピクリとも動かない。
私は、女性の側に行って、もう一度確認した。
呼吸する気配が無い。死んでいる。

私は、恐怖を感じると同時に男に対しての怒りを覚えた。

私は、男の顔を思い出そうとしたが、
思い出せない。暗闇なのでわからなかった。
だが、匂いは覚えている。
あの独特の匂いは、猫なら解る。

今までに嗅いだことも無い匂いだから、もう一度嗅げばその男かどうかは判る筈だ。
だからと言って、私には捜査能力は無い。
言葉も喋る事が出来ないから、証言も出来ない。
此処は、裏通り。
車の通りも少ないし、ほとんど人も通る事は無い。

何故、この女性はこの様場所を通ったのだろうか?
不思議に思った瞬間、私の身体に異変が起こった。
何だ、この重圧は?物凄い力で私の身体を抑え込んでくる。
そして、私の身体に何者かが、侵入してきた。

「猫の身体に入ってどうするの?」と聞きたい気持ちであったが、
何も解らぬまま、私は気を失った。

どれくらい、時間が経ったのであろうか?
私は、警察署のソファーに寝ていた。

目が覚めた時、男から声をかけられた。
「起きたか?」とまるで人に声かける様に、私に声をかけてきた。

「お前なんで、あんなところで寝ていたんだ?
風邪ひくだろうが?
連絡あったからよかったけど、あのまま寝てたら、車に轢かれるぞ!」
と、男は慣れ慣れしく言葉を発してきた。

まるで私が人間みたいに!それと同時にあの匂いを感じさせて。


「ところで、あの黒猫、車に轢かれたのかな?可哀想に死んでいたぞ」


            完



整合性なし、中途半端な物語です。
でも、短編だからこれで許して下さい。
読んだ人が、少しでも寒くなってもらいたいのですが、
別の意味で、寒くなるかも知れません。
思いつきで書いたので、御免なさいね。





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