Photo by dao0505 短編 ホラー小説 (ほら小説?) 17 ボーン 2023年1月6日 06:17 この事は、私は書きたくは無かったのですが、やはり、皆さんに報告すべきだ、と云う感情に駆られこの事を伝えます。それは、私が小学三年の時の事です。いつも私は、学校が終わると友達と遊んでいました。どの様に遊んでいたのかは、思い出せませんが、ある時、隠れんぼをする事になったのです。季節は夏が来る前だったと、記憶しています。時刻は午後4時頃。何人かの友達と遊びその中には歳上の人もいました。隠れる場所を探していると、丁度良い土管があったのです。その土管は、僕が入るにはちょうど良い太さで、高さも僕の身長よりも少し低く縦に置いてありました。僕はよじ登り、土管の中に入ったのです。しかし地面を掘ってあったのか、土管の淵に手が届く事が出来ず、飛び跳ねても土管の淵には届きませんでした。「どうしよう。誰か居ませんか?助けて!」と、僕は何度も叫んだのですが、誰も来ません。また何度も飛び跳ねることを試みたのですが無駄でした。段々と暗くなっていきます。このまま、ここで死んでしまうのだろうか?と、僕は心細くなっていくと同時に、睡魔に襲われて来たのです。その睡魔は、僕の恐怖心を奪うかの様に、眠りに落としていきました。どれ位寝たのでしょうか?空を見ると、少し明るくなっていました。「夜が明けたのだろうか?お腹が空いたな!誰も見つけてくれなかったら、僕は此処で餓死するのだろうか?」と考えていた時、人の声がしたのです。僕は直ぐに声を出し、助けを求めようとしたのですが、その人達の会話が恐るべき会話なのです。男が、「コイツをあの土管の中に投げ込め。」「分かった。俺は頭を持つから、足を持ってくれ」「よし、放り込むぞ、そら一二の三。」と、僕の横に死体が落ちて来たのです。運が良かったのか、死体が僕の横に通っただけで体には触れずに落ちて来たのですが、僕は恐怖で身体が固まってしまいました。死体を見る事も怖かったのですが、それよりも、この死体を投げ込んだ男達の方がもっと怖かった。「見つかったらどうしよう」と思いながら、僕は死んだ真似をして目を瞑っていたのです。男は土管を覗き込んでいるのか?声が聞こえて来るのです。「おい、可笑しいぞ、もう一つ死人がいるぞ」「嘘だろう。何処に」と、云う声が聞こえてきます。男は2人いるみたいです。「子供みたいで、小さいな」「此処に落ちて死んだのだろう。ほおっておけ。行くぞ」と言って2人の男は死体と僕を残して何処かに行ってしまった。僕は死体の顔を見るのが怖かったのだけど、怖い物見たさと云うのがあるのか、興味が湧き見て見ると暗い為か、顔の表情は確認出来ず、少し安堵したのですが、それと同時にまた恐怖心が目覚めたのです。夜が明けたら、必ず誰かが探してくれるはずだ!お母さんが警察に言うはずだ!と、僕は一縷の希望を抱いて死体の側にいたのです。でも、誰も探しに来なかったら僕もこの死体と同じになるのか?その様に思うと悲しくて、悲しくて涙が溢れ出しました。泣いている場合では無い。どの様にして土管から脱出するかを考えないといけない。もう1人の自分が、僕を勇気付けたのです。希望は勇気に変わり、挑戦に変わります。逆に、絶望は臆病に変わり、逃亡に変わります。希望を持った私は、死体を見て気がついたのです。「死体の上に乗れば、手が届くかも知れ無いと!」気持ちが悪かったのですが、死体の向きを変え、寝そべっている死体を起こし座らせ、その肩の上に乗り上げ、思いきりジャンプを試みたのです。運が良かったのか僕の手が、土管の淵には届きました。渾身の力を込めてよじ登り、何とか脱出に成功しました。「やった!僕は凄い!」と、自分で自分を褒めていました。僕は急いで家に戻りました。そこには、憔悴したお母さんの姿がありました。僕を見るなり抱きしめてくれました。涙声で「馬鹿、何処に行っていたの?本当に・・」と、言葉にならない声で。お父さんは、無言で僕を見つめていました。「御免なさい。土管の中に入ったら出られなくなったの」と僕は泣きながら言ったのです。お父さんは、何も言わず首を「うんうん」と動かしていました。「お前、臭いな!すぐにお風呂入りなさい」と、父から言われ僕はお父さんと一緒にお風呂を入ったのです。お父さんは僕の体を洗ってくれました。「何でこんなに臭いんだ。」とお父さんが聞くので「僕の居た土管の中に、死体を投げ込んだ人がいたの。僕は怖くて死んだ真似していたの」「あの土管の中にいた子供は、お前だったのか」 完少しはゾクっと来ましたか?この話が本当だったら怖いですね。 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #つぶやき #創作大賞2023 #独り言 #オールカテゴリ部門 #ホラー小説 #売れないKindle作家 #脱出 #死体 #土管 #ほら小説 17